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※こちらはただの二次創作です、通報はおやめいただきたいです
「ギリシャ、いい加減借金を返してくれ。完済までは待ってやるから」
「お金ないの知ってるでしょ。骨の髄まで搾り取るつもり?技術大国サマは随分ひどいお方らしいね」
バチバチと鋭い視線がぶつかり、ドイツとギリシャは睨み合った。
普段から仲が良いとは言えないが、借金に関したことで言うと最悪な仲だ。
「…そこまで払いたくないんだったら、体で払ってもらうしかないな」
「…」
何度かドイツに斡旋されて風俗で働かされているのだから、最悪になるのは言うまでもないが。
稼ぎはいいが、自身の体と心を擦り減らす感覚だけは慣れないし気持ち悪い。
時々ドイツ本人にも指名され、ギリシャは嫌でも客として相手しなくてはならなかった。
「…キミさ、自分が嫌だったことを人にしたらダメって教わらなかった?それとも、“あんな親”はキミに教育の一つもしてくれなかった?」
「ッ…お前、言って良いことと悪いことってもんが…」
「それを僕にもやらせてるんだから、結局はそういうことでしょ?」
ドイツには帝国時代に祖父が背負った借金を払うため、身売りをしていた過去がある。
相手はフランスやイギリスであったので、そういう店で働かされてはいない。
子供の頃から成人して数年が過ぎるまで、 フランスとイギリスの専用性処理道具として使われていただけだ。
「そ、れは…お前が、返さないから…」
「そうかもね。僕も悪いかも。でもさ、厳しい労働をさせるよりよっぽど過酷な場所に送り込んで、キミと同じように精神すり減らさせるのってどう思ってる?」
「………」
「イタリアも囲ってるんだろ?なぁ第四帝国 」
バチンッ!
肌を打つ乾いた音が響き、ギリシャはふらついた。
「…ははっ、暴力に頼るなんてね。やっぱり親子そっくりだ」
赤く腫れる頬を抑えながら、それでも煽ることをやめない。
拳を握りしめるドイツは、自分の地雷を超えたパーソナルスペースにズカズカと入り込まれ、怒りが抑えきれなかった。
その怒りで冷静さを欠き、ドイツはギリシャの細い腕を無理矢理掴んだ。
「ッちょっと、またあそこに連れて行く気?!僕の話が何も響いてないの?!」
流石に踏み込みすぎたと反省したが、こんな事態になってからでは遅すぎる。
ギリシャは足を止めて抵抗するが、犬のリードを引っ張るかのように腕を引かれて、ギリシャはよろけながら連れて行かれた。
ドサッと半分投げられるようにしてギリシャは床に倒れた。
「くっ…何するつもりだ!」
「顔を殴ってしまったから、表で今のお前は売り物にならない。でも穴に飢えてる奴らならその程度気にならないよ」
「…お前、まさかッ…」
「金払いは良い奴らだから、いつもよりはすぐ帰れるだろうさ」
鬼だ、とギリシャは思った。
「ここではないが、俺も散々嫌な思いをさせられた。俺が払えたんだから、お前もできるよな?」
選択を間違えたらしい。ドイツはギリシャにも同じことを強要する。
以前より、もっとひどい場所で。
思えば、風俗はどうしても払えない時にしか連れて行かれなかった。
ドイツはドイツなりに、マシな支払い方法を提示していたということか。
「ド、ドイツ、ごめ…」
「1週間後、お前がどうなってるか楽しみだな」
ひどく冷たい目を向けられ、ギリシャは謝る余地などないことを知る。
風俗が嫌で、少し踏み込んだ説得を試そうとしただけなのに。
「あぁ、そうだ。この店はハメ撮りもしているんだが、お前の分は俺に流れてくるようにしている。もしまた払えないようなことがあれば…わかるよな?」
「ぇ…」
彼の父親とそっくりの悪い笑顔を見せて、背を向けたドイツ。
呆然と座り込むギリシャの後ろからは、欲に塗れた腕が伸びていた。