テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
アンビバレンスの後日談的に書き始めましたが、まぁまぁなボリュームになってしまいました。
大森さん視点で、アンビバレンスに引き続きちょっと真面目な描写多いです。載せるの迷いましたが、どうしても書き留めておきたかったので…
苦手な人はすっ飛ばして下さいm(__)m
大森元貴さんとMGAを心からリスペクトしています。
_____……
……ダメだな……
ベッドに入ってからもう何分たったのか、随分長い事そうしているような気がした
眠れない…
瞑っていた目を開けて、スマホを確認する
AM02:38
画面に映る時刻を見て、「ふぅ…」とため息がでる
例え寝れようが寝られまいが、自律神経が安定しないのは、もうずっと前からだった
天井をぼんやりと見つめながら、考える
……結局ごめんねのきっかけも、若井に作らせちゃったな…
“「誰か他にそういう相手でもいんの?」”
若井に言ってしまった酷い言葉を、”謝らなきゃ”と自分の感情を整理しながらタイミングを測っている内に、結局若井から切り出させてしまい、自分が不甲斐なかった
こんな夜を過ごすのは幾度目だろうか
シャワーを浴びたり、眠る前は特に、自分自身と向き合う事が多かった
普段から、日常の些細な事に至っても、いろいろと起きた出来事を思い起こしては、
“なんで俺はあの時あんな気持ちになったんだろう…”
“なんであの人はあの時あんな顔をしたんだろう…”
などとぐるぐる考えては、反省したり、虚しくなったりした
“勝手な事ばかり言うなよ”とか、
“そっちが無神経すぎるだろ”とか、
反発心を持つ自分は確かに存在する一方で、そんな人にも、誰にも、嫌われたくはない自分はやっぱり消えない
時間があるとロクな事を考えない性分なのは分かっているから、スケジュールを詰め込んで、その日その日を頑張るようにして、半ばやり過ごすように日々を過ごす
考えすぎな部分は少なからずあって、自分が自分自身で勝手に生き辛くしているだけだと分かっていても、考えだすとキリがなかった
横をみると、若井の寝顔
愛しい……
公私共にこの人がいなかったら、今頃自分はどんな自分だっただろうか…と若井の頭をそっと撫でながら考えて、怖くなった
若井に負担がかからない様に、自分の肩で体重を支えながら、若井の腕を横に伸ばして頭を預ける
事実かどうかは置いといたとしても、”絶対的な味方がいてくれる”と自分が信じられる人がいるという事は、確かな尊い幸せだった
例えば涼ちゃんと3人で冗談を言って笑い合ったり、意識的に幸せだと思うようにしている、日常に転がる些細な嬉しさなども含め、数えればキリがない程に幸せだと思えることもたくさんある
だけど、それとは別に、結局人は皆孤独だし、情けなさや寂しさは自分の人生にずっと強く付き纏った
そしてこれは、おそらく一生続いていく
その事実にただただやるせなく、寂しい気持ちになってしまう
こういった感情を消そうと思うと辛くなるから、誰しもこんな時間はあるんだと自分に言い聞かせて、上手いことやり過ごす
「………」
自分の首に若井の手を巻きつけて、手の平を自分の頬に押し当て、若井の手に自分の手を重ねる
少し冷えた頬に若井の体温が伝わって、温もりに包まれると、心底ほっとした
しばらく浸るようにそうしていて、若井に腕をまわしてぎゅっと抱きしめ、 どうにかして眠れるよう目を瞑った
_____……
___コンコンッ
「若井、俺でたよ。」
若井の部屋をノックして伝えると、「…はーい、ありがと」と扉の向こうで返事が聞こえた
髪を乾かして歯を磨き、回していた洗濯を部屋干ししてから、ソファに座ってスマホを見た
若井が、俺の…
と言うか、2人の為に勉強して来てくれた資料を、なるべくきちんと確認して、”これだけの事をやってくれたんだ”という自覚をしっかり持つ必要があった
しかし、すごい量だな…
時系列順の大量の資料が、恋人になって間もない頃は毎日の様に集中的に、数ヶ月後からも長い間が空かず、途切れることなく保存されている
………泣きそう…。
感心なのか、感謝なのか、愛しさなのか…
多分全部の感情が入り混ざって、自分の琴線に触れすぎなくらいに触れる
どうしようもない感情が「はぁ…」と幸せなため息になって口から漏れた