※あらすじに注意事項が書いてあります。必ずそちらを確認してから読んでください。
数日前、俺の好きな人が亡くなった。ひき逃げで、死体がボロボロになってた。
葬式には行けなかった。だって俺が一方的に好きだっただけで、仲のいい友達程度だから。
それから数日だったある日、異変は起きた。
それは8月6日の朝、学校の門に着いた時その人はいた。
「あ、柊くん!おはよう!」
「……は?先輩…?!」
「水輝先輩だよ〜?びっくりした?」
「いや、だって、2週間前に、亡くなったはずじゃ…」
「そーなんだよね〜私死んじゃったの。でもね、幽霊って言うのかな?幽霊になっちゃって、それで、みんなに挨拶してたんだけど…柊くん以外はみんな反応してくれなかったんだ…」
「先輩…でも、なんで俺だけ…」
「わかんない。でも何かありそうだから、それ探すの手伝ってよ!」
「…き、急ですね…」
「ほら、今日はもういいよ。学校行ってらっしゃい!」
「あっ、はい!」
それから学校で授業を受けたけど、ほとんど上の空で何も聞いてなかった。
あの人を思い浮かべて。
次の日、俺は学校の準備をせずに私服で学校へ向かった。あれはただの幻覚なのかもしれない。でももしあれが本当なら…今日も、待っててくれてるはず。
学校の門に着くと彼女がいた。
「………あ、柊くん!来てくれたんだね……って、私服じゃん!」
「学校をサボるつもりできたので…」
「ふふ、ありがと!じゃあ早速どこか行こっか!」
「あ、はい!」
そこから色んなとこに向かった。服屋、本屋、遊園地、海……
今日だけじゃ足りないから明日もやろうってなって、だから明日も私服で学校の門へ向かった。
今日も待っててくれた。先輩はいつも制服で、いつも笑ってて…
「あの、先輩…」
「ん?」
「今日、もし夜時間があったら、学校に来ませんか!」
「え?まぁ、別にいいよ?」
「ありがとうございます…!」
今日もまた色んな所へ行った。ショッピングモールでお菓子をたくさん買って食べたし、俺の家でゲームしたりした。ずっとこんな日々が続けばいいのに…そう思った。けどこんな気持ちもでてきた。先輩がもしこの世に未練があって成仏できていないなら、それは先輩を縛り付けることになる。それだけは避けたい。なら、せめて…成仏する前に、自分の気持ちをぶつけたい。だから今日の夜、学校の屋上で告白する。
「いやーすっかり夜になったねー!学校の屋上も意外と星綺麗に見えるねー!」
「…………」
「どうした?元気無いよ?」
「なんでもないです…」
今日、告白する…そう考えただけで緊張して吐き気がする。
でも、言うしかない…
「…せ、先輩!」
「ん?どうした?」
「あの…俺、先輩の事が好きでした!先輩が、成仏するまでに、伝えなきゃと思…って…」
「………そっか、私も大好き。」
「え?今なんて…」
「ううん。なんでもない。じゃあ今日はもう遅いし、帰っていいよ!」
「あの、返事は…」
「……また明日、ね!」
迷惑だっただろうか…いや、でも…
返事は明日…か。寝て、明日を待つしかないか…
全然眠れなかった…
とりあえず、着替えて行くしかないか…
学校の門に着いたが、そこに先輩はいなかった。
どこにもいない。服屋、本屋、遊園地、海、ショッピングモール…ずっと探した。
だけど、どこにも先輩はいなかった。
コメント
2件
リクエストするなら、謎が謎を呼ぶ感じの考察系が好みです………
先輩……最後に柊くんの思いを聞けてよかったね、思いを伝えられてよかったね……… ここまで感動するとは思わなかった ありがとうございます……!