テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
🤍 らにゃ 樣 以外 閲覧 禁止 🤍
休日の午後3時。
路地裏にある隠れ家のようなカフェは、
落ち着いたジャズが流れ、
焙煎されたコーヒーの香ばしい匂いで満たされていた。
窓際の席、伊達メガネと深めの帽子で少し変装をした彼は、
向かいの席に座る私の手元を見つめながら、ふっと柔らかく目を細めた。
「ん、うまい?」
「うん! すっごく美味しいよ。らんくんも一口飲む?」
私が目の前のケーキを頬張りながら元気に答えると、
らんくんは、自分のカップをソーサーに置く。
「あはは、音夢はほんと美味しそうに食べるよなぁ。……俺はいいや、音夢が幸せそうならそれだけで十分」
彼は頬杖をつきながら、愛おしそうにこちらを見つめる。
その眼差しの熱に、思わずドキリとしてフォークを持つ手が止まった。
普段は「SIXFONIA」のリーダーとして、何万人ものリスナーを沸かせている彼。
かつては私も、画面の向こうから彼の声を聴き、
コメントを送る数多のリスナーの一人だった。
それが今や、こうして誰にも邪魔されない空間で、私だけの彼として目の前にいる。
(……未だに、夢みたいだなぁ)
そんな私の思考を見透かしたのか、LANくんがテーブルの上でそっと私の指先に触れた。
大人の男性の、大きくて温かい手。
「ねぇ音夢。なに考え事?」
「え? あ、ううん。……ただ、こうして二人で会えてるのが嬉しいなって」
素直にそう伝えると、彼は少し驚いた顔をした後、
照れ隠しのように視線を逸らして、口元を手で覆った。
耳がほんのり赤くなっている。
「……っ、ずるいなぁ、もう。そういうことサラッと言うの、音夢の天然なとこが出てる」
「えっ、変だった?」
「ううん、可愛すぎて困るだけ」
彼は再び私に向き直ると、繋いだ指先に少しだけ力を込めた。
その仕草は、配信で見せる「いじられキャラ」や「可愛いリーダー」の顔ではなく、
一人の男性としての色気を纏っている。
「俺もさ……ふと不思議に思う時があるよ。前までは、
音夢のことは『リスナーさん』としてしか知らなかったのに。
今はこうして、一番近くで音夢の笑顔を独占できてるんだもんね」
低めの、落ち着いたトーンの声が鼓膜を揺らす。 「独占」という言葉の響きに、胸の奥が甘く痺れた。
「音夢。今日はこの後、どうする? まだ時間あるし」
「んー、そうだなぁ。夜はお酒飲みに行きたいかも! 美味しいワインがあるお店、見つけたの」
お酒が強い私らしい提案に、LANくんは「おっ、いいね」と楽しそうに笑う。
「さっすが音夢。……じゃあ、夜は俺が酔いつぶれる前に介抱してもらおうかな。その代わり」
彼はテーブル越しに身を乗り出し、誰にも聞こえないような小さな声で、
いたずらっぽく、けれど真剣な瞳で囁いた。
「……家に帰ったら、たっぷり俺に甘やかされてね?」
メガネの奥の瞳が、優しく、妖艶に揺れる。
カフェラテの甘い香りよりもずっと深く、逃げられない大人の恋の気配に、
私はただ小さく頷くことしかできなかった。
らにゃ ❕️
書いた にょ ❕️
また 何か あれば 🎀🤍
コメント
1件
結婚 しよ ーーーー 😭😭😭😭