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お兄さんが、私の手を引いてくれる。
優しく、力強く。私は、今から隣の町へと売られる。
父さんと母さんは私に
「絶対に手を離さないで。隣の町についたら、弱音をはかず長女として、稼いで来て。」
といった。私はまだ知らない。私のがどんな仕事をするのか。
私は不安でしかたがなかった。そう思うたびに、手を強く握った。
きっと、お兄さんは迷惑だったんだろうけど。私は怖くて不安で、なにかにすがり付かないと、前を向けなかった。
お兄さんが私の手を引いて、歌を歌ってくれた。
今でも鮮明に覚えている。その歌と、歌声を。私が死ぬまで、忘れたことは一度たりともなかった。
第1話~END~