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あてんしょん
rz × ml
タヒ ねた あり 。
空白 ちゅーい ね 。
じゃ 、 すた ー と 。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
夜の街は嫌いだった 。
マフィアの根城があるこの街は 、
日が沈むほど生き生きとする 。
誰かが騙される 。
誰かが裏切る 。
誰かが消える 。
そんな場所で 、
俺は十五年生きてきた 。
「 めるちゃん 」
聞き慣れた声がして振り返る 。
赤い髪を揺らしながらロゼが歩いてきた 。
「 また一人で屋上 ? 」
「 別に 」
「 そっか 」
それ以上 、 ロゼは聞いてこなかった 。
無理に踏み込んでこない 。
だから 、 こいつは俺の隣に
いられたんだと思う 。
俺はフェンスにもたれたまま
夜景を眺める 。
「 ……ロゼ 」
「 ん? 」
「 なんで俺なんかに構うの 」
ロゼは少しだけ考えた 。
「 めるちゃんだからかな 」
「 よく分かんない 」
「 俺もあんまり分かってない 」
そう言って笑う 。
俺は顔を逸らした 。
その笑顔を見るのが少し苦手だった 。
昔からそうだった 。
誰も俺を必要としなかった 。
学校では毎日のように笑われた 。
殴られた 。
無視された 。
逃げるように入ったこの組織でも 、
俺は役立たずだった 。
なのにロゼだけは違った 。
仕事で失敗しても怒らない 。
怪我をしたら心配する 。
眠れない夜は隣にいてくれる 。
理解できなかった 。
どうしてそこまでするのか 。
理解できないから怖かった 。
いつか失う気がした 。
――――――
数日後 。
組織同士の抗争が始まった 。
銃声が響く 。
怒号が飛び交う 。
俺は敵の銃口を避けながら走った 。
その時だった 。
腹に激痛が走る 。
「 あ…… 」
撃たれた 。
足から力が抜ける 。
視界が揺れた 。
地面に膝をつく 。
終わった 。
そう思った 。
不思議と恐怖はなかった 。
俺の人生なんて最初から
大したものじゃない 。
だから 、 ここで終わるんだろうなって 。
そう思った 。
だけど 、
「 めるちゃん っ ! 」
聞き慣れた声が響いた 。
ロゼだった 。
銃弾が飛び交う中をこっちへ走ってくる 。
「 来ちゃだめ 、 っ ! 」
思わず叫ぶ 。
だけどロゼは止まらない 。
俺の身体を抱き起こした 。
「 大丈夫 」
「 大丈夫じゃないよ…… 」
「 うん 」
ロゼは苦しそうに笑った 。
「 でも生きてる 」
その言葉に胸が痛くなった 。
どうしてそんなことを言うんだろう 。
どうしてそんな顔ができるんだろ 。
「 離して…… ! 」
「 やだ 」
「 危ないって…… ! 」
「 めるちゃんを置いていく方が嫌だな 」
馬鹿だ 。
本当に馬鹿だ 。
俺なんかのために 。
その瞬間だった 。
銃声 。
鈍い音 。
ロゼの身体が揺れた 。
思考が止まる 。
赤い血が広がっていく 。
「 ……ロ 、 ゼ っ ? 」
返事がない 。
嫌な予感が全身を駆け抜ける 。
「 ロゼ 、 っ ! 」
もう一度呼ぶ 。
するとロゼはゆっくり目を開いた 。
「 んー……怒られちゃうなぁ 」
「 何してるの…… 」
声が震えた 。
「 何やってるの…… ! 」
ロゼは苦しそうに息を吐く 。
それでも笑っていた 。
「 泣いてる ? 」
「 泣いてない……っ 」
言った瞬間 、
自分の声が情けないくらい震えていた 。
「 そっか 」
血が止まらない 。
手で押さえても意味がない 。
分かってしまう 。
助からない 。
そんなの嫌だった 。
嫌だった 。
本当に嫌だった 。
初めて思った 。
失いたくない 、 と 。
「 死なないで 」
「 うん 」
「 お願いだから 」
「 できるだけ頑張る 」
「 そういうこと言わないでよ…… 」
涙が零れる 。
止まらない 。
ロゼは驚いたように目を丸くした 。
そして 、 とても優しく笑った 。
「 よかった 」
「 何が…… 」
「 めるちゃん 、
生きたいって思えたんだね 」
息が詰まった 。
言い返せなかった 。
ずっとどうでもよかった 。
俺が生きようがタヒのうが 。
そんなこと 。
本当にどうでもよかった 。
でも今は違う 。
ロゼがいなくなるのが怖い 。
一人になるのが怖い 。
明日が来るのが怖い 。
だから 。
生きたい 。
初めてそう思った 。
ロゼは震える手で俺の頭を撫でた 。
昔からそうだった 。
子ども扱いするみたいに 。
「 めるちゃん 」
「 ……なに 」
「 ちゃんと生きるんだよ 」
「 無理だよ 、 」
「 できるよ 」
「無理 、 だって 、 っ ……」
声が掠れる 。
涙が頬を伝って地面に落ちる 。
ロゼがいない世界なんて想像できなかった 。
だけどロゼは静かに首を振った 。
「 大丈夫 」
いつもと同じ言葉 。
根拠なんてない 。
それなのに 、 不思議と安心してしまう 。
「 めるちゃんには明日があるから 」
気付けば夜明けが近づいていた 。
東の空が少しずつ白くなっている 。
ロゼはその光を見つめていた 。
穏やかな顔だった 。
「 綺麗だね 」
俺は何も答えられなかった 。
ロゼの手が少しずつ冷たくなっていく 。
怖かった 。
叫びたかった 。
引き留めたかった 。
離したくなかった 。
それでもロゼは最後まで笑っていた 。
まるで
夜明けを見届けるみたいに 。
それから何年経っても 、
俺は夜が嫌いだった 。
あの日のことを忘れたことはない 。
忘れられるはずもなかった 。
だけど逃げなかった 。
生き続けた 。
傷だらけになりながら 。
苦しみながら 。
何度も立ち止まりそうになりながら 。
それでも前を向いた 。
夜明け前 。
俺は屋上に立っている 。
昔と同じ場所 。
冷たい風が頬を撫でていく 。
フェンスにもたれながら空を見上げた 。
「 ……ロゼ 」
返事はない 。
分かってる 。
そんなこと 。
ずっと前から 。
それでも名前を呼びたくなる 。
東の空が少しずつ明るくなっていく 。
長い夜は終わる 。
失ったものは戻らない 。
もう隣で笑ってくれる人もいない 。
それでも 。
俺は今もここにいる 。
あの日 、 ロゼが守ってくれた命で 。
今日まで生きてきた 。
ちゃんと泣いて 。
ちゃんと苦しんで 。
ちゃんと前を向いて 。
「 ……ねぇ 、 ロゼ 」
朝日が顔を出し始める 。
柔らかな光が街を照らしていく 。
俺は目を細めた 。
「 俺 、 まだ上手くはできないけど 」
小さく息を吐く 。
「 ちゃんと生きてるよ 」
まるで誰かが隣を通り過ぎたみたいだった 。
少しだけ笑う 。
昔より 、 ほんの少しだけ自然に 。
「 だから 」
空を見上げる 。
広がる朝焼けは 、
あの日と同じくらい綺麗だった 。
「 もう少しだけ見ててよ 」
返事はない 。
だけど不思議と寂しくなかった 。
朝日が昇る 。
新しい一日が始まる 。
俺はゆっくりと前を向いた 。
そして一歩ずつ歩き出す 。
ロゼがくれた明日の中へ 。
コメント
3件
うわあああん😭💔💔💔 読んでて胸がぎゅーってなったよ…!!ロゼがめるちゃんを守るために銃弾を受けるシーン、マジで涙止まらなかった…「生きたいって思えたんだね」って台詞、エモすぎて何回も読み返した🥺✨ 最後の「ちゃんと生きてるよ」がすべてを物語ってるよね…ロゼの想いがめるちゃんの中でちゃんと生きてるんだなって思ったら切なくて温かくて…!素敵な作品をありがとうございます🌸💕
mu!