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irxs
nmmn
モブ × 桃
モブの名前ガッツリ出てます
学パロ
ピコンッ
スマホを触っていると一通のラインが来た。
『 スマソ、休んだから学校休むわ 』
宛主は仲のいい河野だった。
アイツとは趣味が合うからいつも一緒に居たのだが
「休むって……」
ため息を零すことしかできなかった。
俺は河野としか仲良くなかったし、休むって言われても話す相手が誰も居ない。
「…俺も明日休もうかな」
ピピピピッピピピピッ
36.5度。
嫌になるほどの平熱で、母からは「行きなさい」と休むことを許されなかった。
「いってきまぁす…」
なにかの手違いで河野が来てくれないかな、なんて考えながらも重たい足をなんとか動かす。
前に、前に。それは進むごとに重たくなってきた。
いつの間にか歩けなくなるような気がして。そんな馬鹿みたいなことを望んだ。
ガラガラガラッ
いつもよりうるさく鳴る扉の音。
俺の体は自分自身が思っているより健康で、難なく学校へときてしまった。
クラスメイトも俺の事を見ている気がして、怖くて仕方がない。
そんなことが頭を支配する。今すぐここから逃げ出したい。
ただ逃げ出すなんてそんな勇気俺にはなかったから、大人しく自分の席に着く。
「……」
特に隣のこのギャル。怖くて直視することができない。
着崩した制服にバチバチのピアス。
校則違反の真っピンクの髪の毛。
俺なんかと真逆の存在で、妬ましいより恐怖が勝っていた。
「あはははッッなんだそれWウケるーW」
俺の悪口でも言ってんのかな。
(早く帰りたい…)
「はーい、じゃあ 次回の授業までにペアワークで気になる国を調べてきてくださーい」
授業の終わり際、社会の先生が言った一言。
「ちなみに、必ず二人一組でやってきてください。」
その一言に俺は凍りついた。
河野が居ない俺にとっては絶望的状況だった。
どうしよう、あとで川谷に連絡でもするか。
そう考えていると、ぽん…と肩を叩かれた。
「うおぁ゛!?」
「あ、ごめん驚かせて。」
「キミ川谷くん…だよね。一緒にペアワークやらない?」
「え?」
なんで俺なんかと…どう断るかを考えていると続けて彼はこう発した。
「ありがと!じゃあよろしくね 」
俺の返事なんて聞かずにもう了諾していふと思ったみたいだった。
そもそも俺に拒否権なんてなかった。
「 ねー川谷くんー。お昼食べよ〜」
「え、…っは、………」
言葉が詰まっていると彼は自分の席に座って、
「川谷くんのご飯、美味しそうじゃん。いいね」
なんて無邪気に笑った。
「いただきま〜……」
彼の言葉を遮るようにその名前を呼ぶ声が聞こえた。
「おーいないこ〜!メシ食うぞメシ!」
「あーごめん!今日パスで!」
「あ?なんでだよ!!!」
「どーでもいいでしょ!じゃあ俺川谷くんとメシ食うから!他の奴と食って!」
「はあ…ッ」
あの人の言葉を無視して彼はご飯を食べ始めていた。
「んーうま〜〜」
「…ァ、うん、良かったね」
「そういえば川谷くんさあ、俺の名前呼んだことなくない?」
「あー…確かに、ないかも…ね」
「でしょー?名前呼んでよ 」
「ほら、内藤とか」
「………」
「それともないこって呼ぶ?」
へー、下の名前ないこって言うんだ。
「あッ…いやいや!呼ばない、呼ばないよ!!!」
ってなに考えてるんだ俺!!!!!!!
内藤くんのことなんて興味なかったはずなのに。
「あは、冗談だよ〜」
声デカ〜なんて笑う内藤くん。
よくよく見たらさらさらの髪の毛に整っている顔。
それに加えて長いまつ毛に人形みたいにキラキラしている瞳。
顔がいいなこの人…なんて考えながらもトマトを口に運ぶ。
「川谷くんもしかしてトマト好き?」
「え?あ〜、…好きっちゃ好きだけど……」
「まじ?」
「……」
「…もしかしてトマト好き?いる?」
「ッいや!大丈夫いらない!!!!!!」
さっきの俺の声よりも大きく叫ぶ内藤くん。
…あ、嫌いなんだ。トマト。
「食べようか?遠慮ならいらないよ」
「いらないってば!ワザとでしょ川谷くん!!」
「起立、礼。さようなら」
「さよならー」
一斉に騒がしくなる教室。
いつもならそそくさと出ていくが、今日は違う。
「川谷くん」
その声色を聞くだけで心臓がばくばくしてしまう。
「また明日、じゃね」
「…うん、ッまた明日…!」
小さめな手振りに控えめにニコリと笑うその姿。
さっきよりも動悸が激しくて息がしづらい。
あー、初めてだなこの感覚。
この感情がなんなのかは、まだ知らずにいたい。