恵比寿視点
…朝から何となく自分の不調に気づいていた。
体が重いなぁと思ったから熱を測ったら37度5分だった。めっちゃびみょーだから学校に出勤していいか分からず、取り敢えず薬だけのんで出勤した。
薬を飲んだら大分楽になったから「大丈夫そうだな?」と思っていたら4時間目に体調が再度悪くなった。
「っはぁ。…ん」
歩くのが辛くなり、ちょっと動くだけで息切れしてしまう。
体が暑い。
でも寒気がする。
体がだるい。
頭が痛い。
そんな事を思っていると、ふと凛太郎くんが頭のなかに出てきた。
…凛太郎くんに会いたい。
凛太郎くんに甘えたい…
無性にそう思った。
子供っぽいと思われてしまうかもしれない。
嫌な顔をされてしまうかもしれない。
そんな不安がよぎる。
そんなこと凛太郎くんは絶対にしないと自分が一番分かっているのに。
「…よし…」
僕は一度不安を忘れて、取り敢えず凛太郎くんに会いに行こうと重い足を動かした。
職員室に着いた。
ガラガラ
職員室には安倍先生と秦中先生がいた。
秦中先生はともかく、安倍先生にバレると騒ぎそうだから平然のフリをした。動物妖怪の秦中先生は感が鋭いから気を付けなきゃ。
「あっ、お帰りなさい恵比寿先生!」
「ただいまー」
「ねぇ、神酒先生って今どこ?」
「あ~、神酒先生は今ね…💦」
ん?安倍先生…焦ってる?
ガタンッ
「!?、何、今の音?」
「神酒先生苦戦してんなー」
「なにに?」
「…見れば分かる」
「ちょっと!」
「っ落ち着けよ!大丈夫だろ…。」
…どういうこと?
取り敢えず僕は物音のした部屋に近づいた。
「…?」
中を見てみると凛太郎くんと女の人が話ていた。
話の内容に耳をすませてみると…
「せやから受け取れませんって…」
女の手の中には高そうな箱があった。
「どうしてよ?」
「知らん人から受け取れへんやろ」
「知らない人って…ひどいわ!」
…誰だよあの女
「…ねぇ、あの女誰」
「神酒先生のストーカー」
「は?」
「ちょっ、圧かけるなよ!悪いのわあの女だろ?」
「…」
「最近校舎をずっとうろうろしてる不審者がいるって噂あったでしょ?多分その人だと思うんだけど…今日の3時間目に入道くんからずっと校門の前に女の人がいるって言われたの。ほら、入道くんって目がとってもいいでしょう?だから神酒先生と秦中先生と一緒に校門前にいったら女の人が神酒先生に渡したいものがあるのー!って叫びだしたさぁ。さすがに人の目が痛いから校舎に入れて神酒先生がどうにか帰って貰おうと説得してるところなんだ。」
「帰る話まで発展してないけど…」
あの女の話聞いたらもっと頭痛くなってきた…
「…ていうか恵比寿先生、体調悪いだろ」
「えっ、そうなの!?」
やっぱり秦中先生にはバレるか…
「だからなに?」
「いや、早く保健室に…」
「いや」
「子供かよ!」
「…凛太郎くんも一緒じゃないと…いや」
「えぇ、でも今凛太郎くんは…」
「…その問題解決したら凛太郎くん連れてってもいい?」
「えっ?まぁ…」
「分かった」
ガラガラ
「?」
「失礼します。」
「えっ、恵比寿先生!?」
「だっ、誰よ!」
「凛太郎くんの恋人です」
「!?」
「…は?」
「ちょっ!ドストレートすぎやろ!」
「うるさい。凛太郎くんは黙ってて。」
「え…(´・_・`)」
「あんたが凛太郎くんの恋人!?」
「はい、そうです。」
「なっそんな…嘘よ…」
「嘘じゃありません」
僕は女に近づき、女を壁に誘導して女の背中が壁に着いた瞬間
ドンッ
「ひっ!」
女に足ドンをする
「いいですか、凛太郎くんは僕のです。凛太郎くんに甘えていいのは僕だけなんです。貴方にプレゼントを送る資格なんてないんですよ。」
僕は女に圧をかけながら早口で言う。
「あのっ、ごっ、ごめんなさいッ」
「え?弱音吐くの早すぎません?貴方の凛太郎くんへの愛ってその程度なんですか?」
「そっそれは…」
「もういいです。」
「二度と凛太郎くんに近づくな、いいな?」
「はっはい!ごめんなさい!」
そういって、女は走って逃げていった。
「恵比寿…くん。ありが…!?」
凛太郎くんがありがとうと言おうとしていたから思いっきり怒ってやろうと振り向くと、凛太郎くんが固まった。
「?、どうしたの?」
「…ギュ 」
「なっ!///」
急に抱き締めてきた。
「…体調悪いのにごめんな… 」
「!?…気づくの早すぎない?」
そう言った瞬間、ほっとしたのか僕は凛太郎くんに全体重をかける。
「…凛太郎くんは僕のなの。他の人の所いっちゃいや…」
「…ごめんな」
凛太郎くんが僕を横抱きする。
「晴明くん、秦中」
「なっ、ななんだよ!」
「なっなななななに! 」
いや、動揺しすぎでしょ…
「恵比寿先生保健室に連れていくから、後頼むわ」
「ん、任せろ」
「恵比寿先生!お大事にね!」
「…ん」
トコトコ
保健室につき、ベッドへ寝かせてくれた。
「熱、図るよぉ」
「ん…」
ピピピッ
「あー、38度7分、結構高いなぁ」
「高すぎるからもう帰ったほうがええか。恵比寿くん…帰れる?」
「…凛太郎くんも一緒じゃなきゃ帰らない」
「言うと思ったわ…6時間目終わるまで待たないかんけど待てる?…」
「ん…」
「よし、偉いなぁ恵比寿くん」
「んふふ、でしょ?」
褒められた…♪
「あぁ、可愛いくて偉い良い子や」
「…」
僕は凛太郎くんが羽織っているカーディガンを引っ張る。
「?、どした?」
「良い子に待ってるから…凛太郎くんのこれ…頂戴?」
「…これって、カーディガン?」
「コクン(..)」
「…」
えっ、怒らせた…
「ハァ」
「ビクッ」
ナデナデ
「うぇ?」
凛太郎くんが僕の頭を撫ではじめた。
「あかん、まじで授業行きたなくなった。」
「それはだめ。」
「そんなぁ…😢」
「ほら、早く早く」
「うぁ、分かった分かった。」
凛太郎くんがカーディガンを脱ぎ、僕に渡してくれて。
サッ
渡して貰った瞬間すぐに僕は羽織った。
凛太郎くんは、萌え袖で着るためにいつも自分より大きめの服を買っている。本人曰く、(そっちの方が可愛いやろ?)とのこと。まぁ、確かに可愛い。僕は凛太郎くんとサイズが近いため、必然的に僕も萌え袖になった。
「…暖かくて、寂しくない…」
僕は小声でそう言った。
「スゥー」
「?」
「天使が…ここに天使がおるぅぅぅ」
「っ!///」
小声で言ったはずの言葉が、どうやら聞こえていたらしい。
「さっさと授業行け!」
4時間目と6時間目の神酒先生は、生徒がめんどくさそうな事を起こしかけたらガチで怒ったらしい。
コメント
6件
今までの全話見てきました!! 公式では不仲の2人がここでは…… マジで最高すぎる!! 口角がずっと上がりっぱなしですよ!!てか毎度の如く恵比寿先生が可愛いすぎる!! マジで最高だ!!次回も楽しみにしてます!!
投稿頻度めっちゃ早くてすごいです!!これからも頑張ってください!応援してます!
ありがとうございます!恵比寿先生がめっちゃ可愛いのめちゃ分かります!