今回で第5話です!それではどうぞ!!
✦︎注意書き
︎︎✦︎原作ガン無視スタイルなので、原作終了後の世界線になります。
︎✦︎黒の組織解体してあります。
︎✦︎最終的は降谷さん予定ですや。たどり着いたらいいな…
︎✦︎妄想の詰め合わせ
︎✦︎受け入れてくれる優しいお方はスクロールをお願いします。
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採取を終えて、ベッドを貸してもらいそこに横になった。7連勤だったためすぐに眠れた
翌朝、窓が少し空いており風で目が覚めた。昨日は阿笠邸に泊めてもらった、今日からは降谷さんの家に泊まるんだ。
……
待て…泊まる……?昨日、何故受け入れたんだ?普通に考えて異性と同居、子供だからといってこれはやばいのでは…?!
「失礼するよ。」
と降谷さんが部屋に突然入ってきた。
「うわぁ…ぁっ?!」
突然の出来事に驚いて私はベッドから落ちてしまった。
「そんなに驚かせるつもりは無かったんだがな。立てるか?」
と降谷さんは手を差しのべてくれた。その手を取り、立ち上がる。
「ちゃんとノックしたんだが、何か考え事をしてたのか?」
こくりと頷き。
ちゃんとノックはしてくれていたみたいで私がただ単に考え事をしていて気づいていなかっただけであったことが分かった。
「パジャマからこれに着替えてほしい。今からショッピングモールとかに行って日用品とか色々買うからな」
と言って受け取ったのは白色もこもこの服で首下の真ん中には白色の可愛いリボンがついていた。
……誰が選んだかは聞かないでおこう。
「じゃあ僕は1階に居るから身支度できたら降りておいで」
と降谷さんは去っていった。
服に目線を移し
こんなの…中身30歳の私が来て良いのか?と思いながらも顔など洗ってから、着替える。鏡で全身を見てみると以外に自分が着ても違和感がない、子供って凄いことを実感した。
準備が整うと1階へ行く。そこには朝食を食べている哀ちゃんと自分の分の朝食をテーブルに置いてくれた降谷さんを見つけた。
あの後朝食を皆で食べて、降谷さんと私はショッピングモールにきていた。
「さて、子供服売り場は……」
「……あの、透お兄さん」
「うん?」
「なにゆえ抱っこなんでしょうか」
「迷子になると困るだろう?」
それなら手を繋ぐとか、そういうのでも良いのでは……?と考えていると はは、と愉快そうに笑う降谷さん。
…、楽しそうでようござんすね。
そのキュートなお顔立ちからは想像できないが、警察官ともあり体は鍛えているらしい。落ちる心配どころかさして大きく揺れることもなく安定していた。
私を抱える左腕だけでも十分固定されていたが、一応右腕も腰元を支えてくれている。
「子供の手は小さいからね、手を繋ぐだけだとすっぽ抜けて人の波に流されることもある」
「……そうっすか」
私はもう何を言っても抱っこからは逃げれないことを確信して諦めた。
呆れた顔の私を見て、また降谷さんは愉快にそうに笑った。
フロアマップを見ていた彼に、どこの店がいい?と問われる。端の方に書かれていたショップリストを見てみるが、正直なところ子供のファッションブランドなんてさっぱりわからない。もう15年ぐらい前のときはきっとブランドも気にしていない。
そもそも、果たしてこの女児に費やされるお金は経費に落とせるのだろうか。警察の経理はさっぱりわからないが、把握している人員を考えると降谷さんのポケットマネーの可能性もある。
「動きやすい服でひらひらしてなくて、お手頃価格のところがいい」
「なるほど」
もう一度フロアマップに目を向けたあと、右へ向かって歩き始める。
平日の、クリスマス明けのショッピングモールは少しばかり人が少ないようで、人にぶつかる心配もなさそうだった。
だから余計抱っこをしていることは目立つんだよなぁ…
私の注文通り、可愛らしいふりふりロリータ系のお店を通り過ぎて三件目のお店の前で下される。
どうやら好みには合わせてくれるらしい。シンプルな柄とボーイッシュなデザインが多く、靴からパンツにトップス、キャップやリュックまで取り揃えてある。
まさに求めていたものだ。
「気に入ったものがあれば僕が取るよ」
今時の子供はどのくらいファッション用語を知っているのだろう、少なくともパンツをズボンの意味で使う子は少なそうな気がする。
「じゃあこれとこれ、あとあっちのズボン。上はちょっとおっきめのサイズがいい」
「……パーカーばっかりだね」
いいじゃないか、だってパーカーは可愛いとかっこいいを兼ねている天才的な服なんだから。
隠そうとはしていなかったから表情に丸ごと出ていたであろう、
何か文句でも?という顔に
やれやれ、苦笑いする降谷さん…こと安室透が、屈んでちょんと優しい力で頬を摘む。
「あと三着くらいフード付いてないやつ選んでおいで、この先上着ないと風邪ひいちゃうよ」
パーカー着いてるとモゴモゴするからね、と笑う彼は、阿笠邸にいた時よりは随分明るい顔色で。
「パーカー以外あんまり興味ない、透お兄さんが適当に選んで」
「めんどくさがりめ」
また降谷さんは苦笑いしたあと、選んでくれた。 少しホッとした心を悟られないよう、私はくありとあくびをこぼして丸投げするのであった。
降谷さん目線
「あとは布団とタオル、洗面用品に食器類か」
特大サイズのショッパーを左肩にかけ、右手で小さな手を握る。フロアマップを思い出しながら小さな彼女へ視線を向ければ、相変わらずどこを見ているのかわからない目でぼんやりしていた。
十二年ぶりに会うクラスメイトは随分小さくなっていた。
小中高たまたま同じ進路で、二回をのぞいてずっと同じクラスだった同級生。ごく普通のクラスメイト。女性には珍しく、顔目的ではなく学力を目的に近づいてきた人だった。
小学校では特段交流はなく、前後の席でプリントをやり取りしたり委員会が同じだった程度。体育祭で二人三脚を一緒にしたような、朧気な記憶があった。
日常会話をするようになったのは中学の頃で、隣の席になった彼女に数学の応用問題について質問されたことがきっかけだった。テストが近くなると、テキストを手によろしくお願いします、の一言と共にわからないページを差し出してくるのが印象的で、この辺りから面白い人だなと認識を変えていたように思う。
違うクラスになったのは高校の時が初めてで、一年二年と、同じクラスに彼女の名前はなかった。
友達、というほど親しくはない。けれど、少し見渡すだけで視界に入っていた人が居ないのは、ちょっと寂しかったことを覚えている。
三年生で久しぶりにその名前を見つけた時、なぜか少し嬉しくてホッとしたことも。
「なぁ、なんで“降谷さん”なんだ?」
「へ?」
年末の学内大掃除の時だっただろうか。その日は僕と彼女が日直で、担任の先生から二人で床用のワックスを取ってこい、と教室から放り出された。
一つずつ、空っぽのバケツを揺らして大掃除で騒がしい校内を歩きながら、こんなふうに二人きりになるのは今日が最後だろうと思った。
五回ほど言葉にすることをためらったあと、ずっと気になっていたことを聞いた。
「ヒロとか他のクラスメイトとはもう少し砕けた話し方だろ。僕に対してだけずっと苗字にさん付けで敬語なの、なんで?」
友達、と言っても違和感がないほど、異性の中ではよく話す方になった。それでも彼女が敬語を使うのが分からなかった。
ヒロには諸伏くん、僕には降谷さん。
他のクラスメイトには敬語ベースに少し砕けた口調、僕には簡単なワードですらしっかり敬語。
苦手に思われているのかと思ったが、本人から声をかけられることだってよくあるし、文化祭の時のフォークダンス?というこをやった時だって、手を握ることに躊躇う様子は見えなかった。
「ああ、その、どう言えば…ん〜…。」
「……苦手だったりする?」
「え?!全然違います!」
食い気味に否定されてしまった。
やはり嫌われているわけではなさそうだと、ほっ、と内心胸を撫で下ろしたところで目的地に辿り着く。
職員室の隣りの、生徒指導室。
今回はお呼び出しではなく、先生が配ってくれるワックスをもらうために。
「お、降谷!やらかしてないお前がくるのは初めてなんじゃないか〜」
「からかわないでください」
喧嘩を売ってくるのは相手で、それをのらりくらりとかわしていたらなぜか指導室に呼び出されているだけだ。
からかってくる生徒指導の先生を緩く睨んで、苦笑いをしている彼女と共に空バケツを置く。
からりと笑った先生は特にしにしていないらしく、そのまま白濁りのワックスを注いでいく。
ちらっと横を見てみれば、彼女はいつものようにぼんやりと指導室の中を見ていた。
小学生の頃、視界に入るものがなんでも面白くて駆け回っていた僕は、彼女のこの眺めるだけの仕草がよくわからなくて。
休み時間にベランダでぼぅっと、どこか遠くを見ていた彼女に声をかけた。大丈夫なのか、熱でもあるのか、と。
驚いたようにこちらを見た彼女は少し考えてから、ぼんやりするのが楽だから大丈夫です、と驚いた顔をしまって、特段感情の乗っていない顔で答えた。
当時の僕にはやっぱりよくわからなくて、でも元気ならそれでいいか、とその場を後にしたのを今でも事細かに覚えている。
「そら、もう卒業間近だからな!二度とここにはくるなよ!」
ハッとしてバケツに視線を戻せば、二つとも半分まで半透明の水面が揺れていた。
「あと二ヶ月で自由登校でしょう?流石にもう来ませんよ」
先生にお礼を言って、一つずつ持って生徒指導室を出てたあと。
渡り廊下のすこし手前で、彼女からあの、と声をかけられた。
「さっきの、敬語のことなんですけど」
「ああ、」
正直なところ、苦手に思われているわけではないとわかっただけでよかった。気にはなるけどそこまで興味もなく。
よくわからないが、敬語の方が話しやすいのならそれで良いか、と。
だからまさか、あんなことを言われるなんてつゆほども思わずに。馬鹿な僕は、片手の人差し指と中指に取手を乗せてバケツの中身を溢さない程度に揺らして遊んでいた。
だからまさか、あんなことを言われるなんてつゆほども思わずに。馬鹿な僕は、片手の人差し指と中指に取手を乗せてバケツの中身を溢さない程度に揺らして遊んでいた。
「なんていうか、その、かっこいいから緊張してしまいまして……敬語の方が、」
「……は、」
基本的に、彼女はいつもぼんやりしている。
ある一定のラインを越えないと表情に出ないのか、あまりコロコロ表情が変わる人ではない。
体育で持久走だった時の嫌そうな顔、中学の給食で苦手なニンジンが大きめに切られてよそわれていた時の悲壮感漂う顔、担任のズラがずれていた時の必死に笑いを堪えようとしていた顔、興味のわかない退屈な授業でのめんどくさそうな顔。
────照れている顔を見たのは、今が初めてだった。
バッシャーーンと派手な音を立ててバケツが後ろの方にすっ飛んでいく。振り子のように揺らしていたバケツは、動揺のうちに指先から離れてしまった。
「うわぁっ?!ワックスが!!!」
無事だった彼女は自分の持っていた分のバケツを隅に置いて、僕の横をするりと抜けて後ろへ駆けていく。
「何事?!」
後ろの方で、職員室から出てきたであろう教員の声がする。
「おい降谷ァ!!」
さっき二度ときませんと宣言したばかりの生徒指導室の方から声もする。
とは言え、今の僕はそれどころではなく。
それに今日ほど自分の肌の色に感謝した日もない。
白い肌だったら、今頃。僕はとんでもなく情けない顔で、耳の裏まで真っ赤に染まっているだろうから。
二人で悲惨なことになった床を拭いて、彼女には先に教室へもどってもらったあと。
僕は生徒指導室に、もう一度足を踏み入れる羽目になった。
生徒指導の先生は笑いを堪えてワックスをもう一度注いでいた。
矛盾していることは承知の上で、彼女のことはよくわからないけれど、よく知っている。
小学校でも、中学校でも、高校でも、彼女が他人にそういうことを言ったことなんて絶対にない。言い切れる自信がある。
彼女は、人の外見にそもそも興味がないし、アイドルや俳優に黄色い声を上げるどころか、よくわかんない、と友人たちに言っていた。
それに、外見で揶揄われていた頃を、彼女は知っている。コンプレックスだったことも、多分。ほんとに多分だけれど…
喧嘩をして怪我をした時は、心配する言葉じゃなくて、ちゃんと洗ってから手当てしたのかを投げてよこすような、そんな人。
だから居心地が良くて、ヒロとは違う気楽さがあって、どうでも良い雑談なんかしたりして。
だからそう、とにかく、彼女が今口にした“かっこいい”というのはすごく特別な言葉だった。
伝えても大丈夫だと気がついてくれた。
その言葉で揺らぐことはもう無いのだと。
おそらく、外見だけじゃなくて、内面だとか、性格だとか、行動だとか、そういうところもひっくるめての言葉なのだろうと思う。 今まで何度ももらったことのある言葉だったけれど、彼女にもらったそれは、恥ずかしくなるくらい嬉しい言葉だった。
「透お兄さん?」
「……っ!ああ、ごめんね。行こうか」
いつのまにか、いつかの思い出に意識を飛ばしていたらしい。
声をかけられて気がついた。
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