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※注意
小説初挑戦のため文章下手
設定ごちゃあるかも
口調や呼び方あやふや
exibだけどkzh視点多め
鴉+救急隊の絡みあり
苦手な人は回れ右お願いします。
エクスとカゲツがアジトへ戻ると既に半数以上のメンバーは揃っていた。
メンバーは劇場の椅子に各々座っており、葛葉は壇上で扉に背を向けて立っていた。
「エクス・アルビオとカゲツ戻りました〜」
「「「「「おかえりー」」」」」
皆笑顔で迎えてくれたが、 葛葉はそのまま背を向けて考え込んでいるようだ。
「あれ?イブラヒムと叶さんは?」
「イブちゃんは病院に行ったっきりまだ戻ってないよ〜」
「俺たち猫カフェにいたけど、出た時病院前にイブラヒムさんのゼントーノあったからそのまま帰ってきちゃった」
「かなかなはパレトの方にいたらしいからもう少し遅くなるかもね」
「そうなんだ、まあそろそろ帰ってくるっしょ」
皆雑談をして帰りを待っていると、突然電話の音が劇場内に鳴り響く。見渡すと考え込んでいた葛葉に連絡が来たようだ。
「ガッ……グッ…….!」
スマホの画面を見た葛葉が突然悶え出した。その反応に察しのいい俺たちは一斉に茶化し出す。
「あれれ〜?wどうしたの〜ボス〜?」
「もしかして〜彼女さんっすか〜!?w」
「早く取らないと切れちゃいますよ〜w」
「取らないと嫌われちゃうかもしれないですよ〜?w」
『うるせええ!!!!💢』
図星だったみたいだ。プルプルと震えながら画面を凝視していた葛葉は意を決して電話を取った。
「ハイッ…クズハデス…!」
あまりに緊張した様子に皆ケラケラと笑っていた。
しかし茶化されて怒っていた葛葉の表情が段々と緊迫した様子に変わっていく。
「はい…はい……」
「了解っす…すぐ行きます 」
声色も変わり皆が何事かと葛葉の様子を伺っていた。
プッ
「皆病院に向かうぞ」
病院に向かうと凄まじい光景が広がっていた。
病院の入口が半壊しており、内装が剥き出しになっていた。
辺りには爆破片が飛び散っており、一目に襲撃を受けた事がわかる。
「誰がこんな事を…」
ロスサントスにおいて病院を襲撃する事は暗黙の了解で御法度となっている。ギャングにとっても公平に治療をしてくれる病院を敵に回したくはないのが理由だ。
「イブラヒムは…?病院に居たはずじゃ…」
「イブちゃんは!?」
イブラヒムとはアジトから病院に向かう際にもすれ違ってはいない。無線に連絡を入れても返答がないという事は、まさか巻き込まれたのではと考えていると
「その事についても院内で話そう」
葛葉が落ち着いて皆を諭し、院内へ入っていく。
俺たちも続いて院内に入ると、救急隊が忙しなく走り回っていた。ベッドが壊れているのか地べたに布を敷き、その上に怪我した人が寝かされていた。
奥に進むと見知った後ろ姿が見えた。
「とおこさん…!」
葛葉が駆け寄ると、しゃがんでいたとおこさんはこちらを振り返った。
前に葛葉の茶番に付き合わされて出会った姿とは違い、白衣が煤だらけで汚れていた。
「葛葉さん……私!私…… !」
「とおこさん、落ち着いて…怪我は…?」
「私は大丈夫です…でもリオンさんが…私を庇って…!」
しゃがんでいたとおこさんの足元にはリオン様が寝ていた。よく見ると右腕に大きく包帯が巻かれており、脚にもいくつか治療跡があった。
「爆破された…時に……気絶して…まだ意識が戻って…なくて」
「とおこさん、ゆっくり息をして…リオンさんは適切に治療されてるから時期に目を覚ますでしょう。ひとまず落ち着きましょう…」
「すみません….. 」
「いえ、電話くれてありがとうございます。それでイブラヒムは? 」
「そうなんです…!イブラヒムさんが…!」
爆発音がし、イブラヒムはすぐに武器を手に取ってその場に伏せた。目の前が煙で覆われ辺りの様子がわからない。 おおよそC4の他にも煙幕弾が撒かれたのだろう。
救急隊の皆は大丈夫だろうか?
安否を確認する為に 院内に戻るが煙のせいで状況がわからない。
「くそっ……」
周りを警戒しながら奥に進むと、微かに声が聞こえた。
その方に向かうと黒ずくめの何者かに捕縛されているとおこさんとその足元には腕から血を流して倒れているリオン様がいた。とおこさんは頭に銃口を突き付けられており、とても怯えていた。
「イブラヒム…さん……」
「お前…!」
怒りで黒ずくめの男の頭に銃口を向けるが、そいつは落ち着いた様子で話しかけてきた。
「銃は下ろした方がいい、周りをよく見ろ」
いつの間にか辺りにはこちらを囲うように同じような装いの者たちが銃口を向けていた。成す術もない状況にイブラヒムは諦めて武器を下ろすしかなかった。
「手を挙げろ」
大人しく指示に従い手を挙げ投降した。
それを見た黒ずくめの者たちはイブラヒムの腕を後ろで縛り、首元に注射器を当ててきた。
おそらく中身は睡眠薬だろう。
意識が薄れゆく中で、イブラヒムは最後の足掻きに奴らに問うた。
「お前たちの…目的は…」
「ずっと探していたんだ
【 】」
「イブラヒムさんはそのまま連れて行かれました。私は解放され、その後すぐに葛葉さんに連絡したんです。」
とおこさんの話を聞いた俺含めたメンバー達は言葉が出ずにいた。イブラヒムは鴉メンバーの中でも戦闘面はあまり得意ではない。ゆえに周りに敵を作る事はほぼない。では『鴉』に怨みを持った奴の仕業か?
「警察に連絡は?」
皆が絶句している中葛葉だけは落ち着いていた。
「もう既に他の方がしてくださいました。ただ同時多発の襲撃だったらしく、まだ到着していません。」
「…わかった、ありがとうとおこさん。俺たちは警察が到着する前にアジトに戻ります。」
「はい…あの……すみません、お気をつけて… 」
「いや、すぐに連絡くれてありがとうございました。奴ら、何しでかすかわからないんでとおこさんも引き続き気をつけて」
「はい…」
「お前らアジトに戻るぞ」
アジトに戻ると玄関前に叶さんがいた。
「あ、今戻ってきたんだけど皆どこに行ってたの?」
「病院だ。とりあえず中入るぞ」
叶さんは葛葉の様子に少し驚きつつも大人しく従った。
「それで葛葉、何があったの?」
事態を知らない叶さんは真っ先に葛葉に問うた。
「イブラヒムが誘拐された。おそらく新しいギャングとやらにな」
「は…?」
いつも冷静な叶さんにとっても予想外の出来事だったようだ。
「お前が帰ってくる間にイブラヒムがいた病院が襲撃され、連れて行かれた」
「え、そいつら殺さなきゃ」
叶さんは武器を取り出し殺意を露わに立ち上がった。慌てて皆で抑え、再び椅子に座らせた。
「待て!落ち着け…!まず皆に説明しなきゃいけない事がある」
「それは僕たちを集めた件?」
「そうだ…。お前たちバース研究所って聞いた事があるか ?」
「バース研究所…?」
「・・・」
「僕聞いた事ある。確かだけど十五年前ぐらいに何者かに襲撃されてなくなったって聞いたけど」
皆不思議そうにしている中、叶さんは知っていたみたいだ。
「ああ、イブラヒムは十五年前、そこにいたんだ。」
「「「!!」」」
「お前たちに前話したと思うが、かつて鴉のメンバーだったセバスと俺がその研究所を襲撃した。」
「え、葛葉が犯人だったの?あれ何故か対してニュースにならずに話題から消えてったから裏があると思ったけど…」
「それは政府が揉み消したからだ。あそこはな、バース研究所とは謳っていたが実のところ人身売買所だったんだよ」
ロスサントスバース研究所、国運営のバースに関する研究を行っていたとされている。世間からは抑制剤などを開発しているとされていたが、裏側は全く違う。誘拐した子供達や孤児を使い、生態レベルを計測し、そのレベルに応じて金額を設定し多方面に売り付けていたのだ。
小児愛者や愛玩用、ただの殺人鬼など売られた子供達は生きる未来などなかった。
子供達はそれを知らず、自分達は病気の為にここに居るのだと思わされている者、 スラム街よりはいい暮らしだと思っている者もいて楽しそうに過ごしていたのだ。
その中で特に綺麗なガキがいた。褐色の肌は程良く滑らかで銀髪は少し青みがかっておりさらさらと流れている様は美しかった。特に大きな瞳が宝石のようだった。ブルーとイエローのコントラストが目を惹き、吸い込まれるようだった。
だがそいつはその整った容姿とは裏腹にめちゃくちゃ生意気だったのだ。
「ねー葛葉って吸血鬼なんでしょ?」
「あ?そうだけど?」
「翼とかあるん?」
「あるけど、出さねーよ?」
「えー、ケチ」
「セバスはギャングっぽくないね」
「え〜そんな事ないだろ〜?」
セバスと好奇心で忍び込んだ時にこいつに見つかってしまい、そこから毎日会いに来いとせがまれてしまった。無視しとけばいいのに、何故か毎日二人で様子を見に来ている。
「俺さ、検査多くてうざいんよね〜」
「何されるんだ?」
「大体は血液検査とか、他の子は1週間に1回とかなのに俺毎日させられるから嫌」
「何?お前病気なの?」
「違うよ、俺特別なんだって」
そいつは全て気付いていた。自身の特異性もこの研究所の真の姿も自身の未来も。だが笑っていた。誰よりも気楽だった。
「何故笑っていられる?」
「どうしようもないからさ、俺非力だし、まあ仕方ないんじゃね?」
そう言ってそいつはまた笑ったのだ。諦めではない、そいつの眼には力があった。野心があった。
「俺たちがいつか助けてやろうか?」
何故かそう呟いてしまった。ギャングである俺が。全て気まぐれだったのだ。深く関わりすぎたのだ。
「え、無理でしょw」
こいつ…。生意気すぎんだろ。
「まあ、なんかあったら助けてよ」
またそいつは冗談気味に笑ったのだ。
「あの子は本当に素晴らしいな」
「容姿、バース性能が飛び抜けている」
「母胎としての能力が高い」
「特に高く売れるだろう」
反吐が出る。研究員共はあいつの事を金としか見ていない。
「次のオークションに出そうか」
「あれはSSランクだ」
「国がさらに潤う」
反吐が出る。反吐が出る。
「反吐が出る」
セバスも考えている事が一緒だったみたいだ。根が優しいあいつが顔を歪めてまで怒りを露わにしていた。
「俺売られるんだって、”君と家族になりたい人がいる”って言われちゃった」
「ここで2人に会えるのも最後になるね」
「・・・」
「なあ、俺たちと一緒に来る気はあるか?」
「え? 」
「俺たちと一緒に来てギャングやるか売られるか選べ」
「それは…本当に出来んの?」
「言っただろ?いつか助けてやるって」
爆破した。壊した。全て全て。残してはいけない。こんな施設を。こんな奴らを。こんなこんな腐った世界を。全て殺した。
「てかお前名前は…?」
「イ…イブラヒム」
「それがお前の本当の名前か」
「うん」
「よろしくな、イブラヒム。今日からお前は俺の養子、つまり息子だ。」
「うん……よろしく、父さん」
「それからイブラヒムはしばらくはギャングとして活動はさせずセバスの息子として過ごしていた。」
イブラヒムがバース研究所にいた事も驚きだったが、それ以上に…
「やっぱりイブちゃんって”Ω”だったんだね」
「お前は気付いていたのか」
「うん、なんとなくね」
「イブラヒムは優秀なαを産むための母胎として理想だったが故に研究所で特別視されていた。
研究員共はその特異性からイブラヒムを
【Blue・Beryl《ブルー・ベリル》】
と読んでいた」
「それって!?」
イブラヒムが連れ行かれた際に黒ずくめの者達が言っていた言葉だ。
「そうだ。奴らは最初からイブラヒムが目的だった。【Blue・Beryl】は奴らが作った造語だ。その希少性から宝石のレッド・ベリルとあいつの瞳の色からそう名付けられた。
あいつの価値は十億はくだらない。愛玩だけでなく、その優秀なΩ性から優秀なαを産ませるために国の者が裏から欲しがるからな」
「じゃあ全て計画的に襲撃してたって事か…?」
「おそらくな…」
「これからどうすんの?」
「もちろんイブラヒムを助けに行く。だがこのままでは無理だ。奴らは多数襲撃している事から大人数だろうな。人員が足りない。俺は傭兵から助けを募ってくる。お前たちは戦闘の準備をしておけ。」
「「「わかった」」 」
「ボス、俺は武器の在庫を増やすためにアラモアイランド行ってくるね」
「1人では行動するな。カゲツ、メイカパイセンも一緒について行ってくれ」
「わかりました」「ほいよ!」
「僕たちは車の性能を強化してくるよ」
「頼んだ」
「俺が戻るまで待っていてくれ」
各々準備のためにアジトから出て行った。
「あれ…?ここは……?」
「久しぶりだな、【Blue・Beryl】」
…to be continued