注意事項
・この作品はwrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・人外パロです。
・腐要素はありません。
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緊急速報。
W国、X国、Y国、Z国付近に恐竜のような生き物が見られるようになりました。
手のひらサイズですが危険である事は違いないという意見から、見かけ次第〇✕軍隊に連絡を入れるように。
決して近寄ったり触ったり自分で処分しようとしたりしないでください。
繰り返します___。
──────────
「物騒だな。別にいいではないか、小さな人外くらい。」
「やっぱgrちゃんもそう思う??僕もー。」
utがタブレットのニュース画面を開きながらgrに話す。
どうやらここら辺で恐竜のような生き物が現れるらしい。
見つかってしまうと軍隊により殺されてしまうのだと。
「人類はもっと人外とも交流をするべきだ。」
「んー。難しいなあ。」
utはほえ〜と意味のわからない言葉を適当に出した。
すると、tnがやって来て、utを見て首根っこを掴むように持ち上げた。
「書類はどうしてん。ほら言ってみろよ。」
「ひぇッ…ゆるちて…。」
grは静かにタブレットのニュースを眺めていた。
──────────
「ぴぃ…、ぴぃー…ッ。」
「ん、美味いか??」
「ぴぃっ…!!ぷ、ぷぅッ。」
「そおか。じゃ、これもやるよ。」
shpはペペロンチーノのパスタを1本取って、小さな皿に乗っけた。
その皿の上に座っている生き物はパスタを両手でしっかりと掴み、もぐもぐと食べ始めた。
「ぷぅッ…うッ、うッ。」
「んふ、かわええ。」
「ぴぃ…??」
この生き物が何か、shpは分かっていない。
変な卵から生まれてきた生き物だ。
水色の髪の毛から水色の角が生えており、手も水色でなんだか恐竜のような手をしている。
とげとげの水色シッポも着いている。
「ぴっ、ぴぃ…!!」
「んー??もう1本??」
「ぷっ。」
「はーい。」
皿にまた1本を乗せる。
両手でしっかり掴み口に詰め込んだ。
「ぷっ…ぷぃッ。」
「ちゃんと噛むんやぞー。」
「ぴぃッ!!」
人差し指の先でちょんちょんと頭を触ってやる。
嬉しそうに目を細め、すりすりと近寄ってきた。
「ちゅぷっ…ちゅう、ちゅー…ッ。」
パスタを頑張って啜るこの生き物は可愛くて仕方ない。
「ci、あーんして。」
「ぴぃ…??」
どうやらshpはこの生き物にciという名を付けたらしい。
ciは言われた通りにパカッと口を開けた。
そこに人差し指の先をかざしてみる。
「ぴぃ!!ぺうッ…ぺぅ。」
今度は嬉しそうにぺろぺろと指先を舐め始めた。
猫のようでこれまた可愛らしい。
「んふふ…、ci待ってな。飲みもんやる。」
shpはペットボトルのキャップ部分に水を注いだ。
それを目の前に置くと、ciは頭からじゃぽんっと入った。
「んぱッ…ぴい!!」
「んはッ、ちょ…んふふっ、」
「ぴぃ〜??ぴぃッ…ぷ!!」
「んははっ。」
コンコン。
突然鳴ったノック音にciはビビり、shpの手に隠れた。
shpは優しくciを持って、自身の胸ポケットに入れた。
手のひらサイズなので、ちょうど良い。
「よお、shpくん。」
「ああ、部長。どうしたんすか。」
「いやー。暇でさ。」
「ええ…。」
knはドスンとベットに座った。
「なんかほら、最近のニュース見とるか??」
「見てないっす。」
「恐竜のような生き物が危害を加えるかもしれないからって殺されてんの。もー胸糞悪いやん。」
「…はい。」
「そんでな、utとgr…まあほぼ全員がぷんすこ状態なんよ。皆なんか話し合っとる。」
「そうなんすね。」
「おう。まあ俺は俺以外どうでもいい思考やからさ。暇なんよね、遊ぼ!!」
「いやっす。」
「えええええ!?!?」
shpは胸ポケットに人差し指を入れた。
中できゅっと包まれる。抱きしめられる。
「…。とりあえずやることあるんで。」
「えー、つまんないのー。」
ぎゃいぎゃい文句を言うknを無理矢理押して、部屋を追い出す。
それからciを机に戻した。
「…お前、そのニュースのやつか。」
「…ぷ、ぷぁ…、ッ。」
「あ、ごめん!!別になんもせんから!!隠れんでぇ…!!」
ペン立ての後ろに隠れてしまったci。
シッポが見えてるぞーなんて言うのも可哀想だ。
「…、可哀想に。お前の家族も…??」
「ぴッ、ぴぅッ…。ぷぅ、」
「おいで、ほら。よしよししてやるから。」
「ぷぅ…!!」
手を広げて待つと、ciは走ってきた。
手のひらにぽすんと倒れ、人差し指と中指の間に顔を入れた。
「ぴいッ、ぴ…、ぷぅッ!!」
「よしよし…怖かったなあ。」
「ぷぅ、ぇ…ッ、」
「んー、ええ子。」
すりすりと近寄って甘えるciを、なんとか幸せにしてやりたくて。
shpはめいいっぱいの笑顔で応えた。
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ダクトからshpの部屋に近寄る。
最近イタズラしてなかったからな。
zmはちらりと上から覗いた。
ベットでshpは寝ているようだった。
だが、そこじゃない。
机の上で何かがぺちぺちと走り回っていた。
ハムスターだろうか??
なんでこんなところに。
zmはダクトから飛び降りた。
shpはぴくりと反応したが起きはしなかった。
ちらりと机の上を見ると、先程の生き物は居なくなっていた。
「…あれえ??」
zmは不思議に思って立てられている本を倒した。
後ろにいたその生き物と目が合う。
綺麗な橙色の瞳だ。
「ぴ、ぴぃーッ!!!!!!!!」
「…え!?!?」
その生き物はこちらに近寄りバッと両手を上げた。
ギリギリと歯を噛んでいる。
…威嚇だろうか。
「…なにそれ威嚇??怖くないんやけど。」
「ぷッ、ぴ…。ぴぃーッ!!」
「ぷははッ、がおー!!」
zmが倍返しのように威嚇をする。
生き物はこてんと倒れ、慌ててペン立ての中に入った。
が、頭から入ったせいで足はぷらんとペン立てから溢れている。
その無防備な足を指でピンッとつつく。
「ぷぇッ、ぴ!!」
「いひひっ。」
バタバタと暴れる足が可愛くて可愛くて。
バシッ。
「あでッ!?!?」
「zmさーん。」
shpが起きたようだ。
shpはzmを叩いたあと、生き物の足を摘んで、引っこ抜いた。
そして胸ポケットに入れた。
もごもごと胸ポケット内が動いている。
「え、それなに!?!?」
「…はあ。まあzmさんやし言いますけど。」
shpは全てを話した。
zmは、ちらりと胸ポケットの中を覗いた。
ぎろりと橙色の瞳に睨まれる。
警戒心MAXのようだ。
「ごめんな〜、可愛くてつい…。」
「あーあ。ci可哀想。」
「ぷいっ!!」
ciはポケットの中でぎゅっと丸まった。
「ええな〜、shpくんにバリ懐いてるやん!!」
「拾ったんワイっすから。」
「どこで拾ってん!!」
「城下町っすね。非番で休みやったんで買い物行ったら草むらに卵が落ちてて。」
shpがタンスから箱を取り出す。
箱の中には橙色の模様が着いた割れた卵が入っていた。
「これなんすけど。これから生まれました。」
「ふーん。親とかは知らんの??」
「知りませんね。でも、ci自身は覚えとるらしいっす。たまに悲しそうな顔するし、最近のあの事件も怖がってますし。」
ciがポケットから顔を出し、ちらりとshpを見上げる。
「ん、どうしたん。よしよしか??」
「ぴぃっ。」
「…!!お、おれがしたい!!」
「ああ、どうぞ。」
zmは人差し指の指先でciの頭を撫でる。
ciは最初は警戒してたものの、目を細めて擦り寄った。
「ぴぃ…ぷぃッ!!」
「わあ、ふわふわや…!!」
指先を離そうとすると、手できゅっと抑えられた。
自分ですりすりと動き始めた。
「ぐはッ…!!ペットにしたい!!」
「ダメ。ワイのです。」
「ぴっ!!!」
───────────
「ん”ー…。」
ぐるりと、shpは寝返りを打った。
「ふびぃッ…!!」
「ん…??」
耳元から、そんな声が聞こえて、目をぼんやりと開く。
「…ぁ、ci!?」
どうやらciを潰してしまう所だったらしい。
ciは足をshpの頬と布団に挟まれている状態だった。
「ぴぃー…!!」
「すまん!!痛かったな…。」
手のひらに乗せてすりすりと撫でてやる。
ciはぷんっと頬を膨らませていた。
「ぷい…。」
「怒らんでよ〜…」
「ぴぃっ…。」
ciがshpの指先を掴み、かぷっと噛んだ。
痛みもなく可愛らしいが、イタズラしたくなってしまいshpは痛いッと顔を歪めてみせた。
「ぅ"ぐ…ッ」
「ぴぃ…!?!?」
ciは慌てたように噛んだ指先をなでなでと撫でた。
それからぺろっと舐めた。
「ぴぃ…っ、ぴぃ…。」
「…ふふっ、ciは優しいな。」
ザザッ。
『shp〜、誰かと電話してんの??』
「ん??え、ut先生??」
インカムが突然反応し、utの声が聞こえた。
『僕のと繋がっててさ。ci…くん??って子と電話してるんやったら切ってな。』
「あ、はい。すみません。」
『んーん。ええよ〜。』
「ぴぃ??」
きょとんとこちらを見るciの頭をよしよしと撫でる。
『…なあ、電話しとるん??』
「…え??」
『いや、なんか聞こえる声がさ…。うーん。』
「…ci、おいで。」
shpはciを胸ポケットに入れた。
「今行きます。絶対に怖がらせないでくださいよ。」
───────────
「わ、わあ…なにこれ、恐竜??」
「はい。名前はciです。」
utの手のひらにごろごろと顎を乗せるci。
utはキラキラと目を輝かせて見た。
「これって、今の事件の…。」
「そうです、恐らく。でも、こいつこんなに小さくて懐いてるんすよ。殺さないでください…。」
「勿論やで!?!?僕は動物愛好家やで!?!?」
「…。」
「なにその疑いの目!!」
utはciの頭をなでなでしながらshpに語る。
「僕なあ、犬が好きやねんよ。昔…ガキん頃に飼ってた犬がおってんなあ。可愛かったよ、そりゃあもう。」
「…そうっすか。」
「…うん。そいつぁ、僕の家に入り込んだ泥棒を噛んで、怒った泥棒に切られて死んだわ。僕に懐いててん。僕が泣いちゃうと、すぐに僕に近寄ってきて周りから守ってくれたわ。」
「…。」
「ciがその犬ってことちゃうけどさ。恩送りとでも思ってくれや。な??」
にこりと笑うutは傷ついた顔をしていた。
そんなutの手をぺろりとciが舐めていた。
慰めているのだろう。
「…ci、」
「ああ、すまんかったな、ありがとう。ciはあくまでshpくんの子やもんな。」
「ぴぃ??」
「ん、いい子。」
shpがciを手のひらに乗せると、ciは自分で胸ポケットに入った。
かりかりとポケットが動く。
「ci、かりかりせんの。」
「ぷい…っ!!」
「ん。おやすみなさい、ut先生。」
「おう、おやすみ。」
ciの腕がぴょんと伸びてふりふりと振られた。
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「ci、ジャンプ!!」
「ぴ、ぴぃぃ…ッ。」
本棚のてっぺんに登ったciはガクブル震えながらshpを見ていた。
書斎で本探しをしていた所、ciは面白くなって登っていたらいつの間にか高いところに来てしまっていた。
「ci、ほら。怖ないから。受け止めるから!!」
「ぷぃ…ぃぃッ。」
「ん!!ほら!!」
手を広げるが、ciは怖がって近寄らない。
壁にもたれてブルブル。
下を見ることが出来ないのだ。
高いところが苦手なのだろう。
「…どうしよ、」
「どうかしました??」
「emさん!!」
救世主emが現れた。
事情を説明した、1部をぼかして。
「本棚の上に大切な物が飛んじゃったんす…。なんか梯子的な登れるやつありません??」
「ああ、ほんだら俺取るよ。」
emが器用に本棚の隙間に手を入れ足を入れ、ぐんっと登った。
「どの辺り??」
「あー…えー…、あー。」
「んー、あ、このちっこいのかな。」
emはぎゅっと壁側に丸まった何かを手に取った。
そしてshpに渡そうとしたその時。もぞもぞ。
手の中の何かが動いたのだ。
「うわああああああッッ!?!?」
「ciおおおおおッ!!!!!」
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「なるほど、大変失礼しました…。」
「いえ、ciが無事で良かったです。」
shpの胸ポケットは未だに震えている。
あの後emに投げ飛ばされたciは、shpによってキャッチされた。
が、怖すぎたようで気絶している。
「いやほんと、言ってくださいよ…。」
「ええ、言えないすよ。」
「俺、あの事件反対派やで??」
「ちょっと不安だったんすよ。」
「ええ…。」
emは新聞紙を広げて珈琲を1口含んだ。
「これですよね。恐竜のような生き物処分…。ほんと、酷い話。」
「…ですね。」
「ぴぃ…ぅ、」
「あ、ci。起きたか??」
shpの胸ポケットからひょこっと顔を出したciを見て、emはほっと息をついた。
「先程はすまんかったな。emやで。」
「ci、優しい人や、挨拶しといた方がええよ。」
「ぴい…っ。ぷぅッ!!」
ぺこりとお辞儀をしたciに、微笑む。
emはマジマジとshpの手のひらに移ったciを見た。
「うーん。ほんと変わった生き物ですね…。脳の大きさは??骨などは、」
「ぴぃ??」
「発言はぱ行しかできないんでしょうか…??」
「ぷぃ!!」
「shpって言って欲しいんやけど…。ほら、っぴだけでも。」
「っぴぃ!!」
とげとげのシッポをぶんぶん振りながら回る。
「ふふっ、可愛い恐竜やね。まだ子供なんか??」
「はい、恐らく。」
ciを肩に乗せて、shpは立ち上がった。
「じゃ、帰ります。本も見つかったことやし。」
「うん。また来てな。ciくんも。」
─────────────
「ちゅるっ…ちゅぅッ。」
「ほんま、ペペロンチーノ好きよな。」
「はい。」
tnの作ったペペロンチーノを一本ずつ吸うciを、ぼんやりと囲って見守る。
「ううむ。本当に恐竜なのだろうか??」
grがペンをくるくる回しながら呟いた。
「さあねえ。見た目はちっちゃい人間にも見えるし。」
「ええ??これは小人の域めう」
htとosが左右からciを見守る。
「まあでも、shpくんが言うんやし。」
「うんうん。流石俺の後輩やな!!」
tnとknがうんうんと頷きながらshpを見る。
「はあ、そっすか。」
「ぷぃっ!!」
「はぁい、ci。もう1本やるめう!!」
「ぴぃー!!」
お皿に置かれた瞬間に口に入れこんだ。
「…そういえば、shp。ciという名前はどこから取ったんだ??」
grがちらりとshpを見た。
shpはああ…と上を見たあと、ciの頭に人差し指の先をぽんっと置いた。
「ci、保護した時にワイのペペロンチーノを奪ってめっちゃ食ってたんすよ。恐らく、好物なんです。そのペペロンチーノから取りました。」
「なるほどな。ペペロンは選ばなかったんだな。」
「まあ、言いづらいですし。それにciはぱ行を喋れる。でももっと色んな言葉も言って欲しいじゃないすか。だから、わざとペペロンはやめたんです。」
なるほどな、とgrが納得したように頷いた。
ciは腹いっぱいのようで、ごろんと皿の上に寝転がった。
「んー!かわいいめう…。」
「うちで飼いたい…。」
「だめです!!ワイのですぅ!!」
「っぴー!!」
手のひらをciに向けると、よいよいと登ってきた。
そして、いつものように胸ポケットに入れた。
ひょこっと顔を出し、離れていく皆に手を振った。
「ぴぃっ!!」
「じゃあね〜!!!」
「ぴぃ〜っ!!」
──────────
「shp様!!その肩にいるのは…?」
幹部棟を歩いていると、一般兵と遭遇してしまった。
慌ててciを胸ポケットに入れる。
「ぬいぐるみっす。」
「え??今のって、恐竜のやつじゃないですか!?!?えっ、見せてくださいよ!!」
キラキラと目を輝かせる一般兵を睨む。
お前、口軽そうだな…と。
「ぴぃっ!!」
「あっ、ci!!」
胸ポケットからひょこっと顔を出したci。
「……。わあっ、本物ですね!!すごい!!」
「…絶対誰にも言うなよ。」
「分かってますよ!!…触っても??」
ちょんっと頭を撫でていた。
ciは嬉しそうに目を細めた。
───────────
「おやすみ、ci。」
電気を消し、ベッドに寝転がる。
ciは枕元のshpの畳まれた服にごろんと寝転がった。
定位置である。
「ぴぃ…、ぷぃっ!!」
「ふふっ、ぺー。」
「ぺぇ!!」
「凄いやん。じゃあ、ぱあ。」
「ぱぁっ??」
いつものように発音練習をしていた時のこと。
「動くな!!」
「ぁ"ぐッ!?!?」
バチバチと電気が走ったような感覚に襲われた。
shpは身体が痺れ、その場に蹲った。
謎の男が数人ダクトから降りてきた。
または、窓から。
「ぴぃ!?ぴぃーッ!!!」
「…威嚇か。ふっ、やれ。」
「や、やめ……ッ」
「びぃ"ッ…ぅ"ッ、!!」
ciは男らに捕まれ、小さな箱に放り込まれた。
そして、男はshpの体を縛り窓から去った。
『shpくーん??窓から今降りたぁ??静かにしてね〜。』
utの声が微かに聞こえた。
shpはなんとか頭を動かし、壁にインカムを叩きつけた。
その衝撃から、インカムが反応したようでutが慌てた様子を見せた。
数秒後、utが部屋にやってきた。
「shp!!!!」
その時には、既にshpは意識が朦朧としていた。
────────────
「ci攫ったんは恐らく、あの事件に関係する○✕軍隊や。」
utは並べたデータを皆に見せた。
shpはknに背中を支えられながら、そのデータを確認した。
「なるほどな。許せんゾ!!戦うか!!」
「待て。ciが人質として捕まっとるかも。」
「…shpはどうしたいんや??」
knがにこりと微笑んで尋ねた。
小さく口を開き、ぽつりと呟く。
「助けたいです。」
「ん!!じゃあ、戦おうぜ!!」
「ええっ、knぁ!?話聞いてたァ!?」
「バッチリ!!戦力はこっちが勝っとるやん!!なっ、zmにsho!!」
「えっ、あ、おう!!」
「zmが行くなら助太刀するぜ!!」
各々が立ち上がる。
今夜は騒がしくなりそうだ。
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まだ卵の中の頃から嫌われていた。
既に生まれた兄は、卵の中の自分を何度も何度も殺そうとしてきた。
池に落とそうとしてきたり、叩いてきたり。
まだ卵の中とは言えどうっすら外が見えていたから、知っていた。
母親も父親も、そんな自分を最初は助けてくれていた。
だが、ずっと続くに連れて助けてくれなくなってきた。
そして僕は捨てられた。
危ない人間が溢れていると有名のW国付近。
もう無理なんだろうと、まだ外にも出たことない自分は考えた。
近寄る人間を見つけた。
自分は必死に丸まった。
卵を持ち上げられた。
綺麗な紫が視界いっぱいに広がった。
初めて見た紫だった。
深く深く濃い色なのに、どこか暖かい。
そんな紫だった。
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「ここやな…!!」
「ぅ”っ…つぅ、、」
まだ身体が痺れているshpは、knに寄りかかって動けないでいた。
車を運転したemが扉を開けてやった。
「私はもう一度ここにきます、shpくん、そしてknさんにzmさんにshoさん!!後から皆さんも連れてきますから、どうか無事で!!」
「おう任せろ!!」
「emも怪我しないようにな!!」
「はい!!」
emの車が遠ざかり、建物を確認する。
大きな木に囲まれた建物だ。
「よし、行こう!!shpはどうする?」
「ワイも…ッ」
「ダメや。shpは外で待機。」
「なんでっすか…!!」
「もっと怪我するぞ。」
「…でも、」
ちらりと建物を見る。
不気味な雰囲気でしかない建物だ。
ciがここに1人で捕まっている。
そんなの助けなければ。
「shp、すまんな。」
zmがshpの首を突いた。
shpはかくんと意識を失った。
「kn、shpを見ててくれ。俺とshoで行くわ。」
「おう、分かった。」
「なんかあったら、窓からciを投げる。ちゃんとキャッチしてくれ。」
「任せろ。」
zmは手を振り、扉に進んだ。
shoもぴしっと背筋を伸ばし、zmを追いかけた。
knは倒れたshpを木にもたれかけさせた。
その隣に立つ。
「…、きっと大丈夫や。」
ふっと呟く。
小さな慰めをかけて。
───────────
「…ci。」
「…ぴぅ…っ、?」
目が小さく開く。
そっと撫でてやる。
「…ぴぃっ、!!」
zmの存在に気がついたのか、ciは手のひらに抱きついた。
「よかった、意識戻って。助けに来たで。」
「ぴぃっ」
「zm、奥の部屋に数人おるわ。」
「了解。とっとと撤収しよーぜ。」
「うん。」
探索し終わったshoもciの頭を撫でた。
「ぴぃっ」
「ふふっ、よかったな。」
zmは、ciを肩に乗せた。
「すまんな、胸ポケットないねん。」
「ぷぃ」
「よし、少し走るぞ。」
「ci、掴まっとけぇ!?」
zmは足音を立てないように走り出した。
ciは必死にパーカー部分を掴んだ。
階段までやってきて、素早く降りるzmの横顔を眺めていた。
安心して、ようやく息を吹き出す。
そんな時だった。
「ぅ"ぐっ!?」
「zm!!」
階段が爆発した。
zmは足が巻き込まれ、階段から落ちていった。
空中に飛ばされたciはshoによってつかまえられた。
ゴンゴンッとzmが落ちていく痛い音が響いた。
「くそッ…ci、尻ポケットやけど、ここに隠れとけ。」
ciはshoの尻ポケットに入った。
カタカタと震える。
shoはそんな震えるポケットをぽんっと撫でた。
ふうと息を吐き、階段をゆっくりと降りる。
階段の終わりのところにzmが倒れていた。
「zm!!大丈夫…、、」
「ああ、まだ1人いたんですね。」
zmは縛られていた。
「…っち、バレてたか。」
「ええ。それより、あの恐竜は??」
「さあな。さっきの爆発でどっか行ってもうたわ。」
「はは、嘘ですね。そこにいるはず。」
男は銃を向けた。
「さあ、渡しなさい。」
「いやいやぁ、知らんってば。」
「じゃあ貴方はいらない。」
「…ッ」
銃声が鳴った。
目をつぶって衝撃に構える。
…が、衝撃は来なかった。
ゆっくりと目を開くと、そこには見慣れた青髪。
「…ぐッ、sho、ちゃんッ…だいじょぶ、??」
「、ut!!」
ずるりと倒れるutを抱き寄せる。
こいつ、いつの間に。
shoは歯を食いしばった。
「ふふっ、後ろですよ。」
「んがっ、!!」
後ろからshoは縛られた。
縛られたことによって階段から落ちてしまったutも、縛られた。
そうだ、数人いたのを忘れていた。
shoは慌てて尻ポケットを触る。
そこに、ciはいなかった。
───────────
「shpくん、shpくん。」
ゆさゆさと揺れる身体でようやく意識を取り戻す。
珍しく豚の仮面を取ったtnが目の前にいた。
「よかった、起きたな。今utとrb、knが建物に入ったわ。銃声が鳴っとるから、ちょっと心配で、俺も行こうと思ってるんよ。」
「わ、ワイも…っ」
「ダメや。shpくんは外におって。」
立ち上がろうとするshpを抑えてまた座らせる。
「正面からの脱出は恐らく不可能。だから、窓から出るつもりや。ciもそう。ciをそこでキャッチしてくれ。それが、お前の仕事。」
「…分かりました。」
「行ってくるわ。emはsnとhtとosで医務室の準備してくれとるよ。終わったらきっと来てくれるわ。」
「はい。」
tnを見送り、建物を見る。
すると、窓が突然開いた。
見慣れた「天」の文字。
「rbさん!!」
「ああ、shpくん!!ダメや近寄るな!!」
窓の下に行こうとすると、大きな声で止められた。
「ぁぁっ、ここもダメ…っ!!」
部屋が爆発して、窓ガラスが外に飛び出した。
shpは目を見開いた。
rbは煙に飲ませれしまい、どこに行ったか分からなくなってしまった。
「rbさん!!」
名を読んでも反応がない。
ごくりと喉を鳴らす。
次に、その隣の部屋の窓が割られた。
「shpー!!!!」
「部長…!?」
knが頭から血を流してこちらに手を振った。
足を踏ん張り立ち上がる。
「ciは、生きとる!!そこでキャッチしてやれ!!お前にしかできへんぞ!!…ッ、」
knの部屋も爆発した。
ひいっと情けない声が漏れる。
震えていると、小さな声が届いた。
「ぴぃッ…!!」
「…ci!?」
何処だろうと建物を見る。
すると、1番上の窓の隙間からciの顔が見えた。
「ci!!降りてくるんや!!早く!!」
爆発するだろう、そう咄嗟に理解した。
shpは両腕を広げてciに呼びかけた。
「大丈夫!!ワイに任せろ!!ほら、降りるんや!!」
「ぴ、ぴぃ…ぅ、ッ。」
「おいで!!怖ない!!降りて!!早く!!」
汗がぽつりぽつりと落ちる。
あと何秒で爆発するだろうか。
shpは焦りで壊れてしまいそうだった。
「ciッ…早く降りて!!じゃないとッ、、、、」
「ぴぃ…ッ、、、ぅっ。」
ぽたぽたと、ciの涙が地面に落ちた。
はっと気がつく。
ciは、高いのが苦手だ。
「…ci、」
「ぴぅッ…ぅッ、、ぃ…っ。」
「……ッ、」
ここは命令してはダメだと。
ciが自分で動かなければならない。
ciを信じて、腕を広げる。
「ぎゅーしよう。ほら、おいで。」
笑顔でそう声をかける。
震える腕を必死に止めて、微笑みかける。
「ciは、ぎゅー好きやもんなぁ。」
「…!!」
空に1匹の恐竜が飛んだ。
ふわりと浮かび、勢いよく落ちる。
紫に包まれた。
小さな小さな幸せを掴んだ。
大好きな紫に、身体を埋めた。
─────────────
「ぴぃっ!!ぴぃ〜ッ!!」
「あ”ーッはっはっは!!擽ったいぞciぉ!!」
「kn、医務室は静かにせい!!」
医務室では、kn、rb、zm、sho、utが並んで寝転んでいた。
knの頬をciがぺちぺち叩いているようだ。
「ぴぃ!!…ぷ?」
「ciぉ〜、僕もやってぇや…い"でぇっ!!」
utがciに手を伸ばすと、腹が傷んだらしくきゅっと丸まった。
「お前銃で撃たれてんから、落ち着いときゃあ。」
「庇われた時はときめいたで!!ぶふッ、、」
shoとzmが顔を見合せて笑う。
utはへにょっとした顔で俯いた。
「ぴぃ〜??」
机を使って、utの布団に移る。
そして、utの手のひらに寝転がった。
「ぷぃ!!」
「んかわええ〜!!ありがとぉciぉ!!あて”て”ッ」
コンコンっ。
「こんにちわ、訓練終わりました。」
「おう!!お疲れ様!!」
shpは珍しくジャージを手に持ってやってきた。
ciはジャージを見るなり、走ってshpに近寄った。
「んー、ただいま。」
「ぴぃ〜っ!!」
shpはciをジャージの紫で抱きしめた。
「ぷぃ!!」
「じゃ、帰りますね。」
「まてまて!!まだおっても…。」
「行こかci。」
「ぴぃ〜!!」
終わった…!!!!長かったです…!!😭
そういえばなんですけど、最近から
「」に、名前をつけてないんですよね
昔→ci「」
今→「」
読みやすいですか??
どっちが読みやすいですかね!!
小説読んでて、名前着いてないから、こうしてみました!!
コメント
26件
やっぱ何回観ても好きだこの話…🥹💖癒される!!!
ココアビーンズさんの作品毎回泣きながら見てます()表現力というかなんというか全てが良すぎて涙腺崩壊するんですよ…あと尊い()
もー!尊い…!!! 癒し…🥰💕