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「誰にも優しくしないで」
私は女の子みたいな先輩が好きだ。
でも彼は、私なんて好きじゃない。
分かってるけど、
忘れられないのはどうしてだろう。
清々しい朝。風に髪を撫でられるように動いた髪の先にいたのは、「千切豹馬」彼だった。
私と同じくらいの髪の長さが、キラキラと光るのはまるで、運命の人のようだった 。
1週間はたったかな。
これはまだ初めて出会った瞬間だった。
職員室に荷物を持っていく時だった。
背が低くて前が見えなかった。
その時、ドンッとなった。恐る恐る上を見ると、
明るく光る赤髪の男子が立っていた。
戸惑って下を向いてしまった。だって、この人、千切豹馬だもん。
彼はこんな私に、「大丈夫?」って。
あぁ、好きだぁ、ってさ、心臓がおかしくなったよ。
結局、君は荷物を持って行くだけだったね。
それからが肝心だったよ。大っきく進展があったのは。
あれから1ヶ月。進展なんて、一切無かった。
はずだった。
彼はモテるから、私なんかよりずっと可愛い人が周りにいたよね。
チヤホヤされて、私とは大違い。
たまに思った、実は私、存在しないんじゃないかな?なんて。
そんな私に、彼は声を掛けてくれた。
私が転んだ時。大丈夫?ってさ。
私が言われたことは「大丈夫」しかないけど、それでも私は嬉しかった。
それから、彼は保健室に連れてってくれたね。
怪我した理由まで言ってくれちゃうから、ありがとうしか言えなかった。
でも、彼には好きな人がいたよね。
私とは比べものにならないくらい、関わりがある子。
きっと両思い。
いつになったら報われるかなとか。
ずっと考えた。
でも思った。彼の好みになればいいじゃんって。
だから直接聞いてみた。「好きなタイプは何ですかっ?」って。
そしたらさ「落ち着きがあって、理解のある人かな?俺が意外と激しいからさ。」
って、変な返し方されたけど、頑張ったんだ。
見た目も綺麗にして、性格も彼好みにした。
完璧にした。何もかも全部。あの子が話すより先に千切君に話しかけた。
千切君も私を少しでも意識してくれてるかな?
って、毎日キュンキュンしてた。
ある日ね、彼から連絡が来たの。
ちょっと来て欲しいって。
分かったって言って、近くの公園に集まった。
あのさ、って気まずそうに言う彼。
何って言ったら、好きだって。
あ、ほんとに運命の人なんだって。軽いけどホントだよ。
私に恋を教えてくれて、恋の切なさを感じさせてくれた人。
これって、運命だよね。
2年後。私は高校一年生。彼は高校二年生。
彼はサッカーをするために、ブルーロックっていうとこに行ったの。
その前に私は、決断をしたの。
「豹馬。豹馬と居ると、幸せになれる。それに、運命の人だと思うから。でもね、私は豹馬が色んな人と仲良くするのも優しくするのも。めんどくさいかもだけど嫌だった。」
だから
「別れようよ。豹馬」
本当は思ってもないくせに。
強がっちゃうから。
誰かが亡くなっかのように泣いちゃうんだよ。
君が好きだから。