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「カゲロウデイズ」
ある夏の日
晴天で暑く病気になりそうな日に取引が中止になりやることも無く公園で椅子に座りながら黒猫を撫でている弟分横目に煙草を吸っていると弟分が「でもまぁ夏は嫌いでさぁ…」とふてぶてしく呟いていたので俺はそうなのかと思ったが特に気にすることもないので何も言わずにいた。すると黒猫が弟分の膝から逃げ出してそれを弟分は追いかけたので吸殻になった煙草をゴミ箱に捨ててから俺は弟分を追いかける。
追いかけた先弟分は道路に飛び出していて飛び出した場所の信号が赤色に代わり左側からバッと通ったトラックが唯一の人間を俺の目の前で轢きずる。
「は……?…」俺は当然唖然とした
血飛沫が自身にかかり相手の煙草の香りと鉄の混じった匂いがする
自分の左側奥には自身に似ていて自身では無い陽炎が「嘘じゃねぇよ」と此方を見て嗤っていた。
正直死には慣れている。仕事柄殺した人間は忘れてきた。憶えておく理由もない、目の前で血塗れになって倒れている此奴も死んでしまっているならそれまでだ
俺には関係が無いはずだ、此奴を助ける理由もない。それ迄で終わりなのに
目が霞む。目の前で起こったことが受けいれられなかった
そこで記憶が途絶える
…
目を開けた。ユメにしては随分と悪趣味だ
日付を確認した
「○月○○日」
夢に出てきた日付と同じだ
でも気にしなかった。偶然だろうと飯を食べて準備して組織の仕事をしようとする
すると取引中止の連絡。そして公園
弟分は黒猫を撫でている、俺は正夢になる事を恐れ咄嗟に言った「今日は早めにずらかる」と不思議そうにこちらを見たが付いてきてくれた
道を抜けた時何やら周りが唖然と上を見上げ口を開き顔を青ざめていた、嫌な予感がして振り返り上を見れば落下する鉄柱
公共の場で銃を使う訳にも行かない
足が金縛りにあったかのように動けず鉄柱は弟分を貫き突き刺さった
悲鳴と風鈴の音が木々の隙間で空回りして煩く感じた。するとまた自身の左奥に陽炎が居てわざとらしく「夢じゃねぇぞ」と嗤っていた
ちらりと見えた横顔の弟分の顔は何処か笑っているような気がした
何度繰り返そうと何度も何度も同じ時をすごしてもう何十年と経つ。陽炎は呪いのように笑みを浮かべ此方を見てくるのが腹立たしい
でももうとっくに何十年のときを得ずとも気づいていた。こうするしかもう無いんだとこれしか方法はない
繰り返す夏の日の向こう。
公園での一連を終え俺は走って追いかけ信号が赤く代わり右から来るトラック。弟分を押しのけ飛び込みトラックにぶち当たる
弟分の瞳と軋む体に乱反射して文句ありげな陽炎に「ざまぁみろよ!」と笑ってやったら実によくある夏の日の事はそんな何かがここで終わりを告げた。
目を覚ました「○月○○日」
弟分はただ
「またダメでしたぜ…」と一人毛が黒く瞳が翠色で眼の横に1つの傷がある何処か誰かに似てる猫を抱きかかえながら静かに呟いた