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玲王とお揃いで買ったリングを持って、
一番近くにある海へ向かった。途中でちょっと気持ちが揺らいじゃって、すごく怖くなったけれど、玲王のためを思ったらそんな気持ちは消えた。ロープは、、いいや。
もう3日間もご飯を食べていないから、泳ごうにも泳げないだろう。
電車に乗って、バスに乗って。
一番近いって言っても県は違うから、ちょっと時間はかかった。
今はもう日も沈み、辺り一面は薄暗くなってきているから人も居ない。大きな海を目の前に、俺はすくむ足を何とか動かして
ちゃぷ、と水に触れてみた。
「うわ、冷たっ、」
夏とはいえ、夕暮れ時の海は人肌に冷たかった。最期に、千切や潔に、お礼を言おう。
そう思い立ち、スマホを操作し電話をかけた。 ワンコールもしないうちに、千切が出た。
「早いね、千切。」
「お前、早いねじゃねーよ!どこいるんだよ、?」
「えーと、海かな、綺麗だよ。」
「海!?なん、、おい、ちょっと待て
お前まさか、!?」
「あれ、分かっちゃった?だいじょぶ、そんな辛くないと思うから。」
「辛いとかの問題じゃねぇ!やめろ!今すぐ帰ってこい、!」
「んー、?やだ。」
「なぁ、おい、、やだ、いかないでなぎ、、
れおのつぎにおまえまで、、」
「ごめんね、千切。今まで、ありがとう」
「ねぇ、っ!やだ、やだなぎ、!」
「ばいばい。」
千切、悲しんでたな。俺のために悲しんでくれるなんて、アイツは良い奴だ。きっと幸せになるだろう。
千切の幸せを願いながら、潔、蜂楽にも電話をした。2人とも悲しんでクレたな、と俺はちょっとの嬉しさと申し訳なさを抱いて靴を脱いだ。羽織ってきたカーディガンを畳んで置き、スマホも一緒に置く。遺書も書いた。
今までずっと一緒だったスマホは、千切や潔からの連絡を一身に受けている。それを無視して、俺は海に浸かった。
「ふぅ、やっぱりまだ寒いね、玲王はどう思う?今、そっち行くから。マッテテネ。」
玲王とのペアリングを海に沈め、その後を追うようにして自分の身体を沈めた。
あ、海月だー。つがいかな、
俺達も、生まれ変わったら、きっとそれに。
なんて思いナがら、その透き通った海にぶくぶくと沈んでいった。
海は中までずっとキレイなんだね、と心で玲王に語りかけタ。
あれ、俺、泣いてる、、?、、そっか。俺、強がってたんだ。玲王がいなクテも生きてけるって。自分の気持ちにそっと封をしたまま、それに気づかないフリしてた。あぁ、玲王、海ってすごいね。こンな俺の気持ちさえも綺麗に洗い流してくれる。やっぱり此処に来てよかっタ。
やっト、玲王とイッショになレるね。
コレかラは、ゼッタい離レなイようニ、ズーっと手ヲ繋いデイヨうネ。
ずーットオレとイッショニイレば、コワイコとカラハオレがマモッテアゲルヨ。
ダカラ、オレカラハなレナイデネ。
アイシテルヨ、玲王。