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吾輩は猫である
若井に飼われている猫
名前は元貴という
猫といっても人型の…いや、形はヒトであるし普通に服も着てるのだがちゃんと猫耳はついているし猫特有の長いしっぽもついている(もちろん操作可能)
特に鈴の付いた首輪をつけてるとことかまさに猫だ
飼い猫って 本当に何もしないでいい
ご飯も飲み物もちゃんと用意されてあるし
夏はエアコンがついてて暑くないし冬は暖房が効いてて寒くない
まさに快適そのもの!
とーっても最高なんだけど…
ただ…とにかく毎日が退屈なんだよなあ
趣味=寝ることってプロフに書けるくらい
だが急遽 今晩から若井が仕事で何日か泊まりで家を留守にするという事になった
え、俺どうなんの?
ひとりじゃ何も出来ない…
若井と会議した結果…流石に急にペットホテルは可哀想だということで…
「ただいまー」
とタイミング良く若井の声がした
ああ、もうそんな時間か…
時計を見ると19時をすぎている
いつの間にかソファでうとうとしてたみたいだ
「お邪魔しまーす」
この声は…
俺の猫耳がぴくりと動いた
「りょうちゃんだー」
俺は寝転んでいたソファーから飛び起きると玄関先にいたりょうちゃんに抱きつく
「元貴、元気だった?」
りょうちゃんは抱きついて離さない俺の頭をよしよしと撫でる
俺はりょうちゃんの体に顔を埋めて顔をぐいぐいと左右に動かしりょうちゃんの匂いを堪能する
暫くして顔を上げると
「りょうちゃん最近全然来てくれなかったじゃん」
と不貞腐れるとりょうちゃんは…はにかみながら
「ごめんね…最近ちょっと忙しかったから」
りょうちゃんちゃんは若井の1番の友人だ
前迄はしょっちゅう遊びにきてくれていたのにぱったりと来なくなった
てっきり俺…嫌われたんだって思ってた
若井はしばらく俺たちのやり取りを見ていたが
「じゃ、りょうちゃん後よろしくな」
「あ、うん、任せて」
そう、若井の居ない間はりょうちゃんが家に居てくれる事になったんだ
***
りょうちゃんと一緒にご飯食べて一緒に遊んで夜なんてあっという間すぎていく
お風呂から出てリビングに仲良く準備されてた布団を一緒に敷く
「元貴っていつも若井と寝てるの?」
「うん、寝てるよ」
猫は暖かい御布団に寝るもんだ
だから
「りょうちゃん…一緒に寝ていい?」
と俺は当然のように聞くとりょうちゃんは笑顔で
「いいよ、一緒に寝よ」
と言われひとつの布団でりょうちゃんの傍に寄り添って寝る
りょうちゃん…暖かい…そして…いい匂い
若井とは違う、りょうちゃん特有の匂い
お互い向き合う形で体をより密着させりょうちゃんの体温を感じる
心臓の音がよく聞こえる
うーん、安心する…
「元貴…ゴロゴロ言ってるね」
「ん…だって俺…猫だもん」
猫のゴロゴロ音は安心してるからってこと
「りょうちゃん明日も明後日も一緒だね」
しばらくずっと一緒!
俺が嬉しそうに言うと
「そうだね…何しよっか?」
「りょうちゃんと一緒だったら何でもいい!」
だってりょうちゃんのこと好きだから
優しくて優しくて…本当に大好き
「ねえ…元貴」
りょうちゃんはちょっと言いにくそうに言う
「キス…していい?」
「え?」
びっくりした
まさかりょうちゃんが…こんなこと言うなんて
「…駄目かな?」
「え…駄目だよ…若井に怒られる…」
俺はそういって俯く
だって…若井は俺以外の奴としちゃ駄目だよって言ってた
「若井には内緒にしようよ」
「内緒?」
「二人だけの内緒…ね 」
りょうちゃんはそう言って俺に軽くキスをする
唇がちょんと当たるくらいのキスだ
え…それだけ?って思ってしまった
俺はりょうちゃんを見つめる
「…元貴…しよっか?」
「うん…」
りょうちゃんの優しい顔が近づく
俺は…それを素直に受け止めた
***
俺は元々野良猫だった
寒くて雨の降る日に若井に拾われた
道の端に小さく震えてた俺は傘をさした帰宅途中だった若井と偶然出会った
若井は俺に視線を合わせしゃがみこむと傘を俺の頭上にさす
「どうした?…寒いよな?」
って優しい顔で声を掛けられた
俺は半泣きになりつつそんな若井に必死に抱きついた
家に連れてってもらい 暖かいお風呂に入れてもらって美味しいご飯をもらって…
でも冷たい雨に濡れたせいで俺はちょっとして高熱を出した
若井はよくわからない俺のずっと傍にいてくれた仕事も休んでくれずっと看病してくれた
そのせいか俺は直ぐに元気になり若井にゆっくり自分の話をする
俺は帰るとこがないと言うと
「うーん、じゃあ…俺と一緒に住む?」
ってあっさり言ってくれたんだ
若井はすっごい優しいヒトだった
拾ってくれたヒトが本当に若井で良かった
そんな若井だったから恩返しじゃないけどなにか俺に出来る事があればって思って聞いたけど
「元貴は俺のペットなんだしダラっとしてていいよ」
と言ってくれた
でもその分…夜は疲れて帰ってきた若井を何とか癒そうと夜はフェラをし上に乗って腰を動かす
俺にはこれしか…できる事がないから
そんな若井は俺を感じてくれそして愛してくれた
これで俺の存在を示す事が出来たって思ってた
でもある日…平日の昼間に窓際でくつろいでいると最近よく来る野良猫のサビ柄で短毛種のイカつい猫に見つめられ問われた
『キミはそれでいいの?』
え、いいよ…
『…キミは毎日つまらない生活してるんだね』
…
俺は何も言えなかった
確かに野良猫だった時は外で自由に駆け回り色んな猫と交流しそれを楽しんだ
毎日飢えを凌ぎありつけた少量の餌を必死に食べる
寒ければその寒さに震え駐車している車の下で暖をとった
毎日生きるのに必死でそれでも一生懸命生きている感じがした
今は…なんだろう
毎日を何となく過ごしている俺は…
***
前戯が終わるとりょうちゃんに服を脱がされ身体には首輪だけが残る
そんな状態で俺はりょうちゃんの上に乗ると腰を上下に動かした
「あ…っあ…んっ」
りょうちゃんのが俺の奥まで突き刺さる
それは思ったより大きく太くて俺は声が漏れ身体が仰け反った
「あ…元貴…いいね…」
りょうちゃんは俺のピンクの胸の突起に指を置き俺がうごく度にその指があたり刺激される
リビングにちりちり、と首に付いた鈴が揺れ鳴り続ける
「毎晩…若井に…調教されてるの?」
俺は声にならずひくひくと頷く
若井は色んなことを教えてくれる
そしてこれからも…
ああ…快楽で…おかしくなりそうだ
意識が朦朧としながらも俺は腰を振り続ける
俺は猫
ヒトを癒すだけのペットだ
20050207