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赤×水
秘めたる愛は庭に咲く_.
俺がこの宮廷庭園に足を運ぶようになったのは、ほんの気まぐれだった。
赤「随分と手入れが行き届いてる…」
誰も手を付けなかった花壇に、美しい薔薇が何百本と咲いていた。
水「…‼︎僕が手入れしてますッ…‼︎」
振り返ると、そこには庭師の服を纏った可愛らしい子がいた。
その子は嬉しそうに花の手入れをし、
まるで何かの生き物と戯れているかのように、優しく、丁寧に扱う。
赤「俺の名前は大神赤、君は?」
水「稲荷水ですッ、!赤様、初めまして…!」
赤「様付けしなくていいのに…笑」
水「いえいえ、この国の王子様なんですから…」
水「…このお庭には、まだまだ美しいものが眠っています」
水「ほら、このお花綺麗でしょう…✨」
そう言うと、彼は薔薇の花びらをそっ…と撫でた。
その手付きがあまりにも優しくて、俺は何故か、目を奪われた。
その日以来、暇さえあればこの庭を訪れるようになった。
毎日毎日この国の為に勉強させられ、
親の期待、国民の期待を背負って音楽に励む毎日。
正直、俺の事を普通として接してくれる人はこれまでいなかった。
時間さえあれば政治をさせられ、責任だけを押し付けられる。
俺を褒めてくれる人なんて何処にもいない、と思っていた。
君と出逢うまでは。
最初はただの興味だったのかもしれない。
でも、いつしか俺は君に会う事が何よりの楽しさになっていた。
赤「水、次は__を植えてくれる?」
水「い~ですね…‼︎✨」
水「植える度に赤様が褒めてくれるので、嬉しくなりますっ‼︎」[にぱッッ‼︎
赤「ん、こちらこそ。いつもありがとね。」[撫
水「んへへッ…」
赤「…水が居なかったら、この庭も、俺の心もすっかり荒れてたんだろな…」
そう呟きながら、君の手をそっと取る。
俺の呟きを聞いてきょとんとしている姿がとても可愛い。
水「…僕最近思うんです」
赤「…?」
水「赤様に褒められるのはとても嬉しいです…、ですが…」
水「僕と赤様では、身分が違い過ぎますッ…」
君は俺の手から逃れようとする。
でも、俺は決して離さない。
赤「そんな事考えなくてい~のに……」
水「でもっ、身分の差が……」
赤「最初から分かってるよ、身分が違い過ぎるなんて」
水「では、何故…ッ?」
君が不安げにを俺を見上げた。その仕草すら、俺は可愛いと思ってしまう。
君の事を考えるとつい余裕が無くなる、これは俺の悪い癖だ。
赤「決まってるじゃん、水を心から愛してるからだよ」
君の瞳が大きく揺れた。
“独占したい想い”
赤「ね、水。俺のものになってくれない?」
ある日、俺は思い切って君に伝えてみた。
君は驚いたように目を見開き、すぐに俯く。
水「…冗談でしょう」
赤「冗談なんかじゃない」
俺は君の手を引き、自分の胸に当たる。
赤「…俺の心臓の鼓動、分かる…?」
水「ッッ……」
赤「俺の心は、全部水に奪われちゃったんだよ?」
赤「水の沼から抜け出せないや…」
水「そんな事、赤様が言うべきではッ…」
赤「俺が王子であろうと、1人の男であろうと、水を求める気持ちは変わらない」
赤「…絶対好きにさせるって誓う。だから、俺の隣に居てくれませんか?」
君は何も言わなかった。
でも、その沈黙が俺には答えのように聞こえる。
“運命に抗う”
水「…赤様、ご婚約が決まるそうですね」
ある日、君はいつもより遠い位置に立ち、そう言った。
赤「俺の意思じゃないのは確かだよ。水以外愛してないし。」
水「けど、王族には避けられない事でしょう…?」
水「断れば、国が混乱してしまうでしょうし…」
赤「……それでも、水を手放すよりはマシだよ」
赤「水はさ、俺が諦めるのを望む?」
水「僕はッ……」
君は微かに震えていた。
水「…赤様が僕の事を大事に想ってくれているのは、分かっています」
水「でも、僕はただの庭師なんです…」
赤「そんな事は関係無いよ…?」
俺は君を精一杯抱きしめた。
自分よりも小柄で、暖かい君。
俺には水しか居ないんだな、と改めて思う。
水「どうして…、どうしてそんなに僕を…」
赤「それは水が俺の全てだからッ……。ね、俺の隣にずっと居てくれない…?」
“迎え”
それから暫くして、俺の婚約は破談となった。
そして約束の日、満開の薔薇が咲く庭で、
君は静かに待っていてくれた。
水「…?王子ッ…?」
赤「…迎えに来たよ」
驚く君を前に、俺は手を差し出す。
赤「これからは、身分なんて関係ない…」
赤「今度こそ、俺の隣で生きてくれますかッ…?」
君は一瞬戸惑ったように見えたけれど__次の瞬間、そっと俺の手を握り返した。
水「いつまで待たせる気ッ…?笑」
赤「…‼︎」
水「うん、喜んでッ…‼︎」
その言葉を聞いた瞬間、俺は心の底から幸せを感じた。
赤(俺をこんなに幸せにしてくれるのは水だけだよ……)
赤「水、愛してるよッ…、世界で1番…」
水「僕も愛してますっ、!」
水「えへッ……」
君とのこの愛を、永遠に誓おう。
end_.
難しい……🥹🥹
リクエストもうちょい待ってねん…😭🙏