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引きこもりニートの独白

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引きこもりニートの独白

1 - 子供達のすれ違い

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2022年06月14日

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「てめぇは、今まで何してたんだよ!!」

兄が私の首をつかみ凄い剣幕で怒鳴る。

なぜこうなってしまったのか。


それは小学生の時まで遡る。

私は所謂引きこもりで、それは小学4年生あたりから始まった。

正直、裕福とまでは言えないけど程々に普通の家庭で生まれ育ったと思う。

DVなんてされてなかったし、モラハラとかもされてなかったし。

その頃にはもうされてる人もいたし、兄は父違いだったのだが、

その父はDVを振るっていたとだいぶ後に話された。


PSPもあったし、それこそDS、プレステとか少なからず普通のゲームは

買ってもらっていたぐらいだ。まぁそれが仇になったとも言える。

それの影響でまぁまぁ幼い頃からゲームにハマってしまった。

まぁハマるだけなら良いのだが、ハマりすぎてそこから引きこもりになった。

嫌なことより、楽しいことがやりたいのは人間であれば当たり前だろうし、

私もその感じで小学校からFF(ファイナルファンタジー)とかラチェクラ(ラチェット&クランクというゲーム)にのめり込んで行った。学校なんて1ミリも気にしていなかったと思う。


もちろん兄はそれが気に食わなかったのは目に見えていた。

1人目の子育てで今の父も母も少し疲れていて、2人目には教育が疎かになったと思う。

兄の時は厳しく育てられ、それこそ、「食事中にテレビを見るな」だとか、

午後八時以降には寝ろだとか。

私の時には無かったものがあったらしい。

悪く言えば『妹は甘やかされて育った』の認識が兄には強かったのだろう。


私が小さい頃は勿論そんなことを考える脳を持ってる訳でもなくて、

何かとあれば兄の後ろについて行ったり、兄のゲームをじーっと見つめていた時もあった。

その途中だろうか、兄は私を拒絶するようなった。

部屋に行って「ゲーム見せて」と言っても「嫌だ、来るな」と拒否され

その度その度に言葉が荒くなっていた事に幼い私は気が付かなかった。


そのまま中学に上がり、私の引きこもり度はさらに上がってしまった。

……いじめが起きたのだ。不登校を良しとする他の子供なんて流石にいなかった。

宿題なんかもかったるくてかったるくて仕方なくてやらずに学校に行って

いじめが悪化したこともある。


そんなこともあって、当時の幼いワガママな私は、「学校に行きたくない、もう行かない」と

家族に駄々を捏ねて、そのまま引きこもったらしい。


さらに引きこもって、ついに家族とも顔を合わせるのも減った時だった。

そう、これが最初の「あれ」に繋がるのだ。


兄は学校にも行かず、家のこともしない私に対してカンカンだったようで、

ご飯を食べて戻る時に兄に睨まれ、ガッと階段で首を掴まれた。


「お前さぁ?いい加減にしろよ、学校も行かないで、家のことも何もしないで、

親父や母さんに迷惑かけて、てめぇは、今まで何してたんだよ!!」


凄い剣幕でそう言い放つ兄。

自覚はしていたが、兄に言われると思わず、私は泣きながら部屋に逃げ帰った。

兄がよく思ってなかったのは重々承知のつもりだったはずだ。

だけどいざ言われて、首を掴まれたのを思い出すとボロボロと暫く涙が止まらなかった。

わかってるけど今頃学校に行けと言われて、家事もやれって言われてもどうしたらいいのか、

私にはさっぱりで枕に顔を当てて叫びながら泣いていた。


私はずっと思っている。

もしかしたら、これが、これが最初だったのかもしれない。

家族が崩れ始めたのは、ここからだった気がしたんだ。

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