「またあなた達遅刻ですか?!」
廣瀬先生の甲高い声が職員室中に響き渡る。
先生は激怒しているのに高野はうるさそうに両耳を塞いで顔をしかめる。
「ちょっと!!なんなんですかその態度!!」
先生がやいのやいのと高野との距離を縮めるために近づいていくが、高野は嫌そうな表情を浮かべながら後ずさりしていく。
「大体ね!貴方は私たちの教祖であるお方の子供なんだから…」
“教祖”という言葉に高野はまた嫌そうに目を細めて口をあんぐり開ける。
また長くなりそうな説教になる事を藤澤は勘づき、あぁあの!と二人の間に割って入る。
「すみません…今日も僕の寝坊でして…」
本当は高野の寝坊…というか、ワガママ?だが、いつも罪を被ってあげる藤澤。
本当にすみませんと頭をペコペコ下げている一方で、高野は優しいなぁという表情で眺める。
「藤澤さん、あなたのせいじゃないでしょう?嘘つかないで。」
初めての先生の発言パターンに高野、藤澤はえ?と言った表情で見つめる。
「さっき高野のお母様からお電話頂きました!!うちの子がワガママ言って藤澤さんを困らせていたって!!」
先生はまた高野に詰め寄る。
高野はというと
(あんのくそばばあ…余計なことを言いやがって…!!俺の“計画”が台無しじゃねぇか…!!)
The思春期の男の子みたいな事を考えてイライラしていた。
「全くもう…!!教祖様になるのならもっとしっかりして欲しいわぁ!!」
また長くなりそうな説教に藤澤は、はは…と苦笑いしながらも顔がひきつっていた。
「はいはいこれから気をつけマース。よし、行こう涼ちゃん。」
それだけ言うと、高野は藤澤の手首を掴んでスタスタと早足で職員室を出ていってしまった。
え?え??と困惑する藤澤。
あっ!ちょ、まだ話は終わってないわよ!!と職員室から叫ぶ先生。
そんな先生を嘲笑いながら走って自分の教室まで向かう高野であった。
「ね、ねぇ。あれってよかったの…?ちょっと可哀想じゃない…、?」
藤澤は先生の事を心配した。
「はぁ…なんでそう人の事気遣うかなぁ?いい?涼ちゃんは優しすぎるんだよ。そんなんじゃい…」
何かを言いかけたところでやべ。という表情をしながら口を手で覆い隠した。
何が言いたかったのか問い詰めたい藤澤だったが、
「あ!遅刻組じゃん!!今日はどう言った内容ですか〜。」
わんさかわんさかと湧いてくる質問に対応して行くうちに忘れてしまった。
コメント
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なにを言おうとしたのだろうか…🫣 気になる😚 fjswさん優しいねぇ🫠
ぁぁ、なんて言おうとしたんだよォ気になるじゃねぇか、次が楽しみぃぃい
何を言おうとしたの!!!