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最近生物絶滅させにきてる暑さにイライラしてます、Landrです。怒りが頂点に達したのでネタにしてやりました、コノヤロウ。
今回はセンシティブがありませんがBL自衛お願いします🙏
冷房の効いた警察署の2階で目を覚ます。
次に無線に1と入力してから、それに向かって大声で挨拶をする。いつもの目覚めだ。
なんとなく外の様子が気になって、本署の出口より近い屋上に向かう。
「うわ暑そー」
ドア越しでも、外に出るのが億劫になるほどの熱を感じる。
そこに1台のヘリがヘリポートに荒々しく着陸してきた。
「…?あれアオセンだな」
機内にちらつく淡い水色のワイシャツで判断がついた。しかし誰もが知るヘリ使いの異名を持つ青井の運転とは思えないふらつき具合で、白と黒の機体の上には肉眼でもはっきり見えるほどの陽炎がこびり付いていた。
ヘリがガレージに仕舞われた途端、青井はその場に尻もちをつきながらゆるゆるとへたり込んだ。
よく見ればいつものフルフェイスを被っていない。
つぼ浦はぎょっとした。屋上のドアを開けようと思ったがドアノブが火傷するかと思うほど熱いせいで、駆け寄るのに遅れる。
「アオセン大丈夫っすか?!」
「…気持ち悪い…」
「えっ」
見れば青井の頬と耳はあり得ないほど赤くなっており、加えて、シャワーを浴びたように汗でぐっしょりと濡れた髪と乾いた吐息が脱水を思わせる。
つぼ浦はまずいと思い、すぐに青井を担架に乗せ、署内に駆け込んだ。
つぼ浦は青井を2階のソファに寝かせると防弾チョッキやら、グローブやらを外して、シャツのボタンを全開にした。
何やら良くないことを考えてしまったつぼ浦は我ながら気色悪く感じ、頭を振り払う。
「…てかアオセン着込みすぎだろ!」
「…んー…」
誤魔化しに声を張るが…
開ききらずに蕩けた目、まるで照れたように赤い頬、汗で肌に張り付いた黒のタンクトップ、青井のどこを見てもなんだか色気染みていて混乱する。
「??///…チクショウ!!」
「ん゙ー……ん?」
いつの間に寝ていたんだろう、目を覚ませばつぼ浦がうちわで扇いでくれていた。
しかし顔を手で覆って俯いているため青井が起きたのに気付いていない。
「つぼ浦…?」
つぼ浦はハッと顔を上げるも、青井を見るや否や顔を赤くして再び俯いてしまった。
「…? 大丈夫?」
「全部アオセンのせい…」
「えぇ??」
「夏仕様の警察服、考え直したほうが良いっすよ…」
「あ、はい」
「水…あげる…」
「ありがと。…つぼ浦も熱中症なりかけ?」
「アンタのせいだって…三十路のクセに…」
「あぁ?」
俺が何をしたっていうんだ。そう聞きたかったが、青井はこれ以上聞いてはいけないような雰囲気を察して口を噤んだ。
疑問で頭をいっぱいにしながら水を飲もうとペットボトルを傾ける。しかしまだ手に力が入りづらく、口元に盛大に零した。
「ん、やべ、最悪」
「…!?///ア゙ア゙ア゙!!!もう駄目だ!」
「えっ、なにが」
いきなり立ち上がり限界を告げるつぼ浦は、驚く青井にビシッと指差した。
「アオセンもぅっ…!何ていうんだっ!?よくない!!ぃぁ…え、えっち!!!」
「は、はい!?どうしたお前」
顔から首まで真っ赤にしながら忙しなく体を動かしパニクるつぼ浦。しかも勢いのまま普段言わない言葉まで口に出す。
「ちょ、落ち着いて?」
青井がなだめようと手を伸ばしたら急にその場でしゃがみ込むつぼ浦、またそれに驚く青井。
「もうダメだ俺は…何言ってんだマジで…」
本当にその通りだと言いたいが青井はそれを飲み込んで、一旦冷静に零してしまった水の処理をしようと机の上にあるタオルを取り、辺りを拭く。
「なんか知らんけどごめん…」
「ほんとだよぉ…くそ…」
ただ何があったか教えてくれないとこちらもどうしたら良いのか分からない。
一旦つぼ浦が落ち着くのを待つ。
「……落ち着いた?」
「ハイ…」
「で…俺のどこがえっちだって?」
「グッ………引かないっすか?」
「うん」
「気色悪がらないっすか?」
「うん」
「これ聞いて関係絶たないって誓えますか?」
「う、ん」
「待ってナニ考えてんの?そんな?」
「やっぱ言わないほうが…」
「あーいや、待って、言って良いよ」
「どうせつぼ浦のレベルだから」
「ア?腹立つな」
「いや…あのですね………」
本署2階に高笑いが響いた。
原因はつぼ浦は素直に包み隠さず、さっきまでの己の苦悩を青井に話したからである。
つぼ浦は羞恥と怒りに肩を震わせ、青井は可哀想な後輩に腹を捩った。
「…はーっ、おもろ!お前」
「チクショウ人の苦労を笑いやがる、言うんじゃなかった」
「んふふ、いやありがとね……ほwんwとwにw」
「がぁぁぁ!!このジジイ!いい加減にしやがれ!!」
「だって…ねぇ?」
「んだよ!」
「うーん…自分で分かってないのかな…」
「つぼ浦俺のこと好きでしょ」
「あ?いきなり自惚れたこと言いだすな、流石に引くぜ」
「あれ?違う?………あっ!じゃあアレだ!男の人好き?」
「好きっていうのはその人の人間性によらないか」
「違う、そうじゃない。恋愛対象かって」
「あー?ソーユーの分んないぜ、チクショウ頭いてーな」
「えー…本当に俺のこと好きじゃないの?正直に」
「好きかは知らねぇけど、すごい人だとは思ってるぜ」
「すごい人か…」
「俺見て何も思わない?てか見た結果がさっきのか」
「どういうことだ?埒が明かねぇ」
「ちょっと手貸して…」
「なんでだ」
「いいから」
「………」
躊躇いがちに手のひらを差し出す。そこに青井は被せるように自分の手を置くと、ゆっくりつぼ浦の手を掴みながら指が絡み合うよう仕向けた。正しく恋人繋ぎだ。
緊張で手元ばっかり見ていたが、気恥ずかしく居心地が悪くなってきた頃に青井を見やると、はたと目が合った。どうやらずっと見られていたらしく、沈黙に耐えられず口を開いた。
「な、なんすかこれ」
「いや…ちゃんと照れてるなって…」
「そりゃこんな手触られるのなんて滅多にないから」
「ふーん…嫌ではないの?」
「まぁ別にこんなんで嫌がるほど嫌ってはいないんで」
「そう…」
「も…もういいだろ、離してくれ」
「はい」
「てか何が言いたいんすか」
「や、男の人の体見てえっちだっていうのは俺のこと好きかそういう趣味の人しかいないと思って」
「もう忘れてくれよ…深掘りすることじゃねぇ」
「いや無理、あのつぼ浦が失言だよ?」
「いい性格してるぜホント」
「ありがとうよく言われる」
コイツ…と思いながら青井を睨みつける。
アオセンが好き?この俺が?
こんなにも性悪で、人の恋愛事情にずけずけと踏み入ってくるノンデリで、定期的に小馬鹿にしてきて、30超えたおっさんで、そのくせ顔は良くて…素で優しくて……
恋愛的に好きではない理由を探そうと青井のことを考えるほど、何だか怪しくなってきた。
「つぼ浦?」
「あっ、あぁなんすか」
「やっぱお前もやられてんじゃね?暑さに」
「そ、そうかもな!…あっ!コンビニ強盗きたぜ!ちょっくらしばきに行ってくるんで!じゃ!」
ぎくりと肩が跳ねたが、勘違いしてくれたらしく、ナイスタイミングで来た事件対応に逃げようとしたが、走り出そうと後ろに振った腕が熱い手に掴まれる。
「まてまて、暑さでやられてるって言ってんのに行こうとするなよ笑」
「ッ、離してくださいっ」
「何、意識しちゃった?顔真っ赤にしt」
「確信しただけです!!!」
「えっ」
まさかの返しに緩んだ青井の手から逃れたつぼ浦は全力疾走でその場を離れた。
室外機の前を横切ったときに似たむわりとした空気を浴びながら、つぼ浦はがむしゃらに走った。そうすれば、顔が赤いのを指摘されても言い訳できるからだ。
「からかうだけのはずだったのに…まじかぁ…」
一人残された青井は先ほどの熱中症とは違った体の火照りに困っていた。
書いたら書いたで、二次創作にはいい季節だとつくづく思いました、Landrです。ロスサントスが日本と同じ気候かはわかりません🫠
本当に🟦🏺しか書けません…他の方には疎いもので…
🌵さんの夏の暑さの例えが上手すぎたのでお借りしました_(._.)_(本人様ツイートより)
閲覧ありがとうございました。ではまた〜👋