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#近未来
鳳蓮荘
307
視点:須藤亜樹
俺は目の前の光景に目を疑っていた。
「……は?」
思わず、そんな素っ頓狂な声が出た。当たり前だ。だって、目の前で死んだ人間が生き返ったのだから。
「…優、里?」
「あ、亜樹…」
「なんで、お前、生き返って…」
動揺せざるを得ないだろう。そりゃあこんな反応しかできない。なんならこんなに冷静な思考ができている時点で奇跡だ。
「…すごく、理解しづらい話になるんだけどね…」
その後、優里から全て話された。生き返らせられたこと。俺の目的を一緒に達成せねばならないこと。その、全てを。
「…つまり、優里は俺の願いを叶えるために、生き返ったって?」
「…うん、そう。神様に亜樹の手助けしろって言われて…それで、願いって?」
「…俺のこと痛ぶったやつのこと、簡単に信じろって…?」
「そう、だよね…」
2人の間に少し、ただし着実に、疑念が湧き始めた。窓から入ってくる12月の肌寒い風が2人の少し露出した肌を撫ぜる。
「…わかった、一回だけ、信じてみるよ。」
「…!本当⁉︎」
「うん。でも、その代わり、どんな願いでも、実行するって誓える?」
「うん、わかった。誓える。」
「…俺の、願いは…親父を殺す事だ。」
「…えっ?」
そんな素っ頓狂な声が優里から漏れ、すぐに風に混じって散っていく。随分と風が冷たく感じた。
「で、叶えてくれるのか?俺の願いを。」
「まぁ、でも、亜樹って、私のこと一回殺したし、覚悟は、できてるんだよね…?」
「当たり前だ。」
「…そっか、わかった、叶える。亜樹のこと、好き、だし…」
「…ありがとう。」
その言葉が部屋に落ちた。もう窓から肌寒い風が入ってくることはなかった。
第4章、閉幕。
コメント
1件
わあ、第4章閉幕…! すごい衝撃的な終わり方でしたね。亜樹が「親父を♡♡♡」って願いを口にした瞬間、ゾッとしました。でも優里が「私のこと一回♡♡♡たし」って返すところが、この二人の歪で切ない関係を象徴してて、胸が締め付けられました…。最後に風が止む描写、すごく効いてました。次章、どうなるんでしょう…!