テラーノベル
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キーボードを叩く音。時計の秒針が回る音。相変わらず部屋の中は無機質な空気が流れている。そんな中、突如として家のチャイムがなった。現在時刻22時。こんな世間一般の非常識を平気でぶち破ってくる奴は、あいつしかいない。
「…なんや、ニキ」
「おじゃましまーす!」
コンビニの袋を引っさげて、さも自宅かのように何の構いも無しに上がり込んでくる。
「今日コンビニ行ったらさ、美味しそうなおつまみあったから買ってきた!」
「…酒は?」
「もちろん、ボビーが好きなやつ」
袋から取り出した酒は、いつも俺が飲んでて、割とお気に入りのもの。ゴンッと雑に机の上に酒とつまみを広げていく。
「ほら、早く座って!」
俺の着席を促しながら彼は軽快な音を立てて缶を開ける。
「しゃーないな、それ、取って」
缶を受け取りニキの横へ腰を下ろす
「んじゃ!」
「「かんぱ〜い!/…乾杯」」
◇◇◇
「ね〜え、ぼびい、?」
なんか、ペース早くね?しかも相当酔ってるな…
「ちょお飲み過ぎやって…水取ってくるから」
「のみすぎじゃないっ!つぎは〜」
「ストップ!っああもう…」
机の上の空き缶を片付けつつ、水を取りに台所へ向かおうと立ち上がりかけた時。
「どこ、いくの」
「うぉっ…に、き…」
服の裾を掴まれ、バランスを崩してしまう。缶が床に転がる事も厭わず、ニキが顔を近づけてくる。
「ん、」
あぁなるほど。無駄にハイペースで飲んでた理由はこれか。確か、明日は休み。撮影の予定も入っていない。絶対計算してたな…飲んだ勢いで、俺から何となくっていうのがいつものパターン。
「…どうしたいん?」
「……ちゅーして?」
言われた通り口に触れるだけの軽いキスをする。わざとらしいリップ音を鳴らして。
「んっ…え、おわり…?」
「まだしてほしいん?それなら、言ってくれんと」
言わされることの羞恥と抗えない欲情がニキの目の奥で渦巻いている。目で訴えてくるが、今日は無視。俺はヤるつもりなんかなかったから、その気にさせて貰わなければ。
「…いっぱい、して?」
いっぱい、か。口、頬、首…先程と同じ軽い口付けを落としていく。押し倒しもしないし、舌もいれない。少し焦れったいが、頼まれてない以上動かない。
「〜っねぇ!」
ぐいっと力任せに引き離され、その勢いで後ろに倒れる。
「…なんでそんないじわるなの…!」
我慢の限界、と言わんばかりに顔をしかめ、馬乗りになって聞いてくる。
「んー…いつも俺がしてばっかやん?たまにはニキのしてほしいことやったげようかなーって。ほら、教えて?」
本音と建前半々の返事。こいつがどこまで強請れるのか、どんなことを望んでいるのか、ここまでくるとかなり気になってくる。
「………べろ、いれへ、ちゅーしてくらひゃい…」
微かに震え、小さな口を開いて舌を出し強請ってくる。その姿がとても愛らしい。体を起こし、ニキの頭を掴む。
「ーんっ…ぁぅ…ふっ…///」
相変わらず呼吸は下手だな…息が苦しくなったのか、俺の肩をとんとんと叩く。
「はぁ…っ…///ぼ、び、ぃ…///」
肩で息をしながら潤んだ目でこちらを見てくる。
「ベット、いこ…?///」
なんだ、素直におねだりできるんじゃん。加虐心を掻き立てられ、思わず笑みが零れる。ほんと、かわいいなぁ…
◇◇◇
「〜っ…むぃ、も、いいからぁ…///」
『早く挿れて』と言われたはいいものの…流石にすぐ行動に移すほど鬼ではない。なんとなく、いつもより時間をかけて前戯をする。
「ーっ!やぇっ…///また、…イく…ゔっ…///はあっ…///」
3回目。なんか今日、前より感度が良くね…?まさか…
「…ニキ、後ろ、自分でしてる?」
「〜っいう、わけ…なあ゛!?」
言う訳ない、か。…そろそろ、限界
「ふーん…言ってくれたら、これ、挿れたげようと思ったのにな」
「へっ…///あ、ぃや…///」
ぺち、と俺のモノをニキの後孔にあてがう。分かりやすく揺らいでんな。
「言ってくれへんのやったら今日は終わりか…残念やなぁ」
まぁ言っても言わなくてもぶち込むつもりではいるけれど。流石に言わんか…
「…て、た…」
「え?」
蚊の鳴くような声小さな声。
「じぶんで、してる…」
「ぼびーのせいで、うしろじゃないと、いけなく…なった…///」
まさかの返答に言葉を失う。いつの間にかニキの理性はもう既に無くなっていて、快楽しか考えられなくなっていたようだ。
「…いった、から…はやく、おく、ついて…///」
◇◇◇
「あ゛っ…ん゛ぃ…いぁ゛っ…」
お望み通り、とでも言えばいいのだろうか。彼は、もう話すことも難しいくらいにぐずぐずに蕩けていた。
「ニキー、きもち?この体勢好きやもんなぁ?」
「んっ…あ゛、ぁ…///ゔぁ、〜〜〜っ///」
もう何度目かも分からないくらいには欲を吐き出している。彼が好きな、所謂『寝バック』。俺的には顔が見えなくて少々残念だが、ニキの苦しそうな喘ぎが聞けるので良しとしよう。あまりにも快楽が強すぎるのか、はたまた防衛本能なのか。腰を引いて、逃げようとする彼。
「逃げんなや」
「ひっ…///まっ、…ごえ、なしゃ、あぁ゛!?」
ニキから強請ったくせに、逃げるとか。ありえんやろ。 陶器のように白く細い腰を、両手で掴み勢いをつけて戻す。
「ま゛っ、ぐ、…あ゛、ゔ…」
喘ぎ声、というよりは唸り声に近いような声を漏らす。
「うんうん、気持ちええなぁ」
この言葉も、届いていないだろう。シーツに埋めている間から見える彼の顔は、快楽と恐怖に溺れ、目尻にはうっすらと涙を浮かべて。なんともグッとくる顔をしている。
「…もうちょい奥、挿れてええ?」
「む゛、やぁ゛、え、」
でも、もういけるんだよな。日々の行為の賜物か、最奥の壁は俺のを受け入れようと柔らかくなっている。
「…ごめん」
「え、あぁ゛!?ま゛、ぅい゛、ヒュッ〜〜〜〜///」
「ーっあーきもち、ごめ、出る…っ」
ぐぽんっと人から鳴るには少々おかしい音が聞こえ、最奥の壁が開く。
「あ゛っ??ゔ、ん゛ぁっ…お゛、」
俺から全部を搾り取ろうとするナカのうねりに耐えきれず、欲を吐き出す。
「ーっはぁっ…ニキ、大丈夫?」
「っ…、…」
達してすぐ意識を手放したようだ。自分のモノを抜き、とりあえずの処置でティッシュで身体を拭きナカの白濁液を掻き出す。
「…ねむ…」
すやすやと寝息を立てている彼を見ると、一気に脱力感が襲ってくる。シャワーは…明日でいいか。
「かわいかったで。ありがとぉな」
頭を撫で、ニキの隣に横になる。ニキの寝息が子守唄のようで、俺もすぐに意識を手放した。
◇◇◇
「…っ…は〜…」
どれくらい寝ただろうか。外はすっかり明るくなっている。スマホ…あ、充電してないわ。
「まだ寝とるよな…」
そりゃそうだ。あんなに激しいのなかなかシないからな。起こさないようにそっとベットから出てリビングへ向かう。
「あった…あと水…」
2人分のスマホと水を持って再び彼の待つ寝室へ戻る。ベットに腰掛け、すやすやとまだ寝息を立てているニキの頭を撫でる。
「ん…ぼ、び…」
「あ、ごめん起こした?」
「ん゛〜」
フルフルと頭を横に振る。…なんか、犬みたい…
「大丈夫そ?」
喋れないことを察しているのか、眉間に皺を寄せて目で訴えかけてくる。寝起きだから尚更目つきが悪い。
「そんな顔せんといてや、悪かったって」
「…」
「ほら、水」
ゆっくりと身体を起こし、俺の手から水とスマホを受け取る。行為後のニキの主なコミュニケーション方法は、スマホのメモアプリ。喉が弱いのかすぐ枯れるから、最初の方に2人で決めたんだっけ。
『喉痛い あと体も どうしてくれんの』
「でも誘ったのそっちやで」
図星をつかれて、居心地が悪そうな顔をする。
「昨日はえらい素直やったんになぁ」
『うるさい!!』
スマホと俺を交互に睨みつける。ニキからすれば喋れない分、もどかしさもあるだろうが2人だけの時間って感じがして俺的には凄く幸せだ。
「今日は1日世話するから許したってや」
『当たり前だろ ぼびーのせいなんだから
とりあえずご飯作って』
「仰せのままに、閣下」
あぁほんとに…愛おしさを噛み締めながら寝癖が付いている彼の頭をゆっくりと撫でた。
コメント
2件
最高です、とても素敵な作品をありがとうございます😭🙏💕