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『 隣 に い て く れ た 君 へ 』
#3
ぼ−っとし乍、廊下を歩く。
『 こ の 箱 、 ど ぉ し よ か … 』
なんて考えつつ、窓の外へ目をやる。
?¿ ⌒ _ _ _
瑞 ⌒ … ?
瑞 ⌒ 誰 か な ん か 言 う た … ?
誰かの声が聞こえた気がした。
でも、周りには誰もおらん。
ふと、少し空いた窓に目がつく。
もしかして、と思い、窓から頭をだす。
?¿ ⌒ ~ ~ ~ ♪
先程よりも、声がきこえる。
瑞 ⌒ … … 屋 上 ?
閉まっとるよな、と思い屋上へ向かう。
そういえば、なんか歌っとるみたいやったけど
なんの曲やろ…
知っとるような…でも、初めて聞いたような…不思議な歌やった。
屋上への階段を駆け上がり、ドアの前へ着く。
案の定、鍵がかかっとって、屋上へは入れへん。
瑞 ⌒ … … ぁ 、 鍵 … !
興味本位で、箱の鍵を屋上の鍵穴にさす。
好奇心と緊張で手が震える。
その瞬間、胸の奥がざわついた。
もし、開いたらどうなるんやろ。
開けたら、もう戻られへん気がした。
好奇心と、知らん不安が指先を震わせる。
ギギッと音が鳴り、少しずつドアが開いていく。
隙間から光が差し込み、屋上の空気が微かに香る。
光がまぶしくて、目を細めた。
風が頬を撫でて、遠い夏の記憶みたいやった。
その匂いに、胸の奥が少し痛んだ。
瑞 ⌒ … … え 、 入 れ る … ?
ふっと風が抜けて、髪が揺れた。
まるで誰かが、すぐそこに立っとるみたいやった。
ドアの向こう、影のような何かが、ゆらりと動いた。
?¿ ⌒ ~ ~ ♪
瑞 ⌒ … 誰 か 、 お る ん … ?
その瞬間、歌がぴたりと止まった。
静寂。
風の音も、チャイムも消えた世界で、
れるはそっと一歩、踏み出す。
光の中、ひとりの男の子が立っとった。
制服は少し色あせ、髪が風に遊ばれている。
その瞳は、どこか懐かしく、
けど見たことのないほど澄んでいた。
瑞 ⌒ ぇ 、 と … … こ ん に ち は … ?
?¿ ⌒ … こ ん に ち は !
にこっと効果音が見えそうな笑顔をみせる男の子。
心の中の違和感が膨らむ。
笑っとるんに、目の奥は笑ってへんように感じた。
赫 ⌒ 濮 は こ え !
赫 ⌒ 君 の 名 前 は ~ ?
瑞 ⌒ ぁ … れ る 、 で す …
警戒心を隠しきれない程、怪しく感じる。
『 屋 上 、 立 ち 入 り 禁 止 や け ど … ? 』
『 こ ん な 奴 お っ た け … ? 』
『 … 泣 く の 我 慢 し と る み た い な 笑 顔 や な … 』
『 … … 何 や ろ う … 〝 君 〟 に 似 と る 子 や な 』
『 〝 君 〟 … ? 君 っ て 誰 や … … ? 』
1人でぐる〃と違和感を言語化してく。
なにか思い出しそうで、思い出せへん。
赫 ⌒ … ね 、 こ こ 、 気 持 ち ~ で し ょ
瑞 ⌒ お ん … … 風 、 気 持 ち え え な
赫 ⌒ 濮 、 ず っ と こ こ が 好 き な ん だ よ ね
瑞 ⌒ … ず っ と … … ?
その言葉に引っかかった。
けど、問い返す前に、こえくんはまたあの歌を口ずさみ始めた。
不思議と、胸の奥が温かくなるような、苦しくなるような。
そんな歌やった。
瑞 ⌒ … な ん で 、 こ ん な に 落 ち 着 か ん の や ろ …
風の匂いも、光の差し込み方も、なんか変や。
胸の奥がざわ〃して、頭の中がふわっと揺れる。
こえくんの笑顔を見とるのに、どこか遠い感じがして、
それが現実なんか夢なんか、分からんようになる。
瑞 ⌒ … そ ろ そ ろ 、 戻 ら な …
そう思ってドアを振り返った瞬間、
風がまた歌を運んできた。
耳を澄ませば、さっきより近い。
まるで、後ろで誰かが微笑んどるみたいやった。
…れるには、振り向く勇気がで~へんかった。