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血液
3:学校
*…───…*
🎈.❄「行ってきます、」
🎼.🎨 .🎀「行ってらっしゃい、/! 」
🎈「それでは、朝比奈さん」
❄「はい、それでは 」
まふゆと僕は、家から出た瞬間、笑顔の仮面を貼り付ける。人の機嫌を取るためや、心配されないために。
まふゆが違う方角へ向かうのを見て、幼馴染の家を見る。
🤖「あ、類。おはよう、」
🎈「ああ、寧々。おはよう」
挨拶を交わし、共に歩き出す。学校へ行く間は他愛もない話や、ショーの話をするだけ。そんな日常。
***
🌟「おはよう、ございます!!!!!!」
校門を通る直前、司くんの大きな声が聞こえてきた。風紀委員の仕事である挨拶だろう。
寧々が隣でうるさ、と呟いたが、気にしない。きっと司くんが聞いたらうるさくない、と言われてしまいそうだから。
🌟「! 類、寧々!! おはよう!」
🤖「…おはよう。もう少し声のボリューム落とせない…?」
🎈「フフ、おはよう。朝から元気だねえ」
挨拶の後に一言言い、手を振って先に教室に行く、とだけ伝えて寧々と玄関へ向かった。
🤖「それじゃあ、じゃあね、類」
🎈「ああ、またね。寧々」
2年の廊下で寧々と別れる。寧々は、2ーAへ。僕は、3ーCではなく、屋上へ。
がた、と屋上への扉を開ける。そうするとふあ、と熱風が僕の全身に襲いかかってきた。
🎈(今の季節、完全に忘れてた…)
そう、今の季節は夏。夏なんかに屋上に行けば暑いに決まっている。しかも今日は瑞希が学校に来ていない。こんな中、耐えれるワケがない。けれど授業を受けるのは、何故かイヤだ。
🎈「此処でサボろうか。…ついでに何か歌おうかな、」
歌いながら機械を弄っていると、チャイムが鳴った。ただそれは、一限が終わるチャイムではなく、昼休憩始まりのャイムだった。
🎈(人が来るよね…)
ぴた、と歌うのをやめ、機会を弄ることだけに集中する。僕しかいない屋上には機械を弄る、がちゃがちゃ、という音しかなかった。
そのとき、扉が開いた。そこには、ピンクの髪をサイドに縛り、リボンをつけている瑞希がいた。
🎈「…瑞希、? 今日は学校来ない予定じゃなかったのかい?」
🎀「それが、せんせーから電話来ちゃってさー… 」
先生から電話、ということは、出席日数だろう。その後、瑞希は今日にテストがあることを思い出した、と言って僕の隣に座った。
🎀「テンション下げて歩いてたら、聞き覚えのある、大好きな声が聞こえてさ! いますっごい、テンション上がってるよ!」
鼻歌程度に歌っていたが、そんなに大きな声だっただろうか。もし、廊下まで聞こえてしまうような声なら、もう少し声量を抑えなければいけない。
🎈「そんなに、大きな声だったかい…?」
🎀「ん? そんなことないよ? ボクは、ニーゴの皆の声なら鼻歌でも分かっちゃうからね!」
瑞希はふふん、と胸を叩き、自慢した。きっと、長年一緒に居たからわかるのだろう。
🎈「ふふ、きっと、長く一緒に居たからだろうね、」
🎀「んー、そう? でも、ボクたちが会ってからもう、4、5年経つもんね!」
🎈「おや、もうそんなにかい?」
🎀「うんうん! あ……類、人来るよ」
何気ない会話をしていたら人が来る、と瑞希に教えてもらった。今は、昼休憩だし屋上にはそれなりに人は来るだろう。だが、僕たちはニーゴのことや、裏のことも話す。それを神高の生徒に聞かれてはマズイ。そのため、人を察知する能力が長けている瑞希が教えてくれる。
がちゃ、と扉が大きな声と共に開かれた。
🌟「む! 類!! 此処に居たんだな!!」
🎈「フフ、見つけられてしまったね」
🤖「類。また授業サボったの…?」
🎈「ああ、気分ではなくてね」
フフ、と作り笑いをして返す。これは、司くんたちにバレていない。もし、バレているのならもう少し笑顔を作ることに上手くならないといけない。
🎈「おや、瑞希。どうしたんだい? そんな顔をして」
🎀「…んー、何でもないよ!」
大丈夫、大丈夫、と瑞希があははと笑う。何か、隠している笑顔だ。また、あのときのように悩みがあるのなら、助けたいけれど僕には何も出来ないだろう。
🎈「そうかい、?…」
🌟「類、暁山! 共に昼食をどうだ!?」
少し、離れたところから司くんに声をかけられた。一緒に昼食を摂らないか、と。
🎈「ああ、わかったよ。瑞希はどうだい?」
🎀「うーん、類が行くなら、ボクも行こっかな!」
それじゃあ、行こうか、と声をかけ瑞希と共に司くんと寧々がいる場所へ向かった。