10cm

~~~~~~~~~~♪

放課後のチャイムがなって急いで荷物を持って病院まで走る 。病室の扉を開けるといつものようにぽかんとした顔をしているなかむがいた 。

nk え …っ

sm あ 、昨日ぶり …じゃなくて 、はじめましてなんだよね …、

目の前の出来事をまだ上手く理解出来ていなくて 、休み時間は来ないとわかっているのになぜか「なかむが来るのかな」なんて想像してしまう 。

nk えっと …？

sm 俺はスマイル 、君はなかむ 。俺が先輩で君が後輩 …

いつものように自己紹介となかむのちょっとしたプロフィールを話す 。でも 、今日は様子が違ったみたいだ 。

nk それは分かってるんですけど …先輩 、ここどこですか …？

sm …ぅえｯ 、？

sm 元に …戻った 、？なかむ …ｯ？

nk はい ！なんでしょう …って 、え ！？どうして泣いてるんですか先輩 …あｯ 、誰かに泣かされた ！？許さない …ｯ

何度も何度も目をこすって確認した 。でも何回目を開けたって目の前にいたのは数ヶ月前のなかむだった 。前より痩せ細ってしまっているが 、性格はいつも通り …

医者は丁寧に説明してくれた 。俺がいつもここに来てなかむの世話をしていたから治るのが早かったこと 。ちなみに 、関節が曲がっていたように見えたのは俺の視界が涙で滲んでいたせいだと思う 。運がいいのか悪いのかは知らないけど 、頭だけを強く打ち付けていたからそれ以外に怪我はなかった 。頭の方も状態は良くなって直ぐに退院することが出来た 。…とは言っても 、なかむが元に戻ってから3日経ったけど 。

そして今 、なかむを家まで送っている 。

nk いや~ 、まさか記憶が無くなってたなんて …僕は最初 、なんかずっと暗闇の中にいたんです ！でも 、そこでも先輩がいていっぱい話して意外と幸せだったんですよ~ ？先輩は大変だったのに 、‪w‪‪

sm ほんとだよ 。自分だけ幸せになっちゃって …

こんな冷たいことを言ってるけど 、きっと俺が1番心配してた 。そして 、1番なかむが大好き 。

nk 先輩のこと傷つけちゃって申し訳ないです …先輩 、僕のこと大好きだから相当傷ついただろうな~ 、なんて …

sm …うん 、大好き 。だからいっぱい傷ついた 、許さない

nk …え ？

sm なかむがこんな状態になって 、俺後悔したんだからな ？もっと早く好きって言えばよかったって …。毎日こっちまで来て友達に …じゃない 、恋人になりに来てた 。

nk それって …ぅえ 、

ずっと自分が思ってたこと全部ぶつけたけど 、まだ言いたいことはある 。いっぱいね 、

nk ぅ …やっ 、たぁ …

気づいたらなかむは歩く足を止めて泣き出していた 。

sm は …っ 、そんなに …？

nk そんなにだよ …ｯ 、だって俺 、絶対 …今までスマイルを少しでも好きって思った人の中で 、1番スマイルのこと好きだった 。

泣きながらも芯の通った声でそう言われ 、俺もつられて涙が出た 。そして 、初めて 、しかも急になかむにタメ口で話され驚いた 。あの10cmが届いてたら 、俺はずっと気持ちを伝えないままだったのかもしれない 。だから 、届かなくてよかったのかな …なんて 、そんなことを思ってる 。

---

完結おめです~ ！

実を言うと 、このお話1話と同じ始まり方してるんです ✌🏻チャイムのところ 👀

次回作もお楽しみに 👍🏻