テラーノベル
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先生 進路を考えろと言っているんだ
バカな夢を見るのはやめなさい
高校生になり進路を考え始める年になった
まずはなりたいものを見つけろと言われたため正直に答えた
青 バカではありません
俺は本気でヒーローになりたいです
誰に笑われたってこれは誰にも譲れない俺の夢だから
黒 そんでみっちり説教かいな
青 そう
正直に答えたのになんで怒られなかんねん
こんなバカだと言われる夢を笑わずに聞いてくれるのは親友の黒だけ
黒 まぁ先生が言いたいことも分からんでもないけどな
青 えー黒まで先生の味方なんか?
黒 いや味方ってわけやないけどヒーローって曖昧すぎんか?
成績も良くて優等生のお前がそんな抽象的なものにこだわる意味がわからんねん。
青 曖昧ね…
白 青ちゃんは僕の味方やんな…?
震え声で聞いてくる俺の大事な恋人
今にも消えてしまいそうなそいつを俺はただ抱きしめることしかできなかった
黒 …い、おい!
青 うわっ…急にでかい声出さんでや
黒 いやそっちが急にぼーっとするからやろ、俺のせいちゃうわ
青 俺なヒーローになりたいねん
黒 急に何や?さっきからその話しとったやん
青 その理由、黒なら笑わずに聞いてくれるか?
黒 …あたりまえやろ
やっぱりこいつはいいやつで
誰もが笑い流すような事だって真っ直ぐ聞いてくれる
だからこそ
俺は今日こいつに全てを打ち明けようと思う
青 俺な別に正義のヒーローになりたいわけちゃうねん
青 警察とか医者とかそういうんじゃなくて
ただ大切な人にとってヒーローでありたいんよ
黒 大切な人…?
青 俺恋人いてんよ
ほんまに可愛い俺の大事な恋人。
おもろくてふわっとした優しくて柔らかい雰囲気を纏ってて。
ほんまに愛してた
でもな
いじめられててんそいつ
暴力とか暴言とか心にも身体にも相当な傷を負わされてた
知ってた
でもな
俺怖かってん
標的にされるのが
恋人とは違う学校やった
でも殴られるの怖いし
嫌やし
知ってるけど知らんふりした
あいつはいつも俺の前で笑顔だったから
俺に隠そうとしたから
だから大丈夫だって自分に言い聞かせた
でもな
大丈夫なわけがなかった
あいつはあの快晴の日、俺を屋上に呼び出した。
白 今日の空めっちゃ綺麗やない?
青 せやなぁ
光に照らされる白はもう消えてしまいそうなほど儚くて
でもそこに美しさがあった
風が吹くたび揺れる髪
太陽の光を含んでさらにキラキラ光る白い髪と白い肌
全てが綺麗で
全てが目に毒に思えた
白 青ちゃん…僕なヒーローになりたいねん
青 ヒーロー?
白 笑わないんやな
青 お前の夢を笑うわけないやん
白 優しいなぁ
やっぱり好きやわ
青 なんやねん急に…むず痒いわ
白 でもな…もう無理や
青 はっ…?
白 青ちゃんは僕のヒーローやったよ
でもな…僕はヒーローにはなれんかった
ごめんな
そう言い残した彼の声は震えていて
見るのも怖くてそらしていた顔をそっと上げた
そこにはもう
宙に舞っている白がいた
後に聞いた話だが
いじめの標的はもともと白ではなかったらしい
白はいじめの標的を自分に変えてまで友人を守ったみたいだ
白の両親にはあなたのことを本当に好きだと家でもずっと話していたと聞いた
青 俺はお前のヒーローなんかじゃない
何も…何もしなかったただの意気地なしや
自分を守ることに必死やった
俺はお前を殺した
それなのに
俺をヒーローだなんて
そんなん違うやろ
ヒーローは俺やない
お前やんか
青 ってことがあったから
俺は次は誇れるヒーローになるって決めてるんよ
黒 そうか…
青 なんで泣くんよw
黒 いや…いい話すぎるやろこんなもん
青 なれるかな…俺も
黒 …お前も恋人さんももうヒーローや
誇れ自分を十分にヒーローになれてるから
青 俺はまだ何も…
黒 お前がいなかったら俺学校来てなかったから
不登校の俺を学校にこさせてくれたのも
俺を自殺から救ってくれたのも
全部お前やろ
恋人さんもそうや
いじめから人を救った
お前らは立派なヒーローや
だから誇れ
青 そっかぁ
ヒーローになれてたんやなぁ
やっぱり黒に話して良かったわ
俺は過去にずっと引きずられていた
それでも今は過去を乗り越えて前を見て
あいつに胸張ってヒーローになったって言えるような
今度こそ救ってやるって言えるような
そんなヒーローになろうと思う。
コメント
1件
明るい青春をテーマにした作品はあまり得意ではありませんが書いてみました。 お気軽にコメントお待ちしております。