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鷹槻れん

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#シークレットベビー
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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宇津Q
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(昴さん……っ)
車の中で羽衣子はスマートフォンを片手に昴の無事を祈っていた。
返ってくるかは分からないがメッセージを入れていた羽衣子。
ただ、昴が意識もハッキリしていて無事なら連絡の一つくらいはいれそうなもの。
それが無いということは意識が無いのか、スマートフォンを操作出来ない程の状態であるという可能性が高い。
(どうして……狙いは私なのに、こんなやり方……)
車を走らせている乙哉もまた、辺りを警戒しながら病院に向かう。
正直、相手がここまでの動きをするとは思わなかった。
いくら昴でも、運転中に襲撃されればかわしきれない。
しかも、羽衣子には詳しい経緯を伝えてはいないが狙われた場所は人気も車通りもあまり無い道路で、車に向けて何発か銃が使われていたことも分かっていた。
ただ、その銃口は全てタイヤに向けられたようで、身体に銃弾が撃ち込まれたことは無いのが救いだった。
(……昴さん、連絡くれねぇってことは結構ヤバいってことだよな……)
乙哉も羽衣子同様、昴の容態があまり良くないことを悟っていて、一刻も早く病院へ着いて状況を知りたい思いでいっぱいだった。
一時間程走らせたところでようやく車は停まる。
辿り着いたのは住宅街から少し離れた場所にある大きな敷地の前。
そこには建物が二つあり、羽衣子は乙哉たちに連れられて木々に囲まれ奥まった場所に建っている方の建物へと案内された。
「白城さん! 昴さんの容態は!?」
乙哉は中へ入るなりそう声を上げると、受付に座るマスクを掛けた中年男性が鋭い瞳で乙哉たちを捉え、
「院長は今オペ中だ。そこに座ってろ」
とだけ言うと何やら作業を再開した。
「ったく、相変わらず感じ悪い奴だな……」
男の態度に不満を募らせた乙哉は羽衣子に聞こえるくらいの小声で呟くと、
「羽衣子ちゃん、ここなら安全だからとりあえず座ってて」
未だ不安げな表情を浮かべる羽衣子に向けていつも通りの穏やかな態度へ切り替えた乙哉が椅子を指差しながら座るよう促した。
「……はい、分かりました」
羽衣子が椅子に座ったのを確認した乙哉は一緒に来ていた他の組員に彼女を任せると、自身は外へ出て行く。
羽衣子は落ち着かない様子で椅子に座ったまま連絡の無いスマートフォンを見つめていると、一件メッセージが届いた。
(え……?)
その送り主は誰だか分からず、不安に思いながらもそれを開いてしまう。
すると、
《若頭の次はその子供が犠牲になる。それが嫌なら誰にも話さず、気づかれないよう外へ出ろ。もしも誰かに話せばその時点で子供の命は無いと思え》
というメッセージ内容と組長の屋敷へ向かう途中の車内を写したものや、組長の屋敷の敷地内に居る希海の写真が添えられていた。
(……何、これ……)
これは罠だ。
羽衣子は直感するも、現に昴が襲われ、希海の行動を把握する写真が添えられていると、これがただの脅しだとは思えず、
(もし、広瀬さんや他の組員さんたちに話したことがバレたら、希海くんは本当に危険な目に……?)
話すべきだと分かっていても躊躇してしまう。
(どうしよう……)
そう迷っている羽衣子の元へ更にメッセージと写真が追加で送られてくる。
「……っ!」
送られて来た内容は、
《お前のことは常に監視している。少しでも怪しい行動をすれば子供の命は無いと思え》
再び脅すような内容と写真は事故直後と見られる昴の車を写したもので、羽衣子には伏せられていたタイヤに撃ち込まれた銃弾の痕がハッキリ写されていた。
(もしかして、昴さんは撃たれたの? だから、手術が必要なの?)
詳しい状況が分からず、送られてくる不穏な内容に羽衣子は冷静な判断が出来なくなっていき、次に送られてきたメッセージで羽衣子は行動に出ることに決める。
急に椅子から立ち上がった羽衣子に組員の一人が声を掛けた。
「吾妻さん、どうかしましたか?」
「あの、その……御手洗を……」
「ああ、それでしたらあちらの角を曲がった突き当たりにあります」
「ありがとうございます」
そして、トイレの場所を確認した羽衣子は一人でそちらへ歩いていき、その後ろから着いてきた組員たちは少し離れた場所から入り口を見張っている。
組員たちは流石に女性のトイレまでは付いて行くことが出来ず、少し離れた場所から見守るだけ。
トイレ内には窓があるも、あくまでも換気用の小さい窓だけなので、そこから人が出入り出来ることは無いと把握済。
だから、トイレの出入口さえ見張っていれば問題は無いはずだったのだが、羽衣子に最後に送られたメッセージにはこう書かれていた。
《トイレに行くと言って席を立ち、トイレへ入れ。その後、騒ぎが起きたら隙を見てトイレから出て、誰にも気づかれないよう裏口から外へ出ろ。言う通りにしないとどうなるか分かるよな?》
という内容で、言われた通りトイレへ入った羽衣子が耳を済ませて状況を窺っていると病院内のどこかの窓ガラスが割られたようで騒がしい声が聞こえてくる。
その音や声の後に羽衣子が静かにトイレのドアを開けてみると、その直後に再び二階から窓ガラスが割れる音が聞こえてきて、自分を監視していた組員たちが音に気を取られて自分へ視線が無いその一瞬の隙をついてトイレを出た。
そして、すぐ側にあった裏口のドアを開けるとどこからか腕が伸びてきて、手を引かれた羽衣子は羽交い締めにされると布で口元を覆われ、何かの薬品を嗅がされたのか意識を失ってしまった。
コメント
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うわっ……このエピソード、緊張感がすごかったです…!昴さんが襲われて手術中ってとこからもう不安でいっぱいだったのに、羽衣子ちゃんに届く脅しのメッセージと写真が重なって、本当に息が詰まるような展開でした。冷静じゃいられなくなる気持ち、分かりすぎる…。最後、トイレの隙を狙われて連れ去られちゃうとこで終わったのがもう気になりすぎます!希海くんの安全もかかってて、どうなっちゃうんだろう…次が待ちきれないです😭🖤