テラーノベル
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「ははっ、マジで寝込んでる」
毛布を捲くられ覗き込んでくるその顔は憎たらしいが、今は相手に出来る余裕がないからまた頭から毛布を被る。
が、また毛布を捲くられ、その攻防すら面倒くさくなり体制を変えて背を向けた。
「…うざっ」
ベッドへと上がり込み無理矢理壁と俺の隙間へと身体を捩じ込んで横になりにきやがった。
「珍しいよね、薫が熱出すなんて」
「…寝かせろや」
「弱ってる薫弄るの楽しいじゃん」
「…」
「ってのは冗談。だいじょーぶ?」
「大丈夫だから1人にさせろ」
「やぁだ。んふふ、顔真っ赤ね。すんごいぽかぽかする」
頬を大きな手が覆う。
体温の差に思わず顔を擦り寄せれば、小さく笑う声。
視線を上げた先で、にんまり笑う口元が視界に入る。
「目もとろんとろん。えっちぃね。今の薫に挿入れたら熱くて僕のちんこ溶けちゃうかも」
唇をなぞる親指。
むにむにとそのまま唇で遊び始めたその手を払い除け構ってられないと睨みつける。
が、それで大人しく引き下がる様な男では無いのを嫌と言うほど知ってるからもう溜息しか無い。
「…マジでさぁ、出てけよ」
「だから冗談だってばぁ。一応看病に来てあげたんじゃん」
「いらねぇよ。寝てれば治る」
「なら添い寝してあげる」
「…」
「遠慮しないのぉ」
「…」
苦しそうに吐き出される浅い吐息。
辛そうに歪められる表情。
汗で張り付いた髪がそりゃぁエロくて。
さっきよりも幾分上がってきてる体温に、今が熱のピークなのだろう。
「病人相手にムラムラしちゃうとか、…ウケんね」
別に溜まってるって訳でも無いが、間違いなく薫に欲情してる。
このまま見抜きでも…、なんて思って
「…っ、…ふ…、…あつ…」
ゆっくりと開かれた瞼。
ぼんやりと虚空を見つめる視界に入り込むが、焦点すら危うい。
何度か瞬きを繰り返すが中々自我が戻って来ないでいる。
「おはよ、何か飲む?」
「…ん…、…みず…」
応答も難しいかも知れないが、声を掛けてみればテンポは遅れながらも返された。
「おけー、ほら」
枕元に置いてあるペットボトルから水を選んでキャップを外す。
ゆっくりと時間を掛け起き上がる薫の身体を支えて手渡してやるが、手の震えで持つのも危うい。
「…」
眉間にシワを寄せて水とにらめっこする視線が縋るように僕へと向けられた。
「あー、」
「…みず…」
一度自分で口に含み、そのまま薫に口付ける。
流し込まれる水を喉を鳴らして飲み込むのを確認して、それを何度か繰り返した。
満足したらしい薫から弱々しく胸元を押され身体を引く。
「着替えちゃおっか」
飲み込み切れなかった水が首元を濡らし寝間着にまで染み込んで色を変えている。
適当に引っ張り出した寝間着と下着。
ついでに身体も拭いてやろうと蒸しタオルも用意して
「はい、バンザーイ」
「…ん……」
のろのろと上げられた腕から
「可愛いね」
熱に浮かされ、思考能力の低下で従順。
僕のされるがままで大人しく従う姿が、なんともまぁ支配欲を刺激する。
普段の憎たらしい態度は鳴りを潜めて僕の言葉のとおりに動く。
「気持ち良い?」
蒸しタオルで拭いてやれば心地良さそうに細められる黒。
「ん、…きもち、い」
僕の言葉を反復する舌っ足らずな声。
「…」
これは中々危うい。
手早く済ませて
産まれた時から倫理観など持ち合わせていない。
「ごめん、後でいっぱい怒られるから、許して」
堪らず口付け舌を潜り込ませる。
熱い口内。
せめてもと、薫の好きな舌裏や上顎を舌先で撫でてやれば面白いほど跳ねる身体。
「…っふ、…ん、」
まぁ薫も気持ちいいコト大っ好きだから熱に溶けてても応じてくれるワケで…。
強請るように絡められる舌。
堪らず吸い上げたり、歯列をなぞったりと好き放題に貪って。
粗方口内を荒らし回し、唾液を流し込みその喉が鳴るのを確認して唇を離す。
「…んぁ…」
「まだする?」
その問いかけに、伸ばされたゆやの指先が僕の唇を一つ撫でた。
何度も唇を合わせて、舌を絡めて
滑り込ませた手で
折角着せた寝間着も、裾をたくし上げ胸元まで曝け出される。
熱で薄っすら染まった上体に手を這わせ
「ははっ、流石に勃たないか。けど、薫はナカでイケるから問題無いよね」
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