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え…好き( ˘ω˘ 🫶)
本当は【魔法幸福可能性立案】にしたかったけど、長かったからやめた!!(*´∇`*)
その日は激しい雷雨で、みんな鬱々とした雰囲気の中過ごしていた。
もちろん俺も例に漏れず、部屋で退屈な時間をゲームで潰していた。
退屈な1日になるはずだった。
「…ンー」
大好きなゲームでも、1人で続けていればいずれ飽きが来るわけで。
「ラダオクン達…」
そんな時、真っ先に遊びに誘いたくなる人たちといえば言わずもがな彼らしかいない。
雷雨の影響か、明滅を繰り返す電球。
薄暗い廊下をなんとなくだけど、音を立てないようにしてリビングまで歩く。
「…静カスギナイ…?」
あまりの静かさに、寒気がした。
毎日ここに住んでるんだから…何も怖がる事なんて…きっとみんな寝てるんだよ。
「…ダレカ、イル?」
しん…と静まり返っているリビング。
誰も電気つけてないの…?
「ネェ、ダレカ …イナイノ……?」
おずおずと歩みを進めると、ぴしゃりと足元から音がした。
「…ェ……レウ、サン?」
まだ生暖かい血に濡れて乱れた赤い髪が、床へ扇状に広がっている。
その身体は食いちぎられたみたいで、下半身が少し離れたところに転がっていた。
「ヒッ…!!」
よたよたと後ろによろめくと、何かに足を取られて尻餅をついた。
「ァ…ァア……」
頭がなくなったコンちゃんの身体が、だらりと両手を伸ばして床に倒れている。
「ナン、デ…ナンデ…!?」
きょーさん、らだおくん…!!
あの2人はどこ??
だれか、だれかたすけて…!!
レウさんとコンちゃんをたすけて!!
ゴンッ…鈍い音が玄関の方から聞こえた。
「ハァッ、ハァッ…!!」
廊下を全力で走る。
きょーさんとらだおくんは…さっき音がしたから、きっと玄関の方にいる…!!
バンッ!!
「ラダオクッ、キョーサッ!!タスケッ!!」
「〜ッ、どりみ!来るなッ、逃げろッッ!」
ゆらりと大きな影が目の前で揺れた。
瀕死の状態で玄関の扉に身体を預けるきょーさんと、リビング側の扉にいる俺。
その間には、俺の大好きな人がいた。
「ラダオ、ク……ナンデ…」
複雑な色をした青。
その巨体に見合った大きな口が、俺の眼前に迫っていた。
「どりみッ!!!!」
グシャリ。
痛みはなく、ただ目の前で赤が舞った。
「……キョー、サン…?」
ピクリとも動かなくなった身体がずっしりと重い。あぁ、重いとか言ったらきょーさんに怒られちゃうや。
「が、ぁァァ、ゔぅ…ぐぅ…ッ!!」
目の前の彼が大きな頭を掻きむしった。
瞳からは大粒の涙がボロボロと溢れている。
「ラダオ…?ラダオクン?」
急速に縮んだ巨体は、いつもの姿に戻るとリビングの方へ走って行ってしまった。
「……」
茫然とするしか無かった。
どうして?何があった?何故こんな事に?
そんな終わらない疑問だらけの思考回路は、ガシャンと食器の割れる音で止まった。
「……!!」
嫌な予感がした。
誰よりも心優しい彼の事だ。
大切にしていた仲間を自らの手で傷つけてしまった。殺してしまった。
そんな彼がこれからする事なんてひとつしかないじゃないか。
「ヤダ……ヤメテ…!」
無我夢中で道を戻ってリビングに走る。
開け放たれたリビングの中は、この数分の間に随分と荒れていた。
窓ガラスや食器は割れ、テレビやソファーなどの家具はどれも壊されて使い物にならなくなっている。
そんな凄惨な状況の部屋のど真ん中。
窓から覗く月明かりに照らされ、絶望に彩られた瞳で静かに泣いている君が立っていた。
「ラダオクン、オネガイ…俺ヲ……!」
「ごめん…みどり……」
言いかけた願いは言葉にする事も許されずに、その空気に溶けていった。
大好きな彼の心臓に、深々と包丁が突き立てられた。
「……」
いつのまにか雷も、雨も。
全てがこの場から通り過ぎていた。
おねがい、ひとりにしないで…
俺を……おいていかないで…
rdmd要素が無くなる予定大だったので、こっちでmdメインの新シリーズとして載せます!!雰囲気ぶち壊してごめんねぇT^T