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★ Fujisawa Ryoka side
いつも行く居酒屋の予約が埋まっていたので、阿部くんの家で飲むことになり…
「ほんとにかわいくてね〜〜…」
若井の話をひたすらにしている最中。
話しすぎても、阿部くんはにこにこと嬉しそうに聞いてくれる。
相槌も沢山してくれて、すごく話しやすい。
つい話しすぎてしまうけど、阿部くんはずっと嬉しそうに聞いてくれるから話すのをやめられない。
『相変わらずラブラブだね、ほんと』
「えへへ…」
「阿部くんは?どうなのー?」
『ん〜…どうだろ?』
『涼架くんみたいに恋ができてるの、羨ましいなあ』
「えぇ、全然だよ!?」
僕も若井と付き合えるまで苦労したし、すぐ付き合えた、とはお世辞にも言えない
でもすごく大変なこととか苦しいこととか、全部ひっくるめて思い出。
「雨…」
阿部くんの家を出ると、ザーッと雨が降り注ぐ。
体に染み込むような湿気が僕を突き刺していく。
『傘いる?』
「あ、借りようかな…」
ありがとう、と阿部くんの傘を有難くもらう。
「じゃあ!阿部くんまたね!」
『うん!またね〜』
ばいばーい、と別れを告げて阿部くんの家から歩みを進めようとする。
その瞬間、車が一瞬で走ってきて水が僕にかかりそうになる。
阿部くんに肩を掴まれ、抱き寄せられる。
「わ、っ」
『危なかった〜…』
そのとき、パシャ、とシャッター音が聞こえた気がした。
「わ…ごめん!ありがとう…」
『全然!気をつけてね』
ありがとう!と告げ、歩みを進めて行った。
【大森さん!うちの阿部が藤澤さんと浮気してるかも……】