テラーノベル
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たくさんのオレ。
密かに恋している彼に瓜二つの人物はそう語った。
実際、信じたくなかった。
だって、たくさんのオレって怖すぎない?
でも、彼に似ている人物が複数居るのであればオレが複数居るのもおかしくないのかもしれない。
それでも、なるべく会いたくなかった。
まあ、そんなちっぽけな願い、すぐに壊されたんだけどね。
???「ん、?キミは…」
???「あ、もしかして、最後の僕達かな?」
???「まじで!?オレはビビレン。会えて嬉しいよ!」
???「あ、えっと…はじめ、まして…」
レオレン「あ、あぁ…頭がクラクラする…」
ダカ「こらこら、レオレンくん困ってるでしょ?」
貴方達との会話も結構困りましたけどね?
特にあの陽気な奴。
???「わー!ごめんね!ボクは鏡音レンだよ…って言ってもキミもボクなのか、えっと…」
それにしても、オレが「僕」って言ったり「ボク」って言ってるのすっげえ違和感あるな。
いつか慣れるのだろうか。
そもそもオレ達鏡音レンが集まることなんてよくあることなんだろうか。
ビビレン「そろそろ覚えろって 笑 お前はダショレン。分かった? 」
ダショレン「ビビレンくんありがと〜!」
???「初めまして、僕は鏡音レン、モモレンだよ。これからよろしくね。」
???「えっと、…初め、まして。鏡音…じゃなくて、ニゴレンだよ。よろしく、ね」
レオレン「よ、よろしく…」
遂に揃っちまったよ…。
いやでもさ…揃った所でオレの所のカイトが見つかるかどうかと言われると怪しい。
ビカ「みーんな揃ったね!お菓子食べよう!って言いたい所だけど…」
モモレン「あれ?レカくんが見当たらないけど…」
レオレン「そうなんだよ。急に居なくなったと思ったら、セカイにゲートが現れて入ってみたらオレとカイトのそっくりが居てもう頭が…」
モカ「それは辛かったね…」
お前ら全員一斉に出てこなかったらオレの頭はまだマシだったけどな。
ダカ「レカくんを知ってる子居ないかな?」
モモレン「残念だけど、僕は分からないな…」
モカ「僕も…」
ダショレン「見てないなぁ…」
ビカ「ボクも探したんだけどね…居なかったよ」
ビビレン「オレも分かんない。ごめん」
ニカ「知らない。」
ニゴレン「あ、あの…ぼく…」
レオレン「え!?お前、なんか知ってんのか!?」
オレは食い気味にニゴレンに迫った。
ニゴレン「え、あ、…えっと…」
ニゴレンは動揺して後退りした。
ニカ「おい、迫り過ぎだ。少しは落ち着け。」
少し口調は強いが、心配してるんだろうなって想っているのが声音で想像できた。
ニゴレン「あ、カイトさん…」
レオレン「あ、ごめんな?」
ニゴレン「う、ううん。大丈夫。」
ビカ「もー、ニカくんってばぁ…ニゴレンくんが好きなのは分かるけどさぁ?もーちょっと優しく……」
ビビレン「おい、カイト!」
ビカが茶化すとまたもや食い気味にビビレンがビカの名を呼び注意した。
ほんっとにコイツ…なんだろ、陽気じゃ表せないな…ほんとに大人か?
肝心のニカはビカを思いっきり睨んでいる。
…背筋がぞっとする。
それはみんなも同じようでニカを一度見たやつは全員ニカと目を合わせないようにしている。
ニゴレンは…例外な。
ニゴレンだけは、ずっとニカを見つめている。
両片想いかぁ…。いいな…笑
ダカ「だ、大丈夫かい?それじゃあ、話を戻すね。ニゴレンくんはレカくんのことを知っているの?」
ニゴレン「あ、う、うん。1時間前ぐらいに『誰もいないセカイ』に居た、けど…」
ニカ「アイツが…?」
どこだよそこ
ダショレン「誰もいないセカイってニゴレンくんの所だよね?」
なんで知ってんだよ。情報共有してんのか?
レオレン「それ、どこ?」
モカ「あ、そっか。レオレンくんが1番最後だからまだ知らないんだね。」
モモレン「簡単に言うとレオレンくんのセカイ、つまり『教室のセカイ』と同じでニゴレンくんは『誰もいないセカイ』の鏡音レンなんだ。」
レオレン「え…セカイって行き来出来るのか?」
ビビレン「まあな。ゲートを通ればあっという間にセカイに着くぞ。」
オレそんな便利なゲート知らなかったのか。なんか損した気分。
でもミク達も知らなそうだったもんな。
ダカ「そこにレカくんが居たなら早く行かないと居なくなってしまうかもしれないね…」
レオレン「でも、1時間前か…。」
ビビレン「なーんか微妙な時間だよな。」
ビカ「まあまあ、行ってみなきゃ分かんないでしょ!善は急げ!!早速行こー!」
ニカ「おい待て。」
レオレン「どうかしたか?」
ニカ「俺たちのセカイに大人数で来られたら困る。」
確かにこれだけの人数行ったら困るか
ダカ「じゃあニカくんとニゴレンくんとレオレンくんだけセカイに行って僕達はここでレカくんを探しているよ。」
ビカ「えーー!ボクも行きたかったなぁ。」
ニカ「お前は絶対ダメだ。」
ビカ「なんでよ〜!!」
ビビレン「そりゃそうだろ…。」
ニゴレン「じゃあ、…行こっか…カイトさんも」
ニカは黙って頷いた。
レオレン「案内よろしくな。」
ニゴレン「う、うん!」
オレはゲートに足を踏み入れた。
やっぱりゲートはまだ慣れない。
変な感覚。また気を失っていた。
目を開けるとそこには
レオレン「なにもない…」
ニゴレン「なにもないけど…お散歩とか、楽しいよ」
レオレン「へ、へぇ…」
オレこのセカイ向いてないな。絶対飽きる。
ニゴレン「それじゃあ、探しに行こっか。」
何時間ぐらい歩いたかどうかすら分からない
時計も無いし、ほんとなんもない。
なんもないくせにこのセカイ広すぎる。
ニゴレン「居ないね…」
レオレン「カイトほんと何処に行ったんだよ…ニカ、手がかりあったか…って…あれ?」
レオレン「ニカ、どこ行った?」
ニゴレン「え居ない、?ど、どうしよう…」
2人迷子になってどうすんだよ。
ニカが全然喋んないから居なくなったことに気が付かなかった。
ニゴレン「え、ええと…」
どうしようかどうしようかと慌てていると人影が2人程近付いてきた。
???「…レン。何してるの」
1人はオレの所のミクと顔立ちが似ていた。
不器用なのかツインテールの位置が違う。
ニゴレン「み、ミク…とリン。」
ニゴリン「レン。誰か探してるの?」
ニゴレン「う、うん。カイトさんと歩いてたらいつの間にか居なくなっちゃって。」
ニゴミク「カイト…」
オレが終始戸惑っているともう1人 人影が。
???「皆で集まって何をしてるの」
ニゴリン「メイコ…」
ニゴメイ「誰?」
一斉にオレに視線が集まる。
ニゴレン「あ、別のセカイから来てくれた、レオレンくんだよ」
ニゴレン「レオレンくんのセカイのカイトさんが居なくなっちゃって困ってるんだ…1時間前、このセカイでカイトさん見たから連れてきたんだけど…」
ニゴミク「…そう。」
ニゴリン「ここのカイトならまたルカにでも捕まってるんじゃない」
ニゴメイ「そうね」
レオレン「あ、ここのセカイのルカは何処に居るんだ、?」
ニゴリン「知らない。」
レオレン「ええ…」
ニゴミク「…歩いてれば見つかるよ」
レオレン「は、はあ…」
ニゴレン「じゃ、じゃあルカさん探しにいこっか」
レオレン「そ、そうだな」
流石に疲れてきた。歩いてても同じ背景だから面白みも無い。
ニゴレン「だ、大丈夫?いつもルカさんここに居るんだけど…」
ニゴレン「…あ、居た」
レオレン「居た!?」
そこにはルカらしき人物とニカが居た。
ここのセカイのリンの言う通り、捕まってるっぽい。
こちらに気付くとルカは近付いてきた。
ニゴルカ「あら、レン…とレン?ふふ、面白いわね」
ニゴルカ「今、カイトと遊んでたのよ。」
ニカ「俺はお前と遊ぶなんて一言も言っていない。」
ニゴルカ「あら、そうだったかしら?ふふふ」
…ニカとは違う恐怖を感じる。こちらも背筋がぞっとする。
この笑みが恐怖を引き立てている。
ニゴレン「良かった、カイトさん。」
ニカ「どこがだ…めんどくさい奴に捕まったんだぞ。」
ニゴルカ「まあまあ良いじゃない。楽しかったでしょ?」
ニカ「それはお前だけだ。」
ニゴルカ「ふふ、…それでこちらのレンは何をしに来たのかしら?」
レオレン「えっと…」
オレはこのセカイに来た経緯を話した。
正直、怖いけどこの人が1番親しみやすくはある。
ニゴルカ「あら、それは大変だったわね」
ニゴルカ「私もそっちのセカイのカイトは見たわ。話しかけたかったけどすぐに逃げちゃったわね。その後追いかけたらゲートに入ってたからもうこのセカイには居ないと思うわよ」
レオレン「はあ…収穫なし…か。」
せめて次どこのセカイに行ったか分かれば良かったのに。
ニゴルカ「あら、そう落ち込む事は無いわ。そっちのカイトが落し物したのよ。これ、何か手がかりになるかもしれない」
レオレン「なんだこれ…メモ?」
『レ⇒ニ⇒コ⇒』
ニゴレン「なんだろうこれ…」
ニゴルカ「私にはさっぱりだから後は頑張って。それじゃあね」
そう言い残しルカは去っていった。
レオレン「…多分、『レ』はオレたちのセカイの想いの持ち主のバンド名レオニのレだと思うんだけど…」
ニカ「『ニ』はニーゴのニだな。」
ニゴレン「……あ、!これ…しりとり…かな。このメモは行く順番を表しているのかな」
レオレン「しりとり?ああ、確かに。コだもんな…でも、コってなんだ、?」
レオレン「……帰ってあいつらに聞いてみるか?」
ニゴレン「そう、だね。それじゃあ帰ろうか。」
オレはメモをしっかりと握りしめゲートへ1歩踏み出した。
END 3話に続く…
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