テラーノベル
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沢「…今回はこんなもんだな」
沢「なにか質問なあるものは?」
一通りの議題が終わり,黒沢がそう問いかける。
川「霊夢と魔理沙の処遇はどうしますか?アハトに返します?」
指「いや…抜けられたってことは構造を把握されている可能性が高いし…ノインのほうがいいと思う」
川「ああ…ではノインで…終身刑だったか?」
沢「脱獄したんだろ?死刑で良くないか?」
川「そうもいかないんですよ…まぁ,上と相談してみます」
末「くぁ…ねむ」
岩「寝てないだろうな?」
末「寝てないよ…流石に…指原とは違うし」
指「どういう意味じゃごらぁ!?」
和気藹々とした空気の中,ピロンと誰かのメッセージの通知を知らせる音がなった。
沢「ん?誰だ?」
末「あ…すいません俺です」
携帯を取り出した末次は,メッセージを確認すると,少し顔色が悪くなったようだった。
末「あ゙!!?」
末「…す,すいません!しょ,書類が残ってるので戻ります…!」
末次は慌てて帰り支度を始める。
周囲は少し不思議そうな顔を浮かべていた。
川「…追われるほど書類のある時期か?」
末「ん!?あ…まぁそうなんだけどぉ…色々あって」
末「お先に失礼します!」
バタバタと開かれたドアの先を,部屋にいた全員が眺めていた。
コツコツと,静かに足音が響く。
誰もいない静かな渡り廊下に小さな明かりが灯る。
暗がりの中,末次が歩いている。
何かに怯えるように,何かから見つからないように。
静かに,静かに。
末「あ…やっちゃったぁ…」
末「…どんだけあるの…これ…?」
キィと音を立てて開かれた彼の自室に,山積みになった書類があった。
軽くタワーになっており,ここまでの書類を彼が貯めたことがなかったのは反応から見てほぼほぼ確定であった。
末「あぁ…徹夜コースだぁ…」
僅かに引きずる頬を無視しながら,山積みの書類に手を付ける。
一番上から適当に引っ張り出し,書類に目を通し始める。
その書類は看守長の確認など必要ないものだったが,末次はそれに気づくことなくお気に入りの万年筆を持ち記入を始めた。
暫く,部屋の中にはパソコンのタイピング音と,紙をめくる音だけが虚しく響いていた。
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