嫌いな彼奴が逢いに来た 。
背が低くて 、暴言吐くような 、五月蝿い男 。
其奴が私に逢いに来た 。
「 よォ 、 久し振りだな 」
今にも泣き出しそうな顔をした
ポートマフィア幹部の中原中也がそう口にした 。
『 なんで逢いに来たの ? 』
そう尋ねたら聞いてないことを答えてきた 。
「 俺 、実は手前のこと好きだったんだ 」
頬を染めて云ってきたが 、質問の回答にはならない 。
『あっそう 、有難う』
『 で 、質問の答えは ?』
「 手前と逢え無くなってから 、俺の躰に穴が空いたような感覚があんだ 。」
「 その寂しさを紛らわすために 、今更だが逢いに来たんだよ」
今更 ?
中原は別に遠い昔に別れた人間では無い 。
『 私達 、一昨日逢ったじゃない ?』
すると頭を下げた中原が云う 。
「もう 、数年逢ってねェモンな 笑」
『 はァ ? 何云ってんの ?』
「 俺がもっとちゃんとしてれば」
少し俯いて肩を揺らす 、中原に違和感を覚える 。
『 ねぇ 、私の声届いてる ?』
そう問いても返事は無い 。
『 ねぇ冗談辞めてよ 、つまらないょ』
「 俺の事ずっと見ててくれよ 。」
「 大好きだ 」
中原は立ち上がり 、後ろに隠していた花束を私の隣へと置いた 。
中原が立ち去り 、1つ瞬きをした時に
私の立っていた場所は お墓だったと気がついた 。
手は透けていて 、まるで生きているとは云えない躰 。
『 なぁんだ 、私死んでんじゃん 笑』
中原が云っていた言葉が理解できた 。
私は何年も前に 、
中原の補佐をしていて
中原に殺されてしまったんだっけ 。
『 私も大好きだったのにな』
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「 なぁ 、 なぁ 、 息しろよ ! 手前 ,,なんで 」
『 中原ァ 、 私の事嫌いだったんだ 笑』
「 違ぇよ 、 手前が好きだから 、ズットズット 、隣にいて欲しかったんだよ …。 」
『 幽霊になってもズット傍に居てあげるよ』
了
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