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#青春ラブコメ
ラスターダノン
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おねぎ
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「デュエル(対戦開始)!!!」威勢よく叫び、僕は意気揚々と最初の5枚を引き抜いた。
恐怖を乗り越え、覚悟を決めた男の顔をしていたと思う。噂の魔女なんかに負けてたまるか。僕の積み上げてきた構築とプレイイングで、彼女の絶対防衛(フルロック)を打ち破ってやる——!
そう思ったのは、**開始わずか2分間**のことだった。
「先攻は私がいただきますわね。——では、手札から魔法カード『暗黒の聖域』を発動。さらに効果で『虚無の牢獄』を設置。これにより、天野さまの特殊召喚および魔法・トラップの発動は**すべて無効化**されますわ」
「……は?」
美咲の指先が、流れるような美しさで盤面(フィールド)を埋めていく。無駄のない所作、洗練されたカード捌き。
「続きまして、モンスター『絶望の番人』を召喚。このカードが存在する限り、天野さまは手札からカードを捨てなければ、攻撃宣言すら不可能です」
「待っ……それ、1ターン目だぞ!? まだ僕のターンすら来てないんだが!?」
「ええ。ですが、これで私の盤面は**【完全封鎖(パーフェクト・ロック)】**。天野さまの手札にある『反撃の芽』は、すべて摘ませていただきましたの」
「う、嘘だろ……っ!?」
あまりの出来事に、僕の思考が停止する。
僕の手札にあるのは、展開の起点となる魔法カードと、召喚権を使う下級モンスター。
だが、そのすべてが彼女の置いた2枚のカードによって**「発動すらできず、場に出すことも許されない」**という死の檻に閉じ込められていた。
僕のターン。
ドローしたカードを確認するも……使えるカードは、ゼロ。
「ターン……エンド……」
「あら? もう終わりですの? では、私のターン」
美咲の口元が、ゾクッとするほど美しく、そして残酷に歪んだ。
「『絶望の番人』でダイレクトアタック。さらに追撃の速攻魔法——『終焉の鉄槌』! 天野さまのライフはゼロですわ」
**【勝者:九條ヶ原美咲(所要時間:2分14秒)】**
「……っ!?」
呆然。
ただただ、呆然とするしかなかった。
手も足も出ない。
文字通り、1枚のカードを伏せることすら許されず、僕は初手から完封(ソリティア)されて撃沈したのだ。
「ふふ……あはははっ!」
静かな教室に、美咲の鈴を転がすような高らかで、どこか楽しげな笑い声が響き渡った。
「素晴らしいですわ、天野さま! 貴方のデッキ、実に攻撃的で美しい! だからこそ……**踏みにじるのが最高に気持ちよかったですわ!!**」
うっとりと頬を染め、デュエルマットの上のカードを愛おしそうになぞる美咲。
その瞳は爛々と輝き、完全にアドレナリンがドバドバ出ている顔をしている。
(ひ、酷すぎる……!! 100人斬りの伝説は嘘だったけど、カードゲーマーとしては悪魔そのものじゃねえか……!!)
「さあ、天野さま! まだまだ『お夜食』の時間には早いですわよ? 101人目の挑戦者として……次の対戦(おしおき)、参りましょうか!」
「お、おしおきって言うなー! もう一回だ! 次は絶対にそのロックを破ってやる!!」
夕闇が迫る教室で、僕は早くも彼女の圧倒的な強さ(とゲーマーとしての性悪さ)にひれ伏しながらも、敗北の悔しさと謎の熱量に包まれてリマッチの準備を始めるのだった。
コメント
1件
いやあ、開始2分で完封って……! 主人公がまったく何もできずに終わるって、カードバトルものでありがちな「初手から詰む」展開をここまで鮮やかに描けるんですね。美咲の「踏みにじるのが最高に気持ちよかった」の台詞、悪役としての愉悦がにじみ出てて痺れました。でも、リマッチに燃える主人公の姿もいい。次はどうやってあのロックを破るのか、読んでみたくなります!