コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
rbru
rurb
不穏
洗脳要素
notライバー・ヒーロー軸
伏字無し
hsrb視点
彼を目で追い続けて何日たったのだろうか。ただ純粋に彼に好意を寄せていた、その気持ちが何時からこんなにドロドロとした感情に変わってしまったのだろう。思い出そうとしても思い出せなくて、頭が痛くなる。
「今日は雨が降ってるからかな。」
どうにもいつもと違う気持ち?感覚?ぞわぞわとして気持ち悪い。
「ぁ、彼…、傘忘れたのかな。」
頭痛に気を取られていてすっかり忘れていた。「今日も彼の様子を見守りに来たんだ。」しっかりと思い出しては物陰から彼を眺める。どうやら傘を忘れたらしい。嗚呼、俺が彼と顔見知りだったら、友達だったら、今になって後悔が募る。彼を見守るだけなら顔見知りじゃない方がいいよね、と思っていた過去の俺を殴ってやりたい衝動を抑え、彼を見つめて、写真をパシャリ。
「ふふ、いい感じ。ちゃんと顔も撮れた」
「ぁれ、いま…、、。」
今日の彼の様子を写真に収めるというノルマを達成するといつもとはさらに違う、表現出来ない高揚感に浸る感覚。綺麗に撮れたから?気が付かれずに済んだから?彼の事を今日も見れたから?違う。彼と目が合ったからだ。
今、彼と目が合って、直ぐに逸らされてしまったけど、でも、目が合った。ふは、と楽しそうに笑う彼と、俺の目が、合って。
「…やった、気がついて貰えたかな、嬉しかったかな、喜んでるかな、好きって思って貰えたかな。」
気が付かれてしまった、という事よりも先に彼と目が合った、という事に喜んで。だって、だって彼と今まで目なんてあった事ないのに!今、そこで笑って、微笑んで、また逸らされて、でも、楽しそうで。
「あれ、彼、今どこに行ったのかな」
彼の名前なんて知らない。でもやっぱり好きな人に気が付かれたのは嬉しい。なんて高揚感に包まれたのも束の間、今度は別の不安と心配が襲ってくる。
…あれ、彼はどこに行ったんだろう、と。もしも、バレてしまったら。急いで辺りを見渡して見る。
「いな、い?」
まるで煙のように、素早い狼のように彼は消えてしまっていて。どこに、もし誰かに言われたら、怖がられたら、嫌われたら…
『わっ、びっくりしたでしょ。』
「…ぁえ?」
背後から声が聞こえたかと思ったら目の前を塞がれた。姿も見えないし、声も聞き馴染みがある訳でもないし。でもどんどんあたまがふわふわして、ねむくて
『大丈夫、だからおやすみ。』
『怖がらなくていいよ、俺が思う怖い事なんてしないから』
首元にチクリとした痛みが走ったかと思えばそこで意識が途切れた。
「…ぁあっ?」
背中が痛くて目が覚めた。おっさんみたいな声出ちゃったかも、周りには、誰も居なさそうだから聞かれてなさそうだけど…。
「ここ、どこだろう」
身に覚えがない所ということに気がつくと怖くなってきた。同人誌とか創作物とかよく見るけどこんな感じの心境なのかな、なんて呑気に考えながら辺りを恐る恐る見回してみる。
『あ、起きた?星導おはよう。』
「だれです…、…ぇ」
『はは、思い出した?俺の事。 お前がずーっと目で追いかけて写真撮ってってしてたやつ。あと、お前の信者。なぁ、覚えてるだろ?俺の事』
「しんじゃ、ってなんですか、俺かみさまかなにかと勘違いされてます?」
『なぁ、忘れたの?俺の事を。ずっと隣にいて、一緒に過ごして、恋人みたいな関係だっただろ?なぁ星導、俺の事忘れた?』
一体この人は何を…言っているんだろう。信者?恋人?そんなの記憶にないし、知らない。こんな人間だなんて知らなかった。こんなおかしな事を言う人ならこんなことしなかったのに。
『な、ショウ。俺の神様だろ、ずっと俺の神様でいてくれるって、いってくれたよな。かみさまなら、おれとのやくそくまもれよ』
…嫌だけど、このままだときっと悪い目に合わされる気がする。
「勿論じゃないですか、貴方の事は忘れてもないですし、ちゃんと覚えてますよ。約束なんて当たり前ですよ。貴方のかみさまですから、信者の事は大切にしますし、見捨てたりしませんよ。」
『…ちがう』
『違う違う!ほしるべは、星導は俺の事を貴方って呼ばない!そんな改まった口調で話したりもしないし、信者扱いもしない。なぁ、おれのほしるべは?どこにやったんだよ?』
力尽きた。気が向いたらまた続きでも