テラーノベル
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もし、かぐやが地球に来なかったら。ヤチヨも生まれない、世界も発展が今とほぼ変わらない。そんな世界。
彩葉「もういい!出てく!」
…頭ごなしにそう言って家から出ていって一年、正直限界だった。母の言葉がずっと脳裏をよぎる。嫌になるほど正しく、冷酷な言葉の数々。東大法学部に行けたとしても認めてもらえるかさえわからない。追い越せるなんて、追い越そうなんて思ってもいない、ただ、置いていかれたくなかった。兄も私がまだ小さいときにプロゲーマーとしてやりたいことを見つけ出ていった。あの時も置いていかれた。もう置いていかれたくない。必死にしがみつくので精一杯だった。
彩葉「………」
徒歩での帰り道、周りの音を聞くのが嫌で、いつものようにイヤホンで蓋をした。兄のようにやりたいこともなければ好きなものもない、音楽をこうして聞いてるのだって昔父とよくしていたからではない、単に耳栓ができればなんでもいいからだ。音楽ももうあまりいい思い出じゃない。父が亡くなってから母に強制される音楽は楽しくなかった。父としていた作曲もすぐに辞めた。自分の中でもうあの時のようなことはできないと感じてしまったから。
彩葉「…あ、月…」
空を見上げたのは何ヶ月ぶりだろう。久しぶりの三連休で余裕が出たのか…いや、余裕なんて何もないのだが一種の祈りか何かなのだろう。人は追い詰められすぎると普段信じないものにも縋ってしまう。
「神頼みする奴なんて阿呆や」
…母の言葉がふと出てくる。わかってる、それが正しいことも。だけど…でも…
彩葉「…っ…神様…もう…無理…」
心の拠り所もなく、1年間神経をすり減らし続けた彩葉には、もうとっくに限界が来ていた。張り詰めすぎた糸が、弾けてしまった。立ち止まる。歩かなければ、せっかく1日6時間寝れるのに。…ダメだ。弱音を吐いたら、もう追いつけなくなる。1日でも休んでしまえばもう戻れない…
彩葉「…ぁ………」
意識が黒く染まる。地面が目の前にある。どうしようもなく眠い。…もういいかもしれない。ここまでの人間だったのだ、私は。
…思い返してみれば、なんてつまらない人生だったのだろうか、学校では必死に高嶺の花を演じ、友達と呼べるかはわからないが交友関係も必死に…結局私は、何がしたかったのだろう。したいこともないのにこんなに頑張る理由はなんだったのだろう。
追いつきたい…その先は?大学に受かって、母と同じ弁護士の道を進んだ先は?…私は母と同じ道を辿って、必死に追いつこうとしがみついてきた。やりたいこともなくただそれだけを。先のことなんて考えたこともなかった。今を死に物狂いで生きて、それが限界だった。私は何がしたかったのだろう。
わたしは………
…そのまま彩葉は栄養失調かなにかでポックリと…自分で書いていて酷い話だと思いました。支えもなくたった1人で頑張り続けた彩葉…おそらくかぐやがいなければヤチヨも生まれることはなく、ネットの普及からヤチヨの関与でこっちの世界の技術よりも少し発展してツクヨミやその他文化もできたと思っているので、それが根本からない世界を意識して書いたんですが…やはりあの作品はハッピーエンドにたどり着くにはかなり難しそうです。また暇になれば別のifも書きます。
ありがとうございました。
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