竜胆 じゃ、俺ここだから
蘭 うん、じゃあね♡
竜胆 うん、気をつけてね
蘭 はーい♡
そうして兄ちゃんは俺に背を向け歩き出した
ガチャッッ
竜胆 ただいまー…って、誰も居ねぇけど
部屋は薄暗く、冬の所為なのか凄く寒い
竜胆 寒ッ!?暖房つけよ、えっと…?リモコンは…ぁ、あったあった
ピッッ
竜胆 ふぅ…飯何食おうかな?
竜胆 んー、ピザでも頼も
___数分後___
ピーンポーン
竜胆 ぁ、はーい
竜胆 よしよし…美味そうだな!!
俺はピザを受け取りリビングへ戻り、ソファーに座ってテレビをつけた
竜胆 いただきーす
俺が口に酒を運ぼうとした瞬間
ピーンポーン
竜胆 あ”?んだよこんな時に…
俺は渋々玄関へ向かった
竜胆 はーい
春千夜 おい、出んの遅せぇぞ!!
竜胆 はぁ!?んでお前が?
外に出てみるとそこには三途がいた
春千夜 ん、
竜胆 あ?何これ
春千夜 望月の奴が海外出張から帰ってきてその土産だ!!
春千夜 ホントはあのクソブラコン野郎に頼もうと思ったら彼奴「じゃーね♡」つって帰りやがった!!
竜胆 ぁ、そうなんだな…
竜胆 てか、土産なんか明日でも良くね?
春千夜 テメェ、態々人がクソ寒ぃ中届けてやったっていうのに最低だな!!
竜胆 いや、頼んでねぇし…?
春千夜 あ”ぁ”ー!!届けて損したわ、じゃぁな!!
竜胆 おう……
竜胆 ん?
三途の奴…震えてんじゃん
余っ程寒かったんだな…
竜胆 待てよ!!
春千夜 あ”?んだよ、俺早く帰りてぇんだけど?
竜胆 上がってくか?
春千夜 ……は?
竜胆 いや、今ちょーどピザ頼んだし?お前も腹減ってるだろ?だから一緒にどーかな?って…
なんで誘ったんだろ?
俺は男性恐怖症だ
男を誘うなんてある訳がない
…もしかしたら、
春千夜 …
竜胆 …!!ぃ、いらねー気遣いだよな、すまねぇ…届け物ありがとな
俺がそう言った時……
ガシッッ
竜胆 !!
強く腕を掴まれた
竜胆 な、なんだよ…?
春千夜 ま、まぁ?俺優しいから誘いを断る訳にもいかねぇし?ぜ、せっかくだから上がってやるよ
竜胆 ……w
竜胆 んだそれ
なんだよ此奴
意外と可愛い一面もあんじゃん?
春千夜 邪魔しまーす
竜胆 どぞー
春千夜 うぉ!?暖けぇー!!
竜胆 んな外寒かったか?w
春千夜 クソ寒ぃわ!!
竜胆 www
俺はずっとこの病は三途にも反応すると思っていた
だから、自分から積極的に話し掛けたりしなかった
だとしたら、俺が誘ったのはなんで?
そう考えるとやっぱり頭に思い浮かぶのは
だと思う
そうじゃなきゃ絶対誘わない
だったら、誰にも打ち明けられなかった病の事
打ち明ける事できるんじゃねぇか?
此奴に言うのは不安だけど
此奴なら……
春千夜 おい、灰谷?
そういう気がした
竜胆 なぁ、三途
春千夜 あ”?
三途はピザを口に入れながら返事をした
竜胆 ……
春千夜 ?どうしたんだよ
俺は急にものすごく怖くなった
それは病の症状じゃない
この事を打ち明けんのが怖いんだ
言ったら嫌われるのかな?自分も男なのにキモイとか思われんのかな?笑われるのかな?
凄く怖い
竜胆 ……
春千夜 おい、灰谷?お前、俯いてどうした?
竜胆 ッッ…ご、ごめん!!やっぱりなんでもねぇわ!!ぁ、映画見よーぜ?
春千夜 ……
俺は…言う事が出来なかった
せっかく打ち明けるチャンスが出来ていたのに
なんて思われるか怖い自分が出てきたんだ
俺は自分の度胸の無さにイラついていた
でも、そんな事をしたってもう遅い
チャンスは過ぎた、だから俺はこれからもずっと1人で抱え込んで行くんだ
俺ってホント無力だよな……w
竜胆 ……
俺は自分の手に水が垂れてくるのに気がついた
その水は、俺の涙だ
竜胆 (なんで俺、泣いてんだよ……)
考えれば考える程ポタポタと涙が落ちてくる
俺は三途に背を向けている為、三途は俺が泣いていることを知らない
竜胆 ……w
三十路で泣くとか………
竜胆 ……ダッサ
俺がそう口にすると…
竜胆 …!?
竜胆 三…途……?
俺は思考停止した
なんと、三途は俺に後ろから抱き着いて来た
春千夜 お前さ…言いたい事あんならハッキリ言えよ
竜胆 …!!
春千夜 そんなに俺、頼りねぇか?
いつもの三途じゃない…
そう感じた
三途は普段こんな感じじゃない
何より、「頼りねぇか?」なんて口にしない
抱き着いて来たりもしねぇのに…
竜胆 ……三途、
春千夜 ん?
竜胆 俺の話、聞いてくれるか?
春千夜 ……おう
三途の返事は優しい声の返事だった。
コメント
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頑張れ竜胆君~!