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…牛沢視点…
「う”っ…… 頭いたい……」
二日酔いのような頭痛がする。
昨夜は一杯も飲んでいないはずなのに…
そう思いながら試しに体温計を手に取る。
「39.1…」
だいぶ高い熱だ…
今日はお出かけする約束をしていたのに
俺は待ち合わせ場所で待っているであろう恋人に連絡を送る。
恋人は即返事でこちらに向かうと連絡をくれた。
俺は無駄であると知っていても
その返事に来なくていいと返信した。
俺は来ないという期待を半分に
薬を飲んでベッドで寝転がる。
「眠れないな…」
自分のフォルダを見ながらゴロゴロしていると
ピーンポーンと玄関の方から音が鳴る。
俺はやっぱりな、とドアを開けに行く。
ドアを開けるとそこには心配そうな顔で、
それなら青ざめていると言ってもいい顔でレトルトが立っていた。
「大丈夫?」と心配する言葉が次々と彼の口から溢れてくる。
寝てれば治るから!と、帰るよう促すと
彼は駄目!の一点張りで俺の部屋へとズカズカと入っていった。
俺が寝室へ戻ると彼はベッドの横でゼリーやら何やらを取り出していた。
消化に良いものを食べようと促してくる。
どうやらここへ来るまでに買ってきたらしい。
急いでいたからか、袋の中身はゼリー等だけでなく、消化に良いとは言えないものも入っている。
俺はクスクスと心の中で笑い、心が温まるのを感じた。
彼は全て出し終えるとベッドをポンポンッと叩き、ベッドへ入るよう指示してくる。
しかし
俺はうつしてしまうからと、寝室から出るようお願いする。
すると彼は俺に徐々に近づいてきて顔が
くっつきそうなほどになる。
俺は怒っているのかと身構えていると
彼は力技で俺をベッドに押し倒してきた。
反動でまた頭痛を感じたが、ベッドの魔力に引かれ、起き上がれなくなってしまう。
(くそっ…情けないな……)
起き上がれないまま彼を見ると
ゆっくり休んでと優しい目をして俺の頭を撫でてくれた。
温もりを感じる。
俺は弱っているのか…
この温もりに甘えたくなり
考えるよりも先に体が動き、
気づけばレトルトの手を握っていた。
彼は驚いた表情を見せたが、すぐに両手で俺の手を包んでくれる。
彼の手に安心を覚える。
もう少しだけと、
俺は彼の手をすりよせ、丸くなって横になる。
彼は俺にシーツを被せるとまた手を握って俺を安心させてくれた。
(レトルトが居てくれて良かった…//)