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柏田はすぐにあらかじめ準備されていた嗜好にあったリュックサックと雑嚢を渡された。武器は幸い自衛隊で採用されている89式5.56ミリ小銃があり、それを選んだ。
外に出ると仲間が何人か待っている。
柏田「雑嚢の中はっと。え、これ雑誌でしか見た事ないやつやん!」
柏田の雑嚢の中にはレプリカ製品の戦闘装具と陸海空自衛隊で採用されているサブマシンガン9ミリ機関拳銃が入っていた。
そして集められていたひとりである中年女性が現れる。
中年女性「嘘よ!こんなの非現実的で非人道的な事がある訳ない!これは夢よ!」
中年女性が雑嚢の中からマグナムリボルバーを取り出して自分の頭を撃ち抜いて自殺した。
銃弾を貫通した頭から風穴が開き、通り抜けた部位から脳味噌が飛び散った。
上島「おいおい、嘘だろ…このおばはん、自殺したぞ…。」
周囲のチームメイトも唖然としている。
不良少年「おええええー」
流石に喧嘩慣れしてるだけでしかない不良少年も悲惨な光景を目の前にして吐き出していた。
しばらくすると遠くから人影が見えてきた。
仲間たちは全員黄緑色のリストバンドをしており、そのひとりである田原翔一と名乗る男が双眼鏡で確認する。
田原「あのオレンジ色のリストバンド、敵だ!隠れろ!」
オレンジ色リストバンドのメンバー達も反応して発砲してきた。
田原「ここは牽制しておくからお前らは森の茂みに退避しろ!」
柏田と同じく89式5.56ミリ小銃を持っておりその自動小銃で敵がいる方向へ射撃して後に続く。
一方、オレンジチーム
斎藤「あのチーム、確か黄緑のバンドしてたな。奴らを殺せば確実にメダルゲットできるはず。」
東田「流石に慌てすぎたようやな。」
オレンジチームの斎藤はM16A2アサルトライフルの残弾数を確認して装填し直した。
元原「こっちはバックの中にメリケンサックしかなかったしマシンガンがあるだけマシか。」
斎藤「お前、野球もしてて空手もしてたんだから近接戦になれば余裕だろ。」
オレンジチームの先遣隊は雑談しながら低い位置から黄緑チームが逃げた森へ入り込んだ。
持っている支給スマートフォンから通知が鳴った。確認すると砲撃エリアに指定された区域を示す地図が表示された。
斎藤「こっちではないようだな。何チームあるのか知らんがどっちにしろ三つ巴の戦いになるだろうから砲撃エリアで誰かくたばってくれればな。」
その時、遠くから爆音が鳴り響いた。戦闘機が飛んでいる様子がないからおそらく大砲をランダムで指定エリアに撃っているのだろうと斎藤は感じ取っていた。
その頃、砲撃エリアにいたのは怖気付いている男女で年齢的にも学生ぐらいだと思われる。他にも年老いた者もいた。
屁口「まだあんな所にいるなんてお馬鹿さんねえ。安全な場所なんてなかなかないだろうに。」
兵士A「おそらく現実を受け入れられてないんでしょう。」
兵士B「老人も確認されました。日本にいてもただ国民保険、年金を食い潰すだけの老害だから死んでも問題ないでしょう。」
兵士Bは冷淡な発言を平然と笑顔でしている。
屁口「なかなか言うねえ。まあ、確かにそれが現実なんでしょうけど。今の老人は若い者が苦労してるのにそうやって生活してきたんだからツケが回ってきたんでしょう。」
屁口は嫌味のように言いながらインスタントコーヒーを口にした。
砲撃エリアでは至る所に砲弾が落ちてきており、派手なジャージ着た学生ぐらいの男女が慌てふためいて逃げていく。
大きな炸裂音とともに老人の身体に砲弾が直撃して肉片や血飛沫が四方八方に飛び散った。
その他でも腕や首が吹き飛ばされて無惨に死んでいく。
屁口「第一期生、頼みますよ。まあ、はじめてのゲームだし今後、試行錯誤するなら問題ナッシーング!」
ようやく砲撃が止んでドローンで様子を確かめると指定されていたエリアの地面のほとんどが凸凹になっており、参加させられた者の死体が無惨に転がっていた。
逃げ遅れた者の死体はバラバラになった物もあれば臓物が飛び散っている物、首から上や下顎から上が粉砕されている死体で埋め尽くされている。
柏田「あの辺で砲撃があったみたいですね。」
上島「流石にあのエリアにいた人間で逃げ遅れた奴らは死んだだろうな。」
柏田「ならそこで死んだ人のリストバンドからメダルを回収しましょうよ!数が多ければこの戦場から出られますし!」
田原「それは良い案かも知れんがお前と同じように考えている奴も大勢いるだろう。」
田原が言ってあることはかなり的確だろうと思った。
まだ皆んなで回収してメダルが少しでも集まれば良いが、敵のチームも同じように狙っていて遭遇したら立地条件によっては自分達も犠牲になる可能性が高いからだった。
上島が早速、確認しそびれた雑嚢の中身を確認するとステンレスシルバーカラーの自動拳銃ベレッタM92FSが出てきた。
上島「拳銃に自動小銃、状況に応じて使わないと流石にまずいよな。」
田原「飛び道具ならまだ良いさ。俺は89式用の銃剣と装具が入っているだけやった。」
田原は雑嚢から89式5.56ミリ小銃に取り付けるために使われている銃剣を取り出した。
それから幸い、バンガローがあり黄緑チームはすぐにあちこちに分散して探索を始める。
上島「おっ、この建物かなり良いかも!冷蔵庫に買い物もめっちゃある!しばらく、ここを陣地にするのも有りかもな。」
バンガローの中に食料と近接武器や弾薬、雑貨が散らかっているように落ちており、メンバー全員安堵の息をついた。