テラーノベル
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ーSレイマリー
「だから…”ッ、!!!!!
私は別にめめ村の皆と遊ぶ事も、何も悪いと思ってないです、ただ、デート中くらい他の女の子見なくたって”_!!!」
「この際だから言いますけど、私ずっとずっと…我慢してたんですよ”“ッ!!!?」
私は気が付けばそう彼に罵声を浴びせていた。
私には有難いことにお付き合いをさせて貰っている彼がいるのだが…その彼に最近は不満を感じる事が多くあった。
めめ村の皆でゲームをしたり、そういう事に対して悪いとは思っていない。が、デート中に他の女の子を見たり、スマホを触ったり。
私は愛されているのか分からなくなってしまって。
前もそうだった。私の事をほんとにすきでいてくれる人なんてやっぱり居ないのかな。
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ー???ー
俺は、気がついた時にはもう彼女が怒っていて、理解が追い付かなかった。
理解が出来た頃にはイライラが込み上げてきて。俺は強く言い返した。
「我慢”…!?じゃあその時言えばよかっただろッ”“、何でその時言わねーんだよ今に掘り返すなよ”_!!」
彼女の表情がどんどんと強ばり、また言い合いを繰り返す。
「私の事”ッ、本当に好きなんですか”“ッ!?」
そう彼女が言った瞬間、何か触れては行けない何かに触れたような気がして。自分を自分で抑え込めなくなりそうだった。
俺は勢いよくデスクに置いてあるキーボードを叩き、彼女に近付く。
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ーSレイマリー
「私の事”ッ、本当に好きなんですか”“ッ!?」
私がそう言った瞬間彼はプツンとなにかの糸が切れたように、ぶっきらぼうになる。何かと思えば
バンッ”_!!!!
と大きな音が無言の部屋に鳴り響く。
どうやら彼がキーボードを叩いた音のようで、そのまま立ち上がり私に近付いてくる。
その時に私はトラウマがフラッシュバックして、過呼吸になる。涙を流す事しか出来なくて、上手く喋る事すら、立つことすらも叶わなかった。私はただ、床にへたり込むしかなかった。
━━━━━━━━━━━━━━過去編
ーSレイマリー
私には元カレが居て、その人は相当にクズだったな、と自分でも思っている。今でもその傷は癒えないし忘れる事もできない。思い出すだけで過呼吸を起こして吐き気が押し寄せる。
数年前、私は元彼の奴隷…と言って差し支えなかった。勿論最初は仲の良くて、理想的な相手だった。けれども数ヶ月もすればその人は酒に溺れて私なんてほったらかし。唯一私を私として見てくれるのは性処理の時だけ。未成年の私にすらその人は性行為を強制してきて、断ったり反論なんてすれば怒鳴り声を聞かされ暴行を受ける。今でも大量の痣や傷が残っている。でもそれ以外で私を受け入れてくれることはなくて。その時の小さな私からすれば、「認めて貰える」と言う事がどれだけの物だったのか。けれどそんな生活のせいで私の心身は疲労でボロボロだった。
だから私は今でも大きな声も音も、全部全部嫌いだ。あの頃がフラッシュバックされて、自分を保てなくなってしまうから。やられるはずがないと分かっていても殴られると直感的に感じてしまうから。
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ー???ー
彼女に向かった手がピタリと止まる。
彼女は
「お願いします…なぐ、殴らないで_”!」
と誰かに懇願する様に。震えていた。
俺は元から彼女の過去を知っていて、今行動を起こそうとしていた。何をしているんだ。と今になって我に返る。
俺はゆっくりと彼女に歩み寄るが彼女は
「近付かないで…ッ”下さぃ、!!」
と俺の手を払う。
俺はそんな彼女をお構い無しに抱き締めた。
「俺は元彼じゃない。”ウパパロン”。
わかる?落ち着いて。ゆっくり息して。」
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ーSレイマリー
彼がこちらに近付いてきて、殴られると思い頭を抑え丸まり込む。
でも彼がした行動は決して暴行なんかじゃなくて。むしろ、あったかかった。
抱き締められた大きな手の中で私は呼吸も出来ないまま震え泣く。
彼_ウパさんは私が呼吸をゆっくり出来るまでずっとずっと背中をさすってくれていた。
しばらくの沈黙の後、ウパさんが頭を下げた。
「ごめん。レイマリさんの気持ち、ちゃんと分かってあげれなかった。ごめん。」
ウパさんが仲直り、と言わんばかりに手を広げる。私は迷わずその体に飛び込んだ。
その瞬間止んだ涙がまた流れて来て。嗚咽を出して泣いた。まるであの時出来なかった子供のように。
今いる彼はウパさんで、元彼じゃない。
私の傷が癒えるかと言われれば、YESとは言い難い。でもウパさんがそれに向き合って、私を認めて、一緒に歩んでくれると言うならばそれは私の幸せだ。
コメント
3件
めめ村にわかぐらい知れるようになって翡翠ちゃのテラーより一層面白いわ👍