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PM8:00 一件の新着メール
この時間に一通のメール。
何の予定もない夜、突然メールを送ってくるなんて——誰からで、どんな内容か予想もつかない。
pr「これから空いてる?」
やっぱり、飲みの誘いなんかじゃない。
ただ都合よく使われているって、わかってるのに。
mz「空いてる」
……なんで、こう返しちゃうんだろう。
⸻
mz「ういーす」
pr「おう」
mz「今日さー、うちの犬が──」
pr「風呂入る?」
……俺の話なんて、興味ないよね。
いつもそう。何も話さず、することだけして終わる。
mz「入るわ」
風呂から出たら、すぐ始まる。
言葉なんていらない。お互いの快感だけを求めて、ただ欲を満たす。
pr「まぜッ…まぜツツ….//」
mz「あ”ぁーー//ッむッリ”…//♡」
利用されてるだけじゃん。
誰と俺を重ねてんの?
そんな目で、愛しそうに見ないでよ。
キスだって、したことないのに——。
⸻
AM8:00
起きたら、部屋も体も綺麗になってた。
机の上には、ホテル代より多めのお金。
ピロートークなんて一度もしたことない。
やることが終われば、いつもこう。
都合よく使ってるだけなら、
どうしてそんなに優しくするの。
こんなことになるくらいなら、出会いたくなかった。
出会う前に時間を戻して。
——好きになんて、なりたくなかった。
⸻
数日後
あの夜から何度も通知を見つめていたけど、結局俺からは何も送れなかった。
でも、あっちからまた連絡が来た。
……けどもう、限界だった。
セフレなのに、気づけば好意を持っていた。
このままじゃ戻れなくなる。傷つく前に、終わらせよう。
mz「今日は無理。あと、忙しいから当分誘わないで」
俺はその一通を送って、スマホを閉じた。
⸻
pr side
まさか、こんなメールが来るなんて思わなかった。
あいつが俺の誘いを断るなんて、初めてだ。
確かに、最初は欲を満たしたかっただけかもしれない。
けど本当は——最初から特別だった。
友達の繋がりで出会った時、一目惚れした。
女が好きだと思い込みたかったけど、初めて会った瞬間に心を奪われた。
友達三人で飲んでた時、妙に話が弾んで、気づけば笑ってた。
あいつといると、楽で、気を遣わなくていい。
それが嬉しくて、気づいたら“mz”に沼ってた。
酒の勢いとノリで俺が誘って、セフレになった。
けど、気持ちはどんどん大きくなっていったのに、怖くて言えなかった。
この関係を壊したくなくて、逃げ続けて——
気づいたら、終わってた。
⸻
mb「なーーお願い!!可愛い子いるし!」
pr「だから行かないって」
mb「いるだけ!数合わせ!奢るし!」
pr「……わかったわかった」
結局、しつこさに負けて合コンに行くことになった。
まぁ、タダ飯だし、損はないか。
mb「俺の友達主催でさ、イケメンも美女も多いらしいぞ」
pr「へー」
何も惹かれない。
あいつ以外、考えられない。
最後の日から、一人でも満たされなくなった。
mb「可愛い子いたら持ち帰れよ?お前イケメンなのにずっと彼女いないじゃん」
pr「飯食って帰るよ、タダだし」
mb「遠慮はすんなよ〜」
……あいつ、今なにしてるんだろ。
もう誰かといるのか?
考えたくない。会いたい。
⸻
mb「ここここ!」
「お疲れ様でーす!」
——その声を聞いた瞬間、心臓が止まった。
pr「……は?」
さっきまで頭の中で思い浮かべてた、その人がそこにいた。
mz「え?」
mb「なんだ、お前の知り合い?」
pr「知り合いってもんじゃねぇ」
「ちょっと来て」
mz「まって!」
pr「少し話したい」
mzは黙ってついてきた。
どうしているんだよ。忙しいって、これのこと?
聞きたいことが多すぎて、頭が追いつかない。
⸻
pr「なんでここにいるの?」
mz「関係なくない?」
pr「関係ある」
mz「なんで? 家族でも恋人でも友達でもないでしょ、俺たち」
その言葉に、何も言えなかった。
確かに、ただの“体だけの関係”だった。
pr「俺は、お前がいないと満たされない」
mz「だから? セフレ続けたいってこと? それって俺を利用してるよね」
……何も言えない。俺が全部悪い。
気持ちを伝えられず、酷いことをした。
pr「ごめん」
mz「それだけ? じゃあ戻る」
離れていこうとするmzの腕を、思わず掴んだ。
pr「まって」
mz「なに」
怒りのこもったその目を、まっすぐ見つめた。
もう、二度と会えない気がしたから。
pr「好きだよ」
mz「……え?」
自分でも驚くほど自然に出た言葉。
それは、偽りのない本音だった。
pr「俺、不器用で……今まで利用するように体を重ねてきた。 でも、本当は違う。気持ちを伝えて拒まれるのが怖かった。 逃げ続けて、間違えた。ごめん。傷つけて、ごめん。 それでも、俺はmzのことが好きなんだ」
mz「……今さら、何言ってんの」
声が震えてた。怒ってるようで、泣きそうでもあった。
俺はただ、その表情から目を離せなかった。
pr「今さらでも、言わなきゃ後悔すると思った」
mz「そんなの、もっと早く言ってよ。
俺だって……最初から好きだったのに」
その一言で、心臓が一気に熱くなった。
でも、次の言葉が刺さる。
mz「でももう無理だよ。
“セフレ”なんて関係、続けてたらどっちも壊れる」
沈黙。
居酒屋のざわめきが遠くに聞こえて、俺たちだけ時間が止まったみたいだった。
pr「じゃあ……もう一度、最初からやり直したい」
mz「やり直すって、どうやって」
pr「友達からでもいい。 ちゃんと、お前を好きだって言える関係になりたい」
mzは俯いて、深く息を吐いた。
その肩が少し震えてた。
mz「……そんな簡単に、信じられないよ」
pr「信じてもらえるまで、何度でも言う」
mz「馬鹿じゃん」
そう言いながらも、mzは少し笑った。
泣き笑いみたいな顔で。
mz「ほんと、今さらすぎる」
pr「今さらでも、お前に会えてよかった」
少しの沈黙のあと、mzは小さく呟いた。
mz「……じゃあ、試しに信じてみる」
⸻
数日後
「試しに信じてみる」——そう言って去ったあの日から、何も連絡はなかった。
だけど、どこかでわかってた。
終わりじゃない。まだ続いてるって。
夜の静かな部屋。
時計の針が、八時を指す。
PM8:00 一件の新着メール
胸の奥が熱くなる。
差出人は——mz。
mz「今、空いてる?」
あの日と同じ言葉。
でも、今はまったく違って見えた。
pr「空いてる」
送ってから数分後、チャイムが鳴る。
ドアを開けると、そこにmzが立っていた。
mz「……やっぱ、顔見たくなって」
照れくさそうに笑う顔。
その笑顔を見た瞬間、胸の奥が一気に熱くなる。
pr「俺も。ずっと会いたかった」
沈黙のあと、mzが小さく息を吐く。
mz「ねぇ、ちゃんと付き合おっか」
一瞬、時間が止まったように感じた。
でも次の瞬間、笑いながら言葉がこぼれた。
pr「うん。もう逃げない」
mzがそっと手を伸ばして、俺の手を握る。
その温もりが、静かに心に染みていく。
あの夜、ただの関係だった俺たちは、
今、ちゃんと“恋人”になった。
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PM8:00 一件の新着メール
それは、終わりの合図じゃなくて、
本当の始まりのメッセージだった。
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エピローグ
mz「今度さ、ちゃんとデートしよ」
pr「おう。犬の話も最後まで聞かせろよ」
mz「今度は途中で風呂行くなよ?」
pr「はは、もう行かねぇよ」
笑い声が重なって、夜に溶けていく。
——あの日と同じ時間。
でも、もう全然違う夜だった。
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end
初めて作りました。
最後の方はチャットGPTに手伝ってもらいました。
お名前借りてるだけなのでご本人様にの口調などは寄せていません。すいません。
見てくれてありがとうございます!!!!