龍羽
午前二時のペルセウス号に一人、いや一匹の犬が途方に暮れていた。
🐉(どういうことだ。疲れているのだろうか、犬になってしまった…)
これからどうするかと考えていたが、狭い廊下を歩く音がし、その音に片耳をペロンと立てた。
🐉(誰か来る、ここで気づいてもらわねば…)
無意識に尻尾を振りながら、ドアを短い前足で掘る。
ガチャ…ギィ、ゆっくりとドアが開き、黄色の布を纏った片足が見えた。
🏹「ん…犬?迷っちゃったのかな。いやここは海の上だし、あはは、疲れてるのかな。」
🐉(羽京!助けてくれ、)
🐉「ワンッ ワンッ"」
🏹「え〜可愛い。おっきい犬だねえ。」
🐉「ワン! ワッ…」
シー、と人差し指を唇にあてにまっと笑う。
🏹「みんなが寝てるから静かにしてね、龍水。」
🐉(も、もう名前が決まっているのか?というか人の名前を犬に…)
🐉「クゥン…」
🏹「あはは、偉いな。でもどうしよっか、僕のところで寝れるかな…」
音を立てぬよう犬を抱え上げベッドへと連れていく。
部屋が共通のため、みんなが起きないように静かに布団に潜り込む。
🏹「わ〜もふもふだ。かわい〜」
🐉(はっはー、可愛いのは貴様の方だ。)
🐉「クゥン…」
龍水は羽京から寵を受けることに嬉しさと少しの照れ臭さを思いながらもを眠りに落ちて行った。
木のドアから微かに漏れる光と船員の足音で目が覚めた。
🏹「ふあー、おはよう。よく寝れた?」
🏹「あれ?!いな、」
横に手をあてモフモフの犬がいないことに驚き飛び起きた。
🏹「へあ?!なん、でここに、」
🐉「、ん…」
驚く羽京の横には裸で体を丸めた龍水がいた。
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