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「チッまた来たのかよ…」
「うん、来た」
「帰れって言ったよな」
「言われたよ」
「じゃあなんでいるんだよ」
「会いたかったから」
「は?ふざけんな」
「ふざけてない」
「軽く言うなって言ってんだよ!」
「軽くないよ」
「どこがだよ」
「全部」
「意味わかんねぇよ……」
「いいよ、わからなくて俺だけが分かってれば、」
「よくねぇよ!」
「でも俺は分かってるから」
「何をだよ」
「湊のこと」
「……知ったような口きくな」
「知ろうとしてるだけ」
「余計なお世話だ」
「そうだろうね」
「ならやめろよ」
「やめたくない」
「なんでだよ」
「好きだから」
「……っ、だからそれが重いって言ってんだろ!」
「重いよ」
「自覚あんのかよ」
「あるよ」
「じゃあ直せ!」
「直さない」
「なんでだよ!」
「直したら、湊のこと諦めることになるから」
「諦めろよ!」
「無理」
「なんで!」
「好きだから」
「そればっかじゃねぇか!」
「それしかないから」
「……ふざけんなよ」
「ふざけてない」
「俺がどんなやつかも知らねぇくせに」
「知ってるよ」
「知らねぇよ!」
「人突き放すくせに、ほんとは誰かに来てほしい人」
「黙れ」
「一人で抱え込んで、平気なふりする人」
「黙れって言ってんだろ!」
「でも限界きてる人」
「……っ!」
「図星でしょ」
「違ぇよ……」
「じゃあこっち見て言って」
「見ねぇよ」
「なんで」
「……見たら」
「見たら?」
「……崩れそうだから」
一瞬、空気が止まる。
「……崩れたらだめなの?」
「だめに決まってんだろ」
「なんで」
「迷惑かけるから」
「かけていいよ」
「よくねぇよ!」
「いいって言ってる」
「なんでそんなこと言えんだよ!」
「好きだから」
「……またそれかよ」
「うん、またそれ」
「それで全部許されると思うなよ」
「許してほしいわけじゃない」
「は?」
「ただ一緒にいたいだけ」
「それが一番迷惑なんだよ……」
「それでもいる」
「帰れよ」
「帰らない」
「帰れって!」
「帰らない!」
「なんでだよ!!」
「放っておけないからだよ!!」
沈黙。
雨音だけが響く。
「……なんで」
湊の声が、さっきより弱い。
「なんでそこまで」
「湊が苦しそうだから」
「関係ねぇだろ」
「あるよ」
「ねぇよ」
「ある」
「ねぇって言ってんだろ!」
「あるって言ってんの!!」
ぶつかる声。
息が荒くなる。
「……っ、俺、お前に頼んでねぇよ」
「うん、頼まれてない」
「じゃあ来んなよ」
「それでも来る」
「……意味わかんねぇ」
「いいよ」
「よくねぇよ……」
「湊」
「なんだよ」
「一人でいなくていいよ」
「……は?」
「無理しなくていい」
「してねぇよ」
「してるでしょ」
「してねぇって!」
「してるって!」
「……っ、うるせぇ……」
「うるさくていい」
「静かにしろよ……」
「やだ」
「……なんでだよ」
「聞いてほしいから」
「何を」
「湊が一人じゃないってこと
俺も一緒にいるってこと」
「……っ」
言葉が止まる。
「俺がいる」
「……いらねぇよ」
「いるよ」
「いらねぇって言ってんだろ……!」
「じゃあなんで泣きそうな顔してんの」
その瞬間、湊の呼吸が止まる。
「……してねぇよ」
「してる」
「してねぇ」
「してる」
「……見るな」
「見る」
「見るなって……」
「見る」
「……やめろよ……」
声が、震える。
「やめない」
「なんでだよ……」
「好きだから」
長い沈黙。
「……ほんと」
湊が小さく呟く。
「ほんと、最悪だなお前」
「うん、よく言われる」
「逃げ場ねぇじゃんかよ……」
「作らせない」
「性格悪すぎだろ……」
「知ってる」
少しだけ、笑いが混じる。
でも――
「……なあ」
「なに」
「ほんとに、後悔しねぇのか」
「しない」
「なんで言い切れんだよ」
「湊だから」
「……意味わかんねぇよ」
「いいよ、それで」
また沈黙。
でもさっきより、少しだけ柔らかい。
「……帰るぞ」
「一緒に?」
「……一人で帰らせたら、また来るだろ」
「うん、来る」
「だからだよ」
「そっか」
「勘違いすんなよ」
「してない」
「……ほんとムカつく」
「ごめん」
「謝んな」
「うん」
並んで歩き出す。
「……なあ」
「なに」
「明日も来んのか」
「行っていい?」
「……好きにしろ」
「じゃあ行く」
「……はぁ」
新しいお話の下書き的な
気に入ってくれたら嬉しい
重め