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お久しぶりです、めろうです!
皆さん遅れてしまい、申し訳ありません!!
忙しすぎて全然作れませんでした!!
それでは早速スタート!
ふとした時に意識が戻り、瞳がゆっくりと開いた。ここは…医務室?俺、また首領にご迷惑を…。だが、辺りを見渡してみたが、特に俺以外誰もいない。
一体何が…?もしかして、何か事件に
「中也♡」
聞き覚えのある声に勢いよく後ろを振り返る。そこには心配そうにこちらを覗き込む太宰が居た。
「大丈夫?君二日も寝てたんだから…」
「は、はぁ!?二日!?」
すぐそこにかけられていたカレンダーに目をやると、俺が記憶している日付より二日先までバツ印が付けられていた。本当に丸二日寝ていたようだ。
「ほら。二日も経っているだろう?」
「本当に二日も…」
「そう、本当さ。一応僕の相棒なんだ。もっとしっかりしてよね。筋肉馬鹿なクセにす〜ぐ倒れるんだから。」
「誰が筋肉馬鹿だって?」
あ゙ー、腹立つコイツ。でも良かった。俺、まだ死んではないみたいだ。てっきりあれが俺の最後かと…。
にしても、さっきの声は何だったんだ?明らかにコイツの声じゃなかったはずだ。また”あの”太宰か…?
開いていた窓の隙間から冷たい風が吹き込む。
あぁ、そうだ。少し冷静になろう。外の空気でも吸いに行くか。
「ねぇ中也〜、人の話聞いてる〜?」
「聞いてない」
コイツ話してたのか。全く気付かなかった。まぁ、真剣に考え事してたし、仕方ねぇよな(?)
よし、もう無視して屋上で涼んでこよう。
「酷くない?って、ちょっと中也!」
そのまま太宰を残して部屋を後にする。
廊下へ出て行くと、ほんの少し肌寒く感じる。もう冬に近づいて来てんのか。そのまま誰とも会うことなく、あっさり屋上の扉の前へ到着してしまった。
屋上の扉を開くと、冷たい風が肌をくすぐった。寒い。いつの間にこんなに寒くなっていたものか。
外は薄暗く、空が紺色に染まり、おまけには曇っていた。まるで明るい月光を閉ざすかのように。
低いパラペットに腰掛ける。昔もよくこんなことしてたなぁ、なんて思い出をかみしめていた。
しばらくすると、ふと、誰かが背中に触れた。
「こんな所で何してるの?」
太宰?まさか、わざわざ追いかけて来たのか?別にこんな所まで来なくたっていいのに。面倒臭ぇなコイツ。
「風に辺りに来たんだよ。手前の所為でイライラしてたからな」
「おっと。それはごめんよ」
「んな事思ってねぇだろ」
「うん」
「チッ」
そのまま時は流れ、気付けば隣に太宰が座っていた。二人でずっと無言で街を見下ろして、静かに笑い合っていた。
ふと、隣を見た時、少し前のめりになった太宰が目に映った。危なっかしいのも、昔からコイツは変わらねぇな。
「おい、落ちんぞ」
「別に。落ちて死ぬのは私の本望だ」
あー、そうだったコイツ。自殺愛好家だった。
「俺は手前に落ちて欲しくねぇから言ってんだよ」
俺優し。こんな奴(笑)でも助けてやるんだ。感謝しろよ?太宰。
俺は太宰の胸元に手を当て、「落ちようとするな」と行動で示した。
「はぁ…君の前では自殺はできなさそうだね」
「そもそも自殺なんて何が楽しいんだよ。苦しいだけじゃねぇか」
「この酸化した世界でこの一生が終わるまで生きろという方が苦しいと思うけど」
うわぁー、めんどくせぇー。もういいか。そろそろコイツから離れよ。そう思ったが…。
「そういえばさ」
突然アイツが話題を変えた。何かあったのだろうか。
「”それ”どうしたのさ」
「”それ”…?どれの事だよ」
すると、アイツは目線を促すように俺の首元を指さした。つられて目をやる。そこには最近購入したループタイが付けられていた。
「あ?いつの間に…」
「やっぱり気付いてなかったんだ」
まあ、いいか。そもそも買ったの俺だし。もしかしたら自分で付けてたのかもしれねぇからな。
「まぁいい。俺は戻るからな」
そう言って立ち上がった瞬間、足を踏み外し、屋上から身を投げ出したのが見えた。だが、全く落ちていかない。次に見えたのは太宰が俺の手を掴んでいたところだった。
「太宰…っ!何で手を掴んだ!!俺は異能を使える!!異能を使えば落ちずに済む!!」
「馬鹿か君は!!この手を離したら、君は異能を使えずに落ちる!!」
そこでハッとした。アイツが最初に屋上へ来た時、俺の背中に触れていた。だから、しばらく俺は異能を使えない。
つまり、今落ちれば____
「死ぬ………?」