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約束の時間になっても2人が来ない。
遅れるなんてことは無いとは思う。
来たら二人まとめてドッキリでもしてやろう。そう計画していた。
2人が生きてるって信じて疑わなかった
だって、人が急に居なくなるなんて考えたこともなかったから。
2件のメール。それぞれ違う人から。開いてみると今いない2人からだった
それはまるで今から居なくなる人のような。
「ね、」
最初に声を出したのは誰だっただろう。
きっと全員が見ていられない顔をしていた。
こんなのまるで遺書みたいじゃないか。
声を出そうにも喉に張り付いて乾いた息しか出ない。なんど電話しても2人は出ない。
嘘だ。絶対ドッキリだ。タチの悪いドッキリ。
いや、そうであってくれ。そう願うしか無かった。
何回かかけているとやっと繋がった。
「もし「お前今なにしてんの」我ながらに随分焦っていたと思う。話も聞かず、圧のある声を出してしまった。
「何してるって、特に何も ?」
少しおちゃらけた喋り方をする彼に少しイラついてしまった。
「あれは何 あいつらに聞いてもそんなドッキリ企画してないって言うんだけど」
「だってドッキリじゃないもん」
「絶対ダメだから」
「今から行く どこ居る」
場所を教えてくれるかも分からないのに気づいたら走り出していた。
「内緒、笑」
「最後に話せてよかったよ。決心が着いた。
今までありがとう。 なんか恥ずかしいな笑」
君だけが笑っている。その笑い方が胸から離れない。
なんておかしい世界だ。
2人のいる場所を知りたい。でも知ることは出来ない。
だからといってこのまま黙っていることも出来ない。場所も分からず走り続ける。
何度転んでも。何度躓いても。泥だらけになりながら無我夢中で2人を探した。きっと変な人だっただろう。周りの目なんてそんなの気にしてられなかった。
ただただ1つ。2人の安否が知りたくて。
こんなことになるならもっと運動してたのにって。
日々の自分を恨みながら。そうでもしていないと気を保てないから。
頭上は空。地に足を着いて走り出す。最後は声じゃなくて直接あって話したい。そう神に願いながら。
大好きなものが離れていくのは耐えられない。
未練がましく前へ前へ腕を伸ばしながら。
彼らがいるかも分からない世界をさまよっている。