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gtit警察監禁ifです。
gtit視点
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カツン、カツン、と響く足音に気づき、薄ら目を開けると、見知った仮面が視界に映る。もう朝か、なんて思いながら上半身を起こし、少し伸びをしてからしっかりと目を開けた。
「あ、ごめん。起こしちゃった?おはよ、ぐちーつ。」
絹のような黄色の髪をたなびかせながらそう声をかけてきたのはぺいんさん。最初は伊藤刑事、と呼んでいたのだが、「ぺ、い、ん!」と大声で何度も何度も言われるものだから、長考した挙句折衷案としてぺいんさん、と呼んだ結果、どこか引っ掛かりはする様だが、まぁ、それでいいやと何とか納得してくれた。
この街で記憶を無くしてから何日経ったのだろうか。初日に病院で警察に、保護?されてからずっとここにいる。
皆さん忙しいはずだと言うのに毎日日替わりで誰かが着いていてくれるし、身の回りの世話もしてくれる上、欲しいものは言ったら届く。不満なところと言えば、警察以外の人とあまり会えないことと、ここに居たって記憶は戻らなそうなことくらいだろうか。
スマートフォンも直しては頂いたものの、ぺいんさん曰く、連絡先もメモも何も残っていなかった、と。「情報は何も無かったけど、困った時の連絡用に渡しておくから、変なことはしないで。困ったらStateとか連絡先から、け、い、さ、つ、に!電話してね。」と念を押すように言われた。私には警察以外の知り合いは居ないのだから、変な事なんてしようにも出来無いと言うのに。
なんてボーッと考えていると、近くで軽く牢屋の掃除をしていたぺいんさんが口を開く
「あぁ、そういえば、勘違いしちゃうかもしれないから言っておくと、今日の担当は俺じゃないんだ、ごめんね。そいつがまだ起きてないから代わりにぐちーつのこと起こしに来たんだけど…お、起きたかな?今呼んでくるね。」
バーッと話して直ぐに牢屋から離れていったぺいんさんを尻目に、お腹がすいたなぁ、だなんて呑気に考える。普通は監禁だのなんだの騒ぐのだろうが、私には警察の皆さんしか居ないし、行く宛ても無いのだから、別に逃げたいとも思わない。
…
増えた足音が一定のリズムで鳴っている。少しずつ近づいてくるその音に、誰か来たのだろうと作業を止め扉の方をじっと見た。
「あ〜、もしかして遅刻?」
「もしかしなくてもだよ、バカ!」
「え〜、ごめんって。そんな怒んないで〜」
「怒るよ!!ぐちーつのこと待たせてるんだからさぁ!」
「すいませーん」
「おまっ!はぁ…」
ぺいんさんとコントのようなテンポの良い会話を繰り広げながら歩いてくるのは、青井さん。鬼の面が特徴的で、青井さんの柔和な声は緊迫した状況でさえも周囲の雰囲気を和らげられるような、聞いてて心地のいい声だ。
「空架さん、だっけ?多分会うの2回目だよね。遅れてごめん。今日は何したい?」
「はい。遅れたことに関しては別に気にしていません。もし良ければ、本署内を散歩させて頂けませんか?運動不足が気になっていて」
「んー、だってさぺいん。良い?」
「うーん、まぁいいんじゃない?本署内なら多分問題ないと思うよ。外には出ないでね。らだおも、ちゃんと見ててよ?」
「はーい、分かってるって」
「ホントに?じゃあ俺業務に戻るから、頼んだからね!!!」
「ハイハイ、早く行ってこい」
「…んじゃ、散歩の準備、する?」
「あぁ、はい。」
本署内を散歩する上で条件となったのは、何時ぞやに誰かが買ってきたけど使っていない首輪を付けること。だそう。リードを引っ張られる形での移動らしく、少し恥ずかしい。
「ごめんね、嫌でしょ」
「いえ、別に。」
「そう?皆は空架さんの事大好きだからなぁ…」
「…?青井さんは、違うんですか」
「ん〜?好きだよ。好きだけど俺には焦がれてる人がいるから。どう足掻いたってアイツが1番。だから別に、空架さんが外に行ったって俺的には構わないんだけど。」
「そう、ですか…」
他の方々は皆口を揃えてぐち逸が1番、だの、外に出ないでね、だの、ぐち逸可愛いね。だのと直接言ってくるものだから、こんなこと言われたのは初めてで。少し悔しい気持ちもあるが、面白い人だな、と思った。
「ん、付けれた?」
「はい。」
「んじゃ、行こっか。」
リードを引かれ、ゆっくりと歩き出す。久しぶりに歩いた影響か、少し進むだけでもたたらを踏んでしまう。
「はは、フラッフラじゃん。大丈夫?」
「大、丈夫…です、恐らく。」
「そう?まぁ無理そうだったら言って。抱えて戻るよ」
「はい、お気遣いありがとうございます。」
本署の中は署員の方々がチラホラ。ぐち逸、おはよう、なんて言ってくる人からそのリード俺も引きたい!!なんて言う人まで、多種多様で少し面白い。基本、1日ずっと同じ人と話して、翌日は別の人とずっと話して、ばかり繰り返していたので、複数人での会話は本当に久しぶりな気がする。
偶に牢屋に運ばれてくる犯人の人とも、基本的に話してはいけない、と言われている為、本当にその日の担当の人としか話さない。偶にはこんな日もいいな、なんて思いながら、本署内を練り歩いた。
…
散歩を終え牢屋に戻ってきたのは良いものの、警察の人に自分以外の一番がいるのがどうにも気に入らない。無理に自分を1番にしようとも思わないが、別に誰かくらいは聞いたっていいだろう。他に会話デッキも無いし、ずっと無言で見つめられ続けるのも気まずい。
「…青井さん、さっき仰っていた想い人、誰か教えて貰えませんか?」
「えー、言わなきゃダメ?」
「はい、気になるので」
「そっか〜…まぁいっか。多分空架さんは会ったことないんじゃないかな、俺の後輩でね。つぼ浦匠って言うの。」
よりにもよってあの人か。
「はぁ、悪評はかねがね」
「だよね〜…ぺいんも言ってたもん、つぼーらの事になると反応が薄いって」
「そうですか?まぁ、知らない人なので反応しようも無いと言いますか。」
「あ、でも近々帰ってくるって言ってたから、そろそろ会えるんじゃないかな。日程はわかんないけど。詳しくは教えてくれないとことかアイツらしいよね。」
「そうなんですか?」
「そうなんだよ」
あったことの無いつぼ浦さんが私よりも魅力的な人なのか否か、決めつけるのはまだ早いだろう。…話だけ聞くと、私の方が良いと思うけれど。
「…んまぁ、お手並み拝見ってところですか…」
「え?な、何が??」
「なんでもないです。ほら、業務があるんじゃないんですか?私はもう寝なくちゃ皆さんに怒られてしまうので。」
「えー、そう?まぁ、いいや。んじゃあ、おやすみ〜」
「はい、おやすみなさい。」
ぐち逸が体を痛めるのも嫌だし、質のいい睡眠をとってほしいから、と設置された牢屋に見合わない高級な布団に体を沈め、眠りについた。
────
翌朝
警察の方々とは少し違う足音に飛び起きる。
すると眼前には健康に焼けた肌と真っ直ぐで綺麗な琥珀の瞳を持った男が立っていた。
知らない人な上、物凄く堂々とした佇まいでこちらを覗き込んでいるものだから驚いて何も喋れずにいると、目の前の男が口を開く
「あ…?ンでこんなとこに人が居んだ?しかも寝てるって、無期懲役か?あ?待てそれならプリズンじゃ?マジでなんの罪犯したんだ、お前」
…?なんの事だろうか。ここに入れるのは警察の人だけだろうし、警察の人は会ったことがなくても大抵私の事を知っているはずだ。何かおかしい。
そこまで考えてから、そういえば、私が来る前から日本旅行に行っていた人が1人、居たでは無いか。そう考えるとアロハシャツにサンダル、カラーサングラスに個性的な髪型、警察の方々から聞いた、あの人の特徴と綺麗に一致している。
「…貴方こそ、何故こんなところに?」
「質問を質問で返すのは良くねぇぞ」
「はぁ、罪を犯してはいません。記憶をなくした日から、ずっとここにいます。」
そう言うと、目の前の男は眉間に皺を寄せ信じられないというような顔をした。
「…は?どういう事だ?」
「話すと長くなりますが…」
何も分かっていなさそうなこの人…恐らくつぼ浦さんであろう人に1から説明をする。
説明が終わった時には口がポカンと開き、情報の処理に手間取っている様子だった。
「つまり、つまりだな?監禁されてるってことでいいか?」
「はい、恐らくそれで合ってます。」
「いや、は?お前はそれでいいのか?」
「別に、不自由はしていません。たまに外に出たいとは思いますが」
「んじゃあダメじゃねぇか。…何時も起きる時間って何時だ?」
「9時辺り、ですかね」
「んじゃまだ時間あるな、ヨシ。お前…あー、名前は?」
「空架ぐち逸と言う、らしいです。」
「おぉ、そうか。んじゃぐち逸、行くぞ」
行くぞ、と言われ突然手首を捕まれ引っ張られる。行く、と言っても何処に?何をしに?この人の思考はよく分からない。
「ちょ、ちょっと待ってください。行く?どこにですか?」
「あ?外だよ、外」
「外…?」
「あぁ、行きたいんだろ?」
「まぁ……はい。」
「んじゃ良いじゃねぇか。何か言われたらつぼ浦に拉致されたって言えよ。ほら、乗れ」
困惑してるうちに気づけば本署の駐車場に着いていた。
久々に吸う外の空気は美味しいし、上を見上げると雲ひとつない晴天だった。
ずっと室内にこもりきりの生活に気付かぬうちに相当参っていたようで、何だか晴がましい気分だ。
久しぶりに外に出た影響か、日光が少し目に染みるが、先程と打って変わって、心も凪いでいた。
折角の機会だ、この人のペースに乗せられたっていいだろう。
「はい、お隣失礼しますね。」
「おう、遠慮すんなよ。あ、シートベルトはしておけ、飛ばすからな。」
「え?あぁ、はい。付けました…ってはぁ!?!?」
前言撤回、この人について行くのはあまり良くないかもしれない。だが、今更後悔したってもう遅い。到底警察のものとは思えない荒い運転と物凄いスピードに自分の口からこんな声が出るのか、と驚く程に大きな声が出る。
「おっと、あまり騒ぐなよ。皆起きちまうかも知れないからな。」
「そんなこと言われたってですよ、こんな、大丈夫なんですか??」
「シートベルトしてんだろ?なら平気だ、あんま細かいこと気にすんな」
「細かいことって、命に関わるんですけど」
「大丈夫だ、この街の医療はすげぇからな。」
「そういうことじゃないと思うんですが…!!」
必死に訴えているが、どうやら話は平行線。埒が明かなそうだ。これ以上言ったって仕方が無いのなら、こちらが折れるしかないのだろう。
「お、ほら、見えてきたぞ」
「?」
つぼ浦さんから告げられた一言に顔を上げ外を見ると、どうやら海のようで
「いいだろ、ここ。近くに海上レストランもあるんだぜ、行くか?」
「はい、是非。」
行ったことのないところに来たというワクワク感とこれから行く所、する事に対しての期待感で胸がいっぱいで、その後はつぼ浦さんと一緒に色んなところを回った。希肉屋と言うらしい怪しい移動販売や、魔女カフェ?コンセプトカフェのようなものなのだろうか、従業員が随分と可愛らしい格好をしている店、それからE5バーガーというハンバーガー屋さんでガチャを回したり。色々な飲食店を回った。その全てでつぼ浦さんは常連らしく、色んな人と親しげに話していた。
色んな所を回ってる最中に度々聞こえるサイレンに不安にもなったが、まぁ平気だろうと1日遊び倒した後、また最初の海へと戻ってきた。
「どうだ?楽しかったか?」
「はい、とても」
「お、それならいい。また外に出たい時は何時でも言えよ、俺が連れてってやるから」
「ふふ、心強いですね。」
「おう、なんてったって特殊刑事課No.1だぞ?任せとけ。」
「あぁ、キャップさんの所の?」
「そうだ。キャップは俺の上司だな、一応。」
「一応。」
「あぁ、一応。」
「そうですか、ふふ。…記憶をなくして以来久しぶりに外に出ましたが、案外いいものですね。皆さんからずっと外は危ないところだ、と言われていたものですから、どんなのが待ち受けてるのか少し、不安もあったんですけど」
「あー、まぁ、犯罪が起きてる時は危ないっちゃ危ないが、それ以外は良いとこだぞ。市民も皆優しいしな。」
「そうなんですね?」
「おう。俺はまた当分日本に戻るが、偶に戻ってきて連れ出してやるよ。これから少しずつ色んな人に合わせてやるから、待ってろ。」
「はい、楽しみにしてます。」
それから、つぼ浦さんの少し仲のいい知り合いの話や、叔父さんのこと、色んな話を聞かせてもらった。
つぼ浦さんの話はどれも可笑しくて、ついつい柄にもなく爆笑してしまったり、思わず息を飲んでしまったり。
今日1日で、とてつもなく彼のことをしれた気がした。まぁ、この人になら、負けてあげてもいいだろう。
2人で砂浜に座りながら談笑をしていると、近くでサイレンと伊藤刑事の大声が聞こえた。
「おぉぉーーーい!!!!ぐちーつーーー!!!!!どこだーーーーー!!!!!」
「あ?なんだなんだ、何事だ?呼ばれてんぞ、ぐち逸」
「そうみたいですね。ちょっと、流石に返事しますか」
「そうだな。おーーーーい!!!!ぐち逸はこっちにいるぞーー!!!!なんだーーーー!?!?!?」
伊藤刑事よりも5、6倍大きな声で返事をするつぼ浦さん。真隣でそんなに大きな声を出されたもんだから、思わず耳を塞いでしまった。
「はぁ、はぁ…こんなとこにいたの、ぐち逸。なんで?どうして?警察署暮らしは嫌になっちゃった?」
「いえ。ですが、つぼ浦さんが連れてってくれると言うので。」
真横にいるつぼ浦さんを指さしながらそう伝える
「うんうん、そっか、つぼ浦が…ってつぼ浦!?!?!?!?」
「よぉ、久しぶりだな、イトセン」
「マジじゃん!?なんで電話してくんなかったのさ!!」
「いや、だって帰ってきてすぐ牢屋に気配があったもんだから、こんな早朝に?って思ってみたら監禁されてんだから、そりゃ電話なんてしてる暇なんてないだろ」
「うぐ…それは、そうだけど…」
「つか、あんま窮屈な思いさせてやんなよ。ぐち逸も市民なんだぞ。いくら市民を守るためといえど本人が嫌がってたら意味なくねぇか?」
「確かに…」「いや、別に嫌ではないです。」
「え!?!?」
「あ、嫌じゃないんだな。ならいいか。」
「ならいいの!?!?」
「ただ、偶には外に出たいというか。ずっと室内はやっぱりちょっときついです。」
「ぅん…ごめん…」
「あんまりしょぼくれないでください。いいですよ、つぼ浦さんがたまに帰ってきて連れ出してくれるらしいので。ですよね、つぼ浦さん」
「おう、任せとけ。」
「ふふ、お願いします。」
「えぇ、いつの間にそんなに仲良くなったのさ、なんかずるい…俺にはあんま笑いかけてくれないのに…」
「残念だったなイトセン!ぐち逸は俺の方が好きらしいぜ!」
「いや、そんな事は…、」
否定しようかとも思ったが、今日1日で見た彼の全てに、太陽のような、底の見えない明るさに、好感を抱いているのは事実だ。
「そんなことは、なに?」
「あるのかも、知れません」
「えーー!?!?そんなぁ…」
「おいおい、残念だったなイトセーンw」
「つぼーらぁぁ!!!」
「おいっちょっ!まて!!!落ち着いてくれイトセン!!!」
突如始まった伊藤刑事とつぼ浦さんの追いかけっこを見ながら、笑みを零す。
すると背後からまたひとつ、大きな声が
「つぼーら!?!?!?!?」
「あ!?!?アオセンじゃないっすか!!ちょっ!!!イトセン止めてくださいよ!!早く!!!」
「え!?何!?なんで!?!?」
「いいから早く!!!!」
「え!?え、!?分かったけど!!!」
大の大人3人の追いかけっこ。傍から見たらもう何が何だかよく分からない光景を見ながら爆笑し、決着はつぼ浦さんを追ってるぺいんさんを追ってる青井さんがぺいんさんに追いつき、手錠をしてフィニッシュ。
そのまま3人で青井さんのヘリに乗って警察署まで帰った。
「はぁー、流石に疲れたぜ。イトセンもあんな怒るとは…カルシウム不足なのかも知れないな、また今度牛乳でもプレゼントしてやるか」
「ふふ、そんなこと言ったらまた怒られそうですけどね。」
「そうか?」
「えぇ」
「畜生、やられたな。牛乳はやめとくか…」
「そっちなんですか」
「あ?違うのか?」
「いや、まぁ…それでいいと思います」
「あ、てかそうだ。イトセンからぐち逸を寝かせろって言われてんだ、俺。もう寝る時間だからって。まだ11時なのにな、もしかしてお前赤ちゃんだったりするか?」
「赤ちゃんに見えます?」
「いや?全然。」
「でしょう。違いますよ。」
「そうか。それにしてもぐち逸もう眠いだろ、もう今にも寝そうな顔してるぞ。ほら、早く布団入って寝ちまえ。」
「いやです」
「なんでだ?」
「…本当にまた、来てくださいますか?約束、してください。私と。」
「あ?そんなんが不安だったのか。いいぜ。指切りするか?」
「…はい」
彼と指切りをして、布団に入る。遠ざかるサンダルの音を聞きながら、次はいつ来てくれるのだろうか、なんて期待に胸を踊らせながら、眠りについた。
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