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notsid
現世の様子が見える湖には桃色の髪の男がいた
少し長めの髪に水色の目
彼はある男の最期を見ていた
たった一人でベットに横たわっている老人を
しかしその老人は少し嬉しそうだった
桃色髪の彼はその老人の最期を湖から見ていた
数分後、桃色髪の彼のもとに白と黒の髪の男が現れた
《けちゃ》
そう呼ばれた瞬間、彼は振り向いた
『、…』
彼はただ、戸惑っていた
なんて声をかければいいのか
喜んでいいのか
ただ水色の瞳は大きく揺れていた
『まぜ…ち…』
小さく、しかしはっきりと言ったその言葉に白黒髪は微笑み、彼を抱きしめた
《ずっと待っててくれたの?》
『う…ん…』
《神様から聞いた、望めばいつでも転生できたんだろ》
『うん…』
《それでも、待っててくれてッ、ありがとう》
彼は泣きそうだった
久しぶりに会えた恋人に、ずっと求めていた、その姿、声で、今にも黄色の瞳から涙が溢れそうだった
『まぜち、まぜちッ、』
彼抱きしめながらずっと泣いていた
彼に触れられること、彼に声が届いてることに、水色の瞳から大粒の涙が溢れ出ていた
『ずっと…僕だけを想っててくれたの?』
『他の人と幸せになれたのに…』
彼はずっと湖で様子を見ていた
白黒髪には彼が死んで以来、恋人も、想い人も いなかった
彼が新しい恋人を作ったら新しい人生を歩もうと 桃色髪考えていた
《俺はけちゃと一緒じゃないと幸せになれないよ》
少し離れ、お互いの顔を見る
白黒髪は桃色髪の姿を見て安心した様子を見せる
《ごめん、けちゃ》
《俺があの時仕事なんてけって一緒に遊園地に行けていれば、あんなに早く亡くならなかったのに…》
彼がずっと後悔していたこと
それを伝えた
しかし桃色髪はきょとんした顔をしたあと、笑った
『まぜちのせいじゃないよ僕の不注意なんだから』
《ッそんなこと》
『まぜち、』
『僕らあの時まぜちがいなくてよかったって安心してる』
『もしもあの時まぜちがいたら二人とも死んでた』
『そしたら次に辛いのはみんなでしょ?』
《けちゃッ…》
『まぜちは何も悪くないよ』
桃色髪が白黒髪の頭を撫でる、
その瞬間、黄色の瞳から沢山の涙が溢れる
その感覚は長年感じられなかったものだからか
桃色髪の優しさは白黒髪の心に入っていき傷を癒す
《会いたかったッずっと》
『うん、』
白黒髪はもう一度と、桃色髪を強く抱き締める
《声ッ聞きたかった》
『うん』
《ずっと、触れたかった》
『うん、』
《どこにいっても、何をしても、お前が忘れられなかった》
白黒髪は一息ついて言った
《もう、離さない》
『ッうん!』
桃色髪は嬉しそうだった
二人は笑っていた
そして、メンバーや、先輩、後輩の待つ湖の先へと
歩いていった