テニスプレイヤーから剣士まで

**第二期 第12話: 新たな仲間、ピンク髪の少女**

シルバードでの穏やかな時間も終わり、トーマス、ケイン、そしてグラントは次の目的地へ向かうため、町を出発しようとしていた。太陽がまだ低く、朝の澄んだ空気が三人を包んでいた。荷物をまとめ、旅支度を整えた三人は、町の門を通り抜けようとしたその時だった。

「待って！」背後から高い声が響いた。

三人が振り返ると、ピンク髪の少女が息を切らせながら彼らに向かって走ってくるのが見えた。彼女はおそらく14歳くらいで、鮮やかなピンクの髪が風になびいていた。その目には強い決意が宿っている。

「お願い、私も連れて行って！」少女はそう叫びながら、トーマスたちの前に立ち止まった。息を整えるために少し肩で息をしながら、彼女は続けた。「私の名前はリリス。魔族に家族を…家族を皆殺しにされたの。だから、私も一緒に魔王を倒したい。どうしても、復讐を果たしたいんです！」

トーマスとケイン、そしてグラントは一瞬、言葉を失った。彼女の訴えは深刻で、その声には本気の覚悟が込められていた。だが、彼女の年齢やその瞳の奥に隠された悲しみを感じた三人は、すぐに返答ができなかった。

「リリス…君の気持ちはよくわかる。」トーマスが慎重に言葉を選んで答えた。「でも、これから向かうのは魔王城だ。とても危険な場所だ。君を巻き込むのは…」

「わかっています！」リリスはトーマスの言葉を遮るように強く言った。「私だって、ただの少女じゃない。これまで一人で生き抜いてきたんです。だから、お願い、私を連れて行ってください！」

ケインがトーマスの肩に手を置き、静かに言った。「彼女は本気だ。俺たちと一緒に行くのが一番安全かもしれない。リリスが一人で魔王城を目指したら、もっと危険だろう。」

グラントも軽く頷いた。「それに、俺たちは彼女を守れる。リリスが望むなら、彼女を仲間として受け入れるべきだ。」

トーマスは少し考えた後、リリスの決意を目にして、ついに頷いた。「わかった。リリス、君を仲間として迎え入れる。だが、これから先は本当に危険な道だ。命をかける覚悟があるなら、共に戦おう。」

リリスの目が輝いた。「ありがとうございます！絶対に、絶対に後悔しません！」

こうして、リリスはトーマスたちの仲間として旅に加わることになった。次の目的地は魔王城。しかし、彼らはまず、魔王城の最寄りの町である「ダルマク」に向かうことにした。ダルマクは、魔王城に最も近い町であり、これからの戦いに向けた最後の準備を整えるために必要な場所だった。

リリスの加入によって、トーマスたちの旅は新たな展開を迎える。復讐の炎を胸に秘めた少女リリス、彼女の力と決意がこれからの戦いにどのような影響を与えるのかは、誰にもわからない。しかし、彼女の存在が三人に新たな刺激を与え、チームの絆をさらに強固なものにすることは間違いなかった。

次の目的地、ダルマクへ向けて、彼らは再び旅路に足を踏み出した。魔王城で待ち受ける運命に挑むため、そして、リリスの悲しみと怒りに応えるために。