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どこか、会ったことのあるような気がしてたまらなかった。
名前を初めて聞いた時、人の名前を覚えることが、苦手な、ぼくだったけどすぐに覚えていけたんだ
我ながらよく分からなかった。
はっ
図書館で眠ってしまっていたみたいだ。
隣の席にも前の席も客はゼロ。遠くに1人いると思う。がら空きだ。
もう帰ろうとした。
その時
「あの。」
突如声をかけられた。聞いた事のある声だ
「は…。え?」
情けない声を上げてしまった。後ろには彼女が立っていたのだ。
「やっぱり透くんじゃん、来なくてごめんね」
「いえ、全然…」
「透くん、あのね…」
「うん?」
「やっぱりなんでもないや」
中途半端すぎる。気になって仕方がない
「…そうですか」
「怒ってる。?」
「なんで怒らなきゃいけないんですか?」
「それもそうだよねー」
「というか羽山さんっていくつなんですか?」
「あのさ、羽山さんじゃなくて雫ってよんでよ」
「分かりました。」
「それで、いくつなんですか?」
「レディーに聞くのは失礼ー」
「でも、学生ですよね」
「おっ!ご名答!」
「ちょっと静かにしてくださいよ。ここ図書館ですよ?」
「ハイハイごめんなさいー」
「私、華坂高校に通ってんの」
まじか。あそこめちゃ偏差値たかいじゃん。
「嘘でしょ」
「本当なんだー」
「今度勉強教えてよ。」
「もちろん」
「また来るね!」
「それじゃ」
僕は彼女の背中を見送った。
それからもいうもの前の生活が戻ってきてとても安心している。
図書館で集まって勉強を教えて貰っている日々
楽しいな…。
ずっと続いたらいいのに。
「よ!」
「こんにちは」
「あのね、言わなきゃいけないことがあって」
「なんですか?」
「実は私病気なんだ。」
「本当に?」
「本当」
「余命宣告もされてる」
「…。」
黙ることしかできない僕をぶん殴りたい。
「入院は」
「するよ。いつか」
「そっ…か。」
「あと、2年」
「透くん。私の2年は貴方に託す。」
「だから、全力で楽しませて」
「望むところだ。」
「2年以上生きれたら、褒めてよ」
「あぁ、もちろんさ」
今、絶望という名の人生に、日々に、ひとつずつ印が押されていく。
僕には、人の命を預かっている。2年というたった短い時間を。