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前回からの続きです ! どうぞ

誤字等あったらすみません 😿






 嗚呼だめだな、なんて不覚にも思ってしまった。なんでこうも人生というものは全てうまく行かない結果に転がってしまうのだろうと考えてばかり。歌い手活動だって確かに成功したかもしれない。けど今はどう?…ううん、そんなん言ったら一緒に頑張ってくれてるメンバーと支えてくれてるリスナーに失礼か。

 それでもやっぱり人生はうまくいかないことだらけ。成功なんて人生の4分の1程度にしか過ぎない。だからこそ、だからこそ俺は何度も挫けそうになってきてそれをすべて乗り越えてきたから鋼のメンタルを持ってきたと思っていた。…いやあながち嘘ではないのだけれど、それでもやっぱり今ではこうも砕けきっているこのメンタルはお世辞にも鋼とは言えないだろう。


「……ないこ? ってお前、まーた泣いてる…」

「りうらがこの前心配しとったで」


 俺の肩に何かが乗っけられたかと思えば俺の身体がふわっと宙に浮きそのまま抱きかかえるかのように持ち上げられる。それに落ちないようにがしっと掴むと「んはは」と笑って高い高いと、赤子をあやすかのように揺らしてくる。

 それに大人しく揺らされていると、そのまますっとソファーに下ろしてくれて急に体が沈む感覚に陥る。


「どしたん、らしくないやん。」

「…ただ、悩んでることが積み重なっちゃっただけ」

 相方、…俺の右腕として活躍してくれてるまろにでさえ隠し事。そんな俺に対してまた心臓にぐさぐさ。辛いなぁ、しんどいなぁ。この気持ちを伝えられたらなぁ、と頭で考えるばかりで言葉に出せるかと言われたら別。

 可笑しいよ、脳が全て指示を出しているはずなのに口にだけ自我が宿っちゃってるみたいにいうことを聞いてくれない。


「そ、別に無理して話す必要はないと思うけど…抱え込み過ぎんなよ」

「お前、自分の限界知らなさすぎだから少しは知っとけ」


 そう言ってまろらしく雑にわしゃわしゃと頭を撫でるとすぐに俺の居た部屋から出ていった。

 …わかってる、わかってるよ。抱え込みすぎるのが良くないことも、俺がとっくのとうに限界を迎えてることも、それを無視して俺はずっと動き続けてることも。全部、全部知ってるのに俺は止まれないんだよ…


「…りうらのばか…」


 そう俺は一言吐き捨てて仕事へとまた取り掛かった。





 基本的なマルチタスクはすべて終えて今日は月3で入っている会食の日。今回の相手は以前も何度かお世話になっている方で、顔見知り、程度になるほどまでは会っている方。

 たまたまふと視界に入った鏡を確認したときの自分の顔がすごい顔をしていたから少しだけ化粧をしようとものすごい勢いで仕事を終わらせた。そして軽くくまとか痩けとかを隠すように化粧をして、人前に見せていい顔にしてみる。


「…よし、行ってきます」


 誰もいない部屋にぽつりと呟くと、聞こえるはずのない「行ってらっしゃい」が聞こえたような気がして思わず口角がひっこりと上へ上がっていったのがわかった。


 最近は確かに何もうまく行かないことだらけだけど失敗を恐れてなにもしないようじゃ何も成長しない。失敗があるから成功できるんだ。成功ばかりしていたらそれこそ失敗が怖くて怖くてしょうがない。


 今日の会食ではなにかいいことがもう一個、小さくてくだらないことでもいいからもう一個あれば、いいのにな。なんて考えながら俺は電車に乗り込んだ。



続く…

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