テラーノベル
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偽りの神と忘れられた英雄。
たとえ本当に救ったとしても、忘れられているのならその名誉は意味をなさないのだろうか。
たとえ偽物であったとしても、今尚誰かを救えているのならその偽りは本物になり得るのではないだろうか__。
「俺は、お前が羨ましいよ」
ふと、ため息に近い言葉がでた。
「…はい?会話のキャッチボールってご存じ?」
簡単に、神などと名乗ってしまう。
そして実際、神父として…、否。
神として皆を救っている。
それは俺から見ると、酷く滑稽なものであり、羨ましいものであった。
ああ、神であるお前は、どこまでも愚かで。
「…何でもねぇよ、独り言だ」
それなら、自分にも救いの手を、なんて考えてしまう自分はそれ以上に大馬鹿者なのだろう。
太陽が此方をじっと見ながら言った。
「…お前、またどうでもいいこと考えてんな?」
「……そうだったら悪いか」
「別に?…でも」
太陽はすっと視線を逸らした。
「お前は、お前でいいんじゃねぇの」
ああ、そうだ。
お前は簡単にそのようなことを言う!
俺が、その言葉をどれだけ待っていたか。
その言葉が、俺をどこまで救ったか。
お前は何も知らないのだろうに。
自分の頬に、生暖かいものがつたうのが分かった。
「ちょwww泣いてますよ?」
「うるせえなあ、ちょっとくらい感傷に浸らせろっての」
まだ、欲を出してよいのなら。
お前は俺だけの神であれ。
水ねこ
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コメント
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最高の投稿頻度に最高のマリ太。大好きです好きです好き好き